新薬の年4回収載時に薬価引き下げの対象となる医薬品の範囲は?
みなさんお元気ですか?秋も暮れかかり、本格的な冬将軍の足音が聞こえてきました!!
先週11月25日、塩崎恭久厚生労働大臣が、これまで2年に1回だった保険価格(薬価)の改定頻度を医薬品の品目を限定して、増やす方針を経済財政諮問会議に示しました。果たして、対象医薬品はどうなるでしょうか?
次の改定を待たずに「特例的」に、小野薬品のがん治療薬オポジーボを下げることが決まったばかりなので、単純に考えれば、この「特例」を正式ルール化するという線は、かなり固いでしょう。すなわち改定前年の10月から翌年3月までに薬価収載され、薬価調査(改定前年9月)から漏れてしまった新薬と、追加適応があった医薬品。この2つは、販売額が予測を一定以上、上回った場合、今回のオプジーボ同様、バッサリやられる可能性大です。とはいえ、オプジーボほど臨床現場、患者の評価が高い医薬品は早々出てこない。(実は、これは、さびしいことでもあるのですが)だから、対象になるケースが頻発することはないでしょう。
ただ、問題はこれでは済まない。塩崎大臣が「年4回の新薬収載時の機会に、その都度(薬価改定)を考える」と述べているからです。以前、記事に書いた通り(医薬経済16年9月15日、「ますます先鋭化する薬価算定」をご覧ください⇒コチラ)。「新薬収載が4回なら、改定も4回でいいだろ」って声は政府内にはかねてからあったのですが、現実のものとなりました。さあ、それではどんな条件になるか?まだまだわかりませんが、価格の高いバイオ医薬品は狙われる可能性が高いかもしれません。すでに特許が切れているが、後続品(バイオシミラー)が出てきていないものとか。単純に収載後、どんどん適応拡大して、収載時の予測販売額を上回って売り上げが伸びているものとか。低分子医薬品でも、特許が切れて、後発品が参入しているのに売り上げが大きいものとか。。。こと「薬価を下げる」という立場に立てば、いくつも案が出てきます。製薬業界も、そろそろ「薬価が上がる仕組み」を真剣に考える時かもしれません。
写真は中医協。傍聴席から。それではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください!!!