日本医学会・高久会長が、日本の製薬企業に「もう少しがんばって」と叱責、外国勢に「やられっ放し」の研究開発を憂慮

IMG_0484 第19回日本医学会総会が昨日13日まで京都でありました。医療産業の発展が課題になる中、医薬品絡みのセッションも結構ありました。でもその大半は「日本企業の開発力が弱い。どうすれば強くなれるか?」というテーマでした。日本医学会の高久史麿会長が日本の研究者が発見した医薬品シーズが悉く外国企業に奪われている現状を「非常に残念」と嘆いていました。【RISFAX4月13日号詳報】ALK遺伝子阻害薬しかり。MEK阻害薬しかり。PD1抗体も、小野薬品が持て囃されていますが、単独とはいかず、欧米の巨大市場は、ブリストルマイヤーズに明け渡すしかなかった。

で、結局、行き着くところは「ベンチャー企業を育成し、積極的に活用する」というお決まりの結論です。もうずっと言われていることなんですが、日本ではベンチャーが育たない。日本医師会の横倉義武会長が「イノベーションは社会の許容度の問題」と話していましたが、おそらく「異文化に不慣れ」=「異物に狭隘」という日本の風土、精神基盤にも基因しているのかも知れませんね。【RISFAX4月13日号詳報】もっと言うと、スローガンを掲げて一丸となるのは得意ですが、独りで考えリスクを負って打って出るのは苦手って感じ?しかし

ベンチャーと語源を同じくするアドベンチャーの日本語訳は「冒険」。ある意味、舗装され、管理された安全な道からはみ出す行為。やむにやまれぬ強い想い、目的を持って、リスクを顧みずに立ち上げるのがベンチャー企業。そう考えると国を挙げて「ベンチャー企業を育てよう」って言うのもなんか変な話で、却ってベンチャーの勢いを削いでしまうような気もします。かつて武田薬品の武田國男氏が産業施策について「国は余計なことせんでええ。黙って見守っていてくれればええ。邪魔しないで欲しいんや」と言っていたことを思い出します。どんな世の中、どんな国、どんな企業の中でも、やる奴は黙っててもやる。やらない奴は何を言われても一生やらない。それだけのこと。その前提に立って、“シバリ”をできるだけ無くし、やる奴がやりやすくすればいいだけのような気がします。

 写真は日本医学会総会があった最寄駅風景。今回は製薬企業の協賛が少なく以前より質素で、いい感じでした。海外の学会みたいに盛大なイベントみたいなやり方は、そもそもおかしい。海外の学会に行くと、喜んではしゃいでいる記者もいて恥ずかしくなりますが、己(オノレ)は以前からものすごく違和感があります。そういう面で、日本は進んでいる?では皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

コメント

現在のコメント

コメントを書く

 
  (公開されません)
 
 
 
 

 
© 2024 薬新プラザ|医薬品業界の「本質」を発信するサイト