シオノギとロートが何か新しい潮流を生み出すんじゃないか?!
さてここ数年、国内製薬企業のヘルスケアビジネス(一般用医薬品、化粧品、口腔ケアなど)の動きが激しくなっています。2016年1月に塩野義製薬が100%子会社シオノギヘルスケア、同年4月、武田薬品が100%子会社武田コンシューマーヘルスケアを設立します。この辺りから水面下での動きが活発化しています。
大正製薬は17年秋、長年、武田薬品に販売を任せてきた年商100億近いドル箱製品、整腸剤ビオフェルミンを自社販売に切り替え、武田薬品と手を切りました。と同時に18年12月、米ブリストルマイヤーズスクイブの子会社でヘルスケア事業を担うUPSAという会社を1800億円で買収しました。この発表があった時、「お!!大正製薬主導でいよいよ国内企業再編かあ!!!」と思いましたが、大正は国内企業の買収には興味がないようです。となると。。。
勘でしかありませんが、私は、どうも塩野義が流れを作っていくような気がしています。塩野義は子会社シオノギヘルスケアを設立する前に、それまでMeijiSeikaが持っていた、うがい薬イソジンの販売権をかなり強引な形で手中に収めています。また、18年6月、ロート製薬と協業を進めるため、資本提携(ロートがシオノギの株を15%取得)しています。具体的なビジョンを持ち、その実現に向け、着々とコマを進めているように見えるのです。そしてロート製薬は、19年6月、武田コンシューマーヘルスケアの初代社長で17年6月に同社を辞めた杉本雅史氏を新社長に迎えます。シオノギとロートが本気で手を組めば、何か新しい潮流が出てきな気がしませんか?単純な野次馬根性で、わくわくします。
武田コンシューマーヘルスケアは先週3月末、ビオフェルミンの代替製品の販売権を手に入れた、とのことで記者会見を開きましたが、記者の質問に対する回答はことごとく歯切れが悪く、精彩を欠いているような印象を抱きました。第一三共の100%子会社第一三共ヘルスケアは、親会社が「がん事業への集中特化」を進める中で「いずれどこかに売られるのではないか」との観測がずっと続いています。
2020年度以降は薬価制度改革が再び猛威を振るいます。ヘルスケアビジネスも、それを踏まえて大きく変わっていくでしょう。
写真は東京の八重洲口にて。シャッターを押そうと思ったら急に曇って。。。(笑泣)まあ、それはそれで春の桜ということで。それでは皆様、素敵な1週間をお過ごしください!!!