武田コンシューマーヘルスケアが「純日本産の漢方製剤」にチャレンジ、原料の国内栽培に着手
みなさんお元気ですか?暑い日が続きます。今年は梅雨を超えて一足飛びに夏に突入って感じですね。
さて医療費に占める薬剤費を抑えようとする政府の施策は「薬価の抑制」に飽き足らず、「処方、投薬の抑制」にどんどん踏み込んできています。不適正な価格や使用は、是正して当然なのですが、それで製薬企業がいじけちゃうのは困りものです。例えば80年代までは、多くの国内メーカーが製造販売していた抗生物質。薬価が下がって儲からないので、数社を除いて、やめちゃいました。原料はほとんど中国産で日本のメーカーは作れません。生産設備も、技術も捨てちゃったんです。
様々な電気用品に使うレアアースはほとんどが中国産で、一時、政治利用され、めちゃくちゃ輸入価格が高騰したことがありました。打開策として、各国がこぞって代替原料に変更する動きを見せ、ようやく価格は正常化したようですが、ことほど左様に、原料輸入を一国に頼るのはまずいわけです。
今年4月からスタートした武田コンシューマーヘルスケア(武田グループの一般用薬子会社)は漢方製剤主要原料の国産化を進めています。「信州大黄」と「甘草」を国内で安定的に栽培し、自社の漢方製剤に使用しようという計画です。とくに「甘草」は漢方製剤の7割に使われている汎用原料です。しかし、現在はすべて中国からの輸入に依存しており、価格や量の変動リスクを抱えています。そこで国産化を進め、「純国産」を付加価値に販売しようというわけです。鹿島建設や、三菱樹脂も同様の計画を進めていますが、杉本雅史社長は「間もなく商業生産できる。おそらく当社がもっとも早く漕ぎ着けるだろう」と話しています。漢方と言えば、イコール中国、本家本元は紛れもなく中国なんですが、「純日本国産の漢方製剤」というキャッチフレーズのテレビCMが流れる日も近いかもしれませんね。抗生物質も、主要なものは、純国産をいつでも国内で生産できる体制を維持しておく必要があるのではないでしょうか?
写真は武田CHCの杉本社長。それでは皆様、夏、真っ盛り!!!楽しく乗り越えましょう!素敵な一週間をお過ごしください。