ゲノム医療の推進は「個人情報保護」の徹底がカギ!!厚労省はデータ管理能力を高めよ!
みなさん、お元気ですか?お盆休みはいかがでしたか?先週から、急に気温が下がり、秋の気配さえ、感じさせる日が続いております。
さて、いよいよというか、ようやくというか、日本でも「がんのゲノム医療」が本格的に始まりつつあります。我々、国民が、がんになった時、遺伝子を網羅的に調べて、原因因子を特定し、最適な治療に結び付けようというものです。今年3月に閣議決定した「第3期がん対策推進基本計画」の柱のひとつとして「がんのゲノム医療」が明記され、4月から厚労省の検討会などが実施について活発な議論を進めています。来年から、がん患者を対象に、遺伝子検査の一部を保険適用することも検討しているようです。
「がんのゲノム医療」は欧米、中国などに比べて遅れていると言われています。だから政府は、なんとか巻き返しを図りたいと考えています。ゲノム医療が浸透し、データが蓄積できれば、疾患の推移を追跡して検証を重ねることによって、新たな治療技術や、新薬開発にも、つなげることができます。
今年6月、厚労省の懇談会(がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会)がまとめた報告書の5頁にはこうあります。
「質の高いがんゲノム医療を国民に提供しながら、個人情報を含めた医療情報を集約し、研究での利活用を促す仕組みが必要」。
最先端技術を応用して、よりよい社会を築くには、私たち国民が、個人情報をある程度、運営主体(国、都道府県、所属組織など)に委ねなければならない世の中が来たようです。かつて、ビッグデータ研究の第一人者である大学教授も「賛否はあるかもしれないが、私自身は、世の中全体のために、個人データを晒す覚悟はある」と話していました。でも、私は、どうもそこまで割り切れません。運営主体を信じきれないのです。
もちろん、政府が今後、進めていくがんゲノム医療で、集積するデータは、個人が特定できないように徹底的に保護するのが前提です。しかし、しかしですよ!!!私たちの個人情報、本当にしっかり保護してくれるのでしょうか?厚労省が、国民の年金記録を紛失したり。医薬品医療機器総合機構が臨床試験データが入ったUSBを紛失したり。取り返しがつかない問題が明らかになっても、誰も責任を取りません。当局のデータ管理能力への不信感は増大する一方です。
ゲノム医療の推進には賛成ですが、まずはしっかりと患者の個人情報を保護する。そういう体制を構築するのが先ではないでしょうか?政府関係者や、研究者には「そんなこと言っている場合じゃない。海外との競争にこれ以上、遅れるわけにはいかない」と反論されるかもしれませんが。。
写真は週末に訪れたお猿さんの公園で撮影。親子で何か会話しているようです(笑)それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。