元厚労省幹部で大学教授で審議会委員の「日本の医療費支出は今でも高くない!」って発言、どうなの!?
みなさんお元気ですか?石川県での地震で被害にあった方たちに心よりお見舞い申し上げます。
さてちょっと前のことですが、元厚労省幹部で、今は大学教授、そして厚労省の審議会委員を務める方が、ある製薬業界の集まりで講演しました。テーマは「ヘルスケア産業の未来」で、種々、問題提起はありましたが、期待していた具体案の提示はありませんでした。
ただ、気になったのは「OECD統計を元に日本の医療費水準はもはや低くない(高くなった)といわれるが実はそうでもない」と話された点です。
同氏の言説から、その理由をわたくしなりに解釈すると、こうです。
日本は高齢化が進んでいる。高齢化が進めば医療費は上がるのが当たり前。高齢化の影響を除外すれば、医療費水準は今示されている数値より下がる。また、OECD統計の基準が変わり、長期ケアの支出を医療費に含めることになった。それに伴い介護保険で見ている長期ケアの費用も医療費に含めるようになり、それで日本の医療費水準はOECD統計数値上、上がった。しかし統計の基準が変わらなければ、日本の医療費水準は上がっていない。したがって、日本の医療費水準はとくに上がっていないし、現在でも高くないーーーと。。。。
まあ、そういう「見方」「言い方」もできるんだろうなあと素直に納得しました。が、同時に、かりにそうだとして、それがどうしたの?医療費は、このままでいいの????と疑問も湧きました。
そもそも厚労省は、もう何十年も前から日本で高齢化がどのくらい進むかを予想していました。また、医療保険とは別に、介護保険という別の公的保険制度創設し、介護的要素の強い長期ケアを、医療の世界から、介護の世界に移し替えました。その結果が今の姿なのです。
日本の医療保険、社会保障制度の持続的運用を考えるときに、高齢化と長期ケアの現状を無視することはできない。いまさら高齢者の影響を抜いたら。。。とか。長期ケアを含めないなら。。。とか。言っても、それは詭弁にしかならんのではないかと。そう思いました。
元厚労省幹部が講演で何を言いたかったのか。今一つよくわかりませんでした。最後に医療DXの話をしたので、「DXが進めばめんどくさい議論をしたり、めんどくさい政策を打たなくてもすべて解決する」と。そう言いたかったのかなあと。。。。期待していただけに消化不良で残念に思いました。ご接見の機会があれば、是非、ご教示いただきたいです。
写真は国会議事堂前で。。参院選ももうすぐです。ということで今回はこの辺で。皆様、素敵な一週間をお過ごしください。