オプジーボの薬価50%下げ、決定打は「内外価格差」
Posted on 11月 21st, 2016 by IDAKA
小野薬品の非小細胞肺がん治療薬オプジーボの薬価引き下がようやく決着しました。引き下げ率を25%にするか、50%するか。いつから引き下げるか――。注目されましたが、最終的には来年2月に50%引き下げとなりました。10月頃、一般紙は「来年4月に、最大25%下げる」と報じていましたが、見事に外しましたね。
今回の決着について、業界は反発のコメントを出しています。しかし、小野薬品の提携先ブリストルマーヤイズスクイブが、米、英、独で、オプジーボを日本の半額以下で販売している現状が明らかになった時点で「50%下げ」は、避けられない情勢でした。日本人が73万円払わないと使えない薬が、米、英、独の人は半額以下で使えているのですから。。。これだけ世論が大きくなっている中で、25%下げに止めたら、いくら大人しい日本人でもブーイングを発したでしょう。ただ、海外の価格が、もう少し高ければ、話は別で、違う展開になっていたかもしれません。小野薬品の相良暁社長は11月7日の決算会見で「海外の販売提携先の価格について、我々はコントロールできない」とコメントしていました。それはそうかもしれませんが、同じ先進国で、ここまで価格差が出てしまうのは、まずいでしょう。
どうあれ、オプジーボをきっかけに薬価制度改革論議が再び火を噴きました。高額薬剤のみならず、外国価格との調整や、医薬品の原価とは何かという根本的な問題を議論する流れになっています。製薬業界には、是々非々で向き合っていただきたいです。
写真は東京丸ノ内。早くもイルミネーションがキラキラ輝いていました!!それでは素敵な一週間をお過ごしください。