「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」の行き着く先が、患者の選択を奪う英国のGP制度なら真っ平御免だ!!
みなさん!お元気ですか?もうすぐ花見シーズン!!!楽しみですね。
さて、すでに何度も触れましたが、今度の調剤報酬改定。言うまでもなく「かかりつけ薬剤師」の評価の新設が大きなポイントですね。しかし、ご承知の通り、医科の診療報酬では「かかりつけ医」の評価点数が前回14年度改定時に、すでに先行して組み込まれています。これまでの「かかりつけ医」評価点数は「高血圧、脂質異常症、糖尿病、認知症のうち、2疾患以上」の患者さんが対象(地域包括診療料、同加算)でしたが、16年度改定では「認知症+1疾患以上」の患者を対象とする新しい点数(認知症地域包括診療料、同加算)ができました。昨年5月の調査で「かかりつけ医」の点数を取得している診療所は3500件程度でしたから、全診療所件数約10万件とすると、4%に満たない。あまり定着していないんです。「認知症+1疾患以上」の点数新設で、どこまで普及するか注目されます。ある意味、「かかりつけ薬剤師」の普及、定着とどっちが早いか、競争するような格好になります。
しかし、この「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」。普及、定着した先に、何が待っているか。私は一抹の不安を抱いてしまいます。というのは、財務省、厚労省は、おそらく、イギリスのGP(General・Practitioner)制度を念頭に置いているだろうからです。日本は基本的に保険証一枚で、いつでもどこでも、自分が選んだ医療機関にかかることができます。しかし、英国はあらかじめ登録しておいた「かかりつけ医」にしかかかることができません。だから、何日も待たされたり、救急、緊急時などで小回りが利ず、決して使い勝手がいい制度ではないと聞きます。日本も、国民1人にそれぞれ1人「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」を持つように政策が進んでいます。それ自体、決して悪くないと思いますが、医師、薬剤師、医療機関を国民が自由に選べない、通えないような流れがあったら、その時は強く「NO!」というつもりです。今年4月から、紹介状なしで、大病院にかかるときは、問答無用に支払額は5000円プラスになります。地域の「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」の役割が、どんどん大きくなっていきます。それでも、どの医師、薬剤師を選ぶか。どこの医療機関に通うか。そこまで国に決められたくないです。
写真は七里ヶ浜にて。静かな海に向かい合うと、気持ちがなごみます。そして、下は先週、発売になった鳥海和輝氏著の「医療政策のしくみ vol3」。滑り出し絶好調みたいです!私が解説している第4章もよろしくお願いします!それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!