「湿布薬」「うがい薬」「ビタミン剤」の処方制限で済むはずがない!市販品類似薬の保険外し論議
薬剤費抑制策で、毎回論議を呼ぶ、市販品類似薬の保険外し。16年4月から湿布薬の処方枚数を制限することで決着しました。思いのほか傷は浅く、他に波及しなかった点で、業界は胸をなでおろしていますが、5年、10年先は、どうなるかわかりません。
医療用医薬品は処方すると医療保険財源からお金が出ます。しかし、湿布薬や、漢方薬、目薬は医療用とほとんど同じ成分が一般用として薬局でも売られているんです。一般用は、いちいちお医者さんに、処方せんを出してもらわなくても、好きな時に好きなだけ買えます。ただし医療保険は適用されず、全額自己負担で。。。財務省は医療保険財源を絞りたい立場ですから「一般用があるんだから、別に医療保険で見る必要はないんじゃないの」と、かねがね主張しています。医療界、製薬業界の反対が強く、完全な除外には至っていませんが、12年度には、単なる栄養補給目的のビタミン剤、14年度には、単なる健康維持目的のうがい薬の処方が認められなくなりました。そして今回は、湿布薬。1回の処方で70枚以上出す時は、処方せんや、保険請求書に理由を書かなければならなくなります。医師は、これまでのように簡単に湿布薬を出せなくなるわけです。
でも、逆に言えば理由さえ書けば今迄通り70枚以上、出せるともいえるのです。これまでのビタミン剤、うがい薬にしたって、条件が付いたからと言って、処方が減ったという話はとんと聞きません。財務省はそれを百も承知でしょう。おそらく今後、第二弾、第三弾の手を打ってくる。外堀を少しずつ埋めているのです。
で、写真は大詰めの中央社会保険医療協議会。傍聴席は満席です。16年度の診療報酬、薬価改定論議も残すところ後、数回になりました!!それではみなさん。寒い日が続きますが、健康に気を付けて。素敵な一週間をお過ごしください。