日本の製薬産業を対象にした「国策」は大丈夫か?
みなさんお元気ですか?暑い日が続きますが、お変わりありませんか?
さて、日本の製薬企業本社が集まる中央区、千代田区。両区には隅田川に交わる川が流れていて、川の向こう岸と、こちら岸に、かつてお江戸情緒を代表する景観として人々に愛でられた「日本橋」が渡されています。
ところが1964年の東京オリンピックの開催前年に、日本橋の真上に首都高速道路が建設され、空は殺風景な鉄筋コンクリートで封印、日本橋の上は昼間でも真っ暗です。以後約50年、日本橋に、お江戸情緒を感じることはできない。しかし、今になって、高速道路を地下に移動し、日本橋の空を取り戻す大規模建設が始まっています。総工費は約3200億円、完成するのは2040年。あと18年も先です。
首都高の整備は日本の自動車産業の発展を後押しし、自動車は海外市場にも強い日本の基幹産業になりました。しかし、その自動車産業にも今や陰りが見えています。自動車のみならず、繊維、鉄鋼など国内産業の発展は、時の国策と無縁ではありません。各産業の栄華盛衰は、国策の後押しが有るか無いかにかかっていました。
日本の医薬品産業はどうでしょうか?国策の後押しを受けてきたでしょうか?また、もし国策の後押しがあったとして、その国策は正しく行われているでしょうか?新薬の承認審査、薬価制度、医師の処方、薬剤師の調剤の在り方に問題はないでしょうか?産業の発展を目的とする国策をどこまで、どのような形で組み込むべきでしょうか?
おかしな国策が施行されれば、その産業は一時的に恩恵を得ましょうが、結果、社会的に失うものも多い。日本橋の上にある首都高速道の建設、そして今回の地下移動への再工事に、そんなことを思いました。今回はこの辺で。
写真はとある街角で。気持ちだけ南国(苦笑)。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。