「がん」ばかりでいいの?!偏向し過ぎちゃいませんか?製薬企業各社の研究開発
みなさんお元気ですか?日差しは弱まるどころか、日に日に強まっています。夏の暑さを満喫していますか?
さて、高額薬剤と医療保険の話。このブログでも何度か取り上げてきましたが、いよいよ中央社会保険医療協議会で、本格的に議論することになりました。新薬の研究開発が、低分子から高分子に移行、低分子でさえなかなか新薬ができないから、費用は嵩むばかり。で、奏効率の高い新薬を出すと、今度は「医療保険制度の維持」という名の下で、叩かれる。メーカーからすれば、やりきれないですね。一方、医療保険は、高齢者が増え、現役世代が減っていくから、お金は出ていくばかり。「無い袖は振れない」と。こういう状況なわけです。医薬品の価格を下げないとしたら、打開策は、使用者制限か、医療保険の保険料、自己負担を上げるしかない。我々、国民は、何を選択するか?瀬戸際に立たされているのです。
ただ、ひとつ気になるのは、メーカー各社の研究開発が「がん」領域に集中していることです。がんになれば、患者、家族は藁をもすがる気持ちになりますから、多少高くても新薬を望むのが当然でしょう。しかし、現時点で、薬だけでがんが完治した例はほとんどない。高くても売れるから、医薬品マーケットは大きく、メーカーにとって魅力的でしょうが、今出ている新薬の成果はどうなんだ?
確かに症状を改善し、延命率も伸ばしているが、すっかり社会復させることができたか?そう考えると、必ずしも絶賛できるような状況でない。がん領域で、研究開発を積み重ねていけば、次世代につながる新たな発見も多いので、大事は大事なのですが、こうも各社が「がん」「がん」「がん」「がん」言って、猫も杓子もガンガン研究(すみません、(^_^;)笑)し始めると、「果たして、こんなんでいいのか?」って疑問が頭をもたげてきます。
当然ですが、人を困らす疾患は「がん」ばかりじゃないはずです。
今後、医療保険政策は、「治療」のみならず、「健康管理」「疾患予防」「生活の質的向上」「終末期対応」が一層、重要になり、こちらの方にも、多くの財源を投じなければならない状況です。そうした中での新薬開発。よりわかりやすく説得力のある成果が求められます。
写真は都内某所にて。真ん中あたりに、ライトブルーに黒い縁取りのきれいな羽を持つ蝶がいます。見えますか?穏やかな夏の日の断片。それではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください。ごきげんよう。