日本医師会の中川俊男新会長に期待すること
Posted on 6月 29th, 2020 by IDAKA
みなさんお元気ですか?新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言が解除されてまだほんの1か月ですが、世の中、いきなり三密だらけで、ホンマ大丈夫かよお~っ!!!と感じる今日この頃です。
さて日本医師会の会長が8年ぶりに交代。6月27日の選挙で中川俊男新会長が誕生しました。横倉義武前会長との一騎打ちで、結果は代議員総数371票中、中川氏191票、横倉氏174票(無効2票、白票4票)で中川氏が当選。競り合いでした。
横倉氏は、出馬するかどうか迷い、気持ちが不出馬に偏った時に、どこかしらが一部メディアに「不出馬」とリーク。それが「勇退」「禅譲」と報ぜられたのが痛かったですね。横倉氏が正式に出馬表明した後も「前に出ないといってたくせに出た」みたいな横倉氏からすれば“傷口に塩”のような記事が続き、かなり票を落としました。
一方、中川氏は「こんな時期に選挙するのか」との声にも動ぜず、一貫して自らの主張、「新しい日本医師会」を訴え続けました。ぶれない姿勢が評価された面があったかと思います。
中川新体制で日本医師会は生まれ変わります。
横倉前会長は政界とのパイプが強く「調整型」と言われましたが、中川新会長は「言うべきことは言う」という「論戦型」。ある意味、新時代の幕開けにふさわしいかもしれません。新型コロナ禍で急速に世の中が変わる中で、力の強い人の意向を忖度し、全方位に空気を読む「調整型」は時代遅れのような気もします。
自分たちの立場で徹底的に考え抜いて理論武装し、それを公表したうえで、意見をぶつけ合う。「論戦型」は、日本ではなかなか根付きませんが、欧米では珍しくありません。中川日医新体制が「論戦型」による政策決定プロセスの道を切り開いてくれるかも知れない。そんなほのかな期待を抱いています。
しかし、永遠の「論戦」では意味がありません。どの段階でどうやって矛を収めるかもリーダーの重要な役目。手腕の見せ所です。中川新会長の組織運営に注目したいです。
それと個人的に希望したいのは、政策決定プロセスの透明化。すでに中川新会長の施政方針に盛り込まれていますが、会員だけでなく、一般にも是非、公開して欲しいです。横倉前会長は政界とのパイプが強いだけに、なんだかわからないうちに物事が決着していることが多く、ある意味、プロセスが不透明でした。
それから「かかりつけ医」。すでに名称は普及していますが、一体何をどこまでやってくれるのか。国民には機能、役割がいまだ不鮮明です。こんどのコロナ禍でも地域の中でどんな役割を発揮したのか。そもそもの機能が不鮮明でわかりません。
とまあ、長々、書きましたが中川日医新体制。大いに期待したいと思います。
写真は中川日医新会長。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!!
※薬新が発刊しているMEジャーナルに中川新体制の記事を掲載しました。どうぞご覧ください。
◆日医・中川新体制で何が変わるか!?(上、下)◆