髙久史麿先生が、製薬業界に期待していたMR活動
みなさん、お元気ですか?猛暑が続きます。梅雨を通り越して一気に夏になったかのよう。人通りまばらなところでは、マスクを外させてもらっています。マスクは科学的な効用云々というより世の中の空気に乗るか、反るか。。。。私は、ある種、ムードに支配されて定着した時代の慣習だと思うので(とくにいまは)、周りの人たちを見渡して、外したり付けたりしている今日この頃です。
さて髙久史麿先生のお別れ会が6月26日に都内で開かれ、ご挨拶に行ってまいりました。ご承知の通り髙久先生は日本医学会会長や自治医科大学長を歴任、東大名誉教授で地域医療振興協会など各種医療団体のトップを務めていらっしゃいました。お亡くなりになったのは3月24日。御年91歳でした。
髙久先生のご功績はあまりに多岐、壮大、重層的で、すべて把握することはできない。折に触れ、取材でお世話になりましたが、私が理解できたのはほんのわずか。。。医学界を束ねる日本医学会を「日本医師会」とは別法人化し、学術と政治の切り離しにご尽力されていたこと。地域医療の重要性を強調し、理想像を追求しておられていたことなどです。
医薬品業界関係では、MR認定センターの理事長を務め、時代、時代で大きく変わる「製薬企業と医師の理想的な関係」を検討する際の「要」でいらしゃいました。
私が最後に直接、お話を伺ったのはコロナが流行る直前19年秋でした。取材テーマは多岐にわたりましたが、製薬企業のMRについて今後、一体どうなるのか?どうすべきなのか?そんな質問をさせていただきました。それに対して髙久先生はこう答えられました。
「極めて有効だが、いろんな副作用が出る使い方が難しい薬が増えてきた。それを一人の医師がすべてを把握するのは困難。医師が患者に薬の説明をする際に、MRがその説明をアシストできるような仕組みが必要ではないか」。
製薬業界もチーム医療に積極的に参加して欲しいという思いの表れだったのではないかと思います。。。。私は素晴らしいアイデアだなあと思ったのですが、今のところ実現はしていません。
取材が終わる帰りしな。先生に著書をいただきました。ご自身のサインを添えて。。。。先日のお別れ会でも「人との出会いは運命」と題する追悼本をいただきました。この2冊は、私の宝とします。
髙久先生ありがとうございました。心より深くご冥福をお祈りいたします。