日米欧代表がAI、IoTによる医療の効率化、質の向上を提言!!薬価制度だけに偏向した政策提言はもう終わった!!

 みなさん、お元気ですか?本格的な梅雨が到来しました。窓の外に微かな雨音を聞きながら起床、これはこれで風情があります。

 さて先週6月4日、日米欧の新薬メーカーの代表が医薬品産業政策のあり方に関する座談会を開きました。それもただの座談会ではなくて「報道関係者向け座談会」。メディアの反応も上々で、会場の帝国ホテルは報道陣で一杯になりました。同日、日本で開かれていたG20会合に合わせて、業界の提言を社会にアピールしたのです。

 「まあ、業界の提言だから、どうせまたイノベーションを評価しろ、薬価をもっと上げろって言うんだろうなあ」と、タカをくくって行ったのですが、今回はそうではありませんでした。とくに薬価制度について、自分たちからはほとんど何も触れませんでした。代表らの主張を簡略化すると「AI、IOTで医療制度の効率化を進め、患者メリットを高めるべきだ」というものでした。もちろん、その背景には「もっと効率化できるだろ?効率化を進めないで薬価ばかり叩くなよ」という裏のメッセージがあるわけですが、提案のすそ野が広く、薬価制度への偏向がなかった。

産業政策に関する業界の提案というと、これまでは「薬価制度のここを直してほしい。ここを追加して欲しい」というテクニカルな主張に陥りがちでしたが、今回の座談会は、そこから脱し、医療保険全体を見渡した内容になっています。もう薬価制度だけを拠り所に押したり引いたりしても何も出てこない。薬価制度だけで主張すると単なる業界エゴと切って捨てられかねない。患者への貢献を徹底して考え、全体を見て主張しないと、説得力がない。今回の座談会から、そんな気迫が感ぜられました。どうやら新たな医薬品産業政策の時代が来たようです。

座談会のメンバー以下。日本製薬工業協会の中山讓治会長(第一三共会長兼CEO)▽国際製薬団体連合会(IFPMA)のデイビット・A・リックス会長(イーライリリー会長兼CEO)▽米国製薬工業協会(PhRMA)のオリヴィエ・プランディクール会長(サノフィCEO)▽欧州製薬団体連合会(EFPIA)の次期会長ジャン・クリストフ・テリエ氏(ユーシービーCEO)。

 写真は座談会風景。右からテリエ氏、プランディクール氏、中山氏、リックス氏。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。時に雨音に耳を澄ませて。。。。

 

 

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