ファイザー日本法人、原田新社長は「臨床開発」手腕を経営にどう活かすか?
みなさん、お元気ですか?いやあ~、さんむいですねえ~。深夜外を歩いているだけで、手足の先が凍るようです(笑)
さて、ファイザー日本法人の新社長に原田明久氏が就任(12月1日付)しました。
ファイザー日本法人は05年に、当時の社長ソーレン・セリンダー氏が300人もの社員を指名解雇しようとして組合と激突、一般各紙も取り上げる大騒動となりましたが、翌年、生え抜きの日本人、岩崎博充氏を社長に据えて騒動を丸く収めました。「やっぱり日本法人の社長は、日本人の方が落ち着きがいいやね」というムードになり、09年、はやり生え抜きの梅田一郎氏が、岩崎氏の次の社長に就任しました。岩崎氏も、梅田氏も営業出身で、いわゆる日本型企業経営を熟知しており、顧客(医療機関、卸)や、従業員との交流、やり取りにたけていました。そして今回、梅田氏に代わって、原田氏が新社長に就任しました。しかし、原田氏は、とくに日本での営業、経営に明るいわけではありません。金沢大医学部卒でロンドン大に留学、ファイザー日本法人に入社したのは99年で、主に従事してきた業務は臨床開発です。
岩崎氏も、梅田氏も、原田氏も同じ日本人ですが、社長としてのミッションは違うでしょう。日本の医薬品市場は、かつてのような勢いはありません。当然、グローバル企業の日本法人は「何をしているんだ!マザーマーケットの伸びが鈍化していても、大型品はできるだけ早く発売しろ!!!世界で売れる薬をパイプラインに提供しろ!!」と、本国から尻を叩かれることになります。日本国内の顧客や従業員との、やり取りを密にし、関係を円滑に進めているだけでは、もはや売り上げは伸びないし、評価してもらえません。研究開発を通じて、本国が策定するグローバル戦略にどれだけ貢献しているかが問われる時代なわけです。臨床開発のプロである原田氏が社長になったのは、そんな背景があってのことです。
写真は、ファイザー日本法人新社長、原田明久氏。臨床開発の経験を経営にどう生かすか。注目です。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。