アステラス製薬の安川次期社長は、いかにパテントクリフを乗り越え、新たな収益源を育て上げるか。
みなさん、お元気ですか?2月に突入し、各社の18年3月期業績がどうなるか。大体、見えてきましたね。
そんな中、先週1月31日、アステラス製薬の社長兼CEO交代の発表がありました。4月から安川健司氏(現副社長)が新社長兼CEOに就任。最大の課題は19年以降のパテントクリフ(主力製品の特許切れ)をいかに乗り越えるかです。これまでの稼ぎ頭ベシケア、タルセバ、ファンガード/マイカミンが国内外で次々に特許切れを迎えます。畑中好彦現社長時代に敷いた研究開発の絞り込み、集中の成果を、安川氏が、どこまで具現化し、最大化するか。お手並み拝見です。
安川氏は、日本の薬価制度改革について「欧州やアジアでも、突然の薬価引き下げは特別な事象ではない。各々の国家が置かれている問題の結果だ」と指摘。各国別の売り上げ構成比も、いまや日本、米国、欧州、アジアでバランスがとれ、日本市場の変化だけで経営が大きく揺らぐことはない、との認識です。
日本の製薬業界も、トップグループは「薬価制度依存型経営」からすでに脱却しています。だからこそ政府も、厳しい制度改革を断行できたとも言えます。海外展開が十分できていない中堅以下の製薬企業と、海外基盤、収益がしっかり整っているトップグループ企業では、いまや経営課題がくっきり二分化されているのです。
でトップグループの課題は、ご承知の通り、いわゆるグローバル化。どこの国でも認められる企業価値、製品価値を生み出さねばなりません。経営陣には、より一層、スピードと集中力が求められます。しかし、昨今、「グローバル化」イコール「外部の批判をものともしない冷徹な組織運営」とでもいうような事例が、製薬業界に限らず、国内外で頻発しております。果たして、それでいいのでしょうか?私自身は、疑問を抱いております。国内製薬トップグループにグローバル化が求められるのは当然のことですが、同時に、患者、その家族、従業員に対する「心のある経営」を期待したいです。
写真は。。。ネタの困ったので、私のメガネ(笑)。最近、新調。いい感じです。それではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください。