特許切れ薬品の「新団体」が発足、閉塞感を吹き飛ばす活動に期待!!

 みなさん、お元気ですか?外気はまだ暑いままですが、少しずつ秋独特の涼風が混じるようになってきました。新型コロナの緊急事態宣言は9月末まで延長。まあこの調子ですと、その後も、せいぜい、まん防止等重点措置への移行というところでしょう。。。行動制限がスッキリ明けるのはもう少し先になりそうです。

 さて本日13日、特許期間が満了した医薬品、いわゆる「エスタブリッシュ医薬品」に関する政策提言を目的とする、新団体「日本エスタブリッシュ医薬品研究協議会」が発足、活動を開始しました。

 発起人代表は武田テバファーマの松森浩士社長【写真】です。また、アドバイザーには医薬品業界に精通した元厚労省審議官、唐澤剛氏(慶応大大学院、メディア研究科、特任教授)が名を連ねています。

 私の感想は「いよいよ来たかあ」です。

 エスタブリッシュ医薬品と言うからには、後発品医薬品(ジェネリック=GE)だけでなく、新薬の特許が切れた後、その新薬メーカーが子会社などに製造販売を譲渡する「オーソラーズド・ジェネリック=AGE」も射程圏に入っているのでしょう。

 これまで特許が切れた医薬品の業界団体と言えば、日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)だったんですが、今度の新団体は、製薬企業のみならず、卸、原薬メーカーも取り込む考えで、GE薬協より、会員のすそ野は広くなりそうです。また、「政策提言を行っていく」としており、よりアグレッシブな活動が期待されます。

 GE薬協の会員数は現在38社。後発品の製造販売を専業とする中小メーカーがほとんどです。

 一方、今回発足した新団体には、GE薬協に加盟していない、あゆみ製薬、ヴイアトリス製薬、白鳥製薬ほか、先頃、日医工に資本参加(9.9%)した大手医薬品卸、メディパルホールディングスも参画しています。GE薬協の加盟社で新団体に参画するのは現在、武田テバのみです。

 今後、大手新薬メーカーの許諾を受けて、AGEを製造販売している大手メーカー子会社などが新団体に加盟するかどうか。。。そこが焦点になるでしょう。

 新団体の発起人代表、松森氏はファイザー日本法人の取締役執行役員時代に、特許が切れた医薬品を「エスタブリッシュ医薬品」と命名、事業化を推進したリーダーです。17年3月、武田テバのCEO兼社長に就任、21年2月、武田テバの大工場を日医工に売却するなど「辣腕」で知られます。

 ここ最近、承認時の製造法を逸脱した後発品が相次ぎ、後発品専業メーカーの信頼が揺らいでいます。そんな中での新団体設立、今後の活動が大いに注目されます。

 写真は新団体の発起人代表、松森氏。新団体の活動で閉そく感を打ち破る「新旋風」を巻き起こして欲しいです。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

 

 

 

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