新興国でどこまでダウン・クオリティを進めるかが、オーバー・クオリティ日本の課題
Posted on 4月 6th, 2015 by IDAKA
※事実誤認があったため6日午後、一部修正しました。
武田薬品が糖尿病治療剤「リオベル配合錠LD」の製剤に誤って「リオベル配合錠HD」と刻印し、100包装品3000箱、500錠包装1500箱を自主回収しました。主成分であるピオグリタゾンの含有量がLDは、HDより少ないので、HDと思って使うと効果がマイルドに出てしまう可能性があるとのことです。回収した製剤は、全て廃棄するそうです。誠実な対応。日本では珍しくないですね。しかし、海外ではどうなのでしょうか?欧米は、それほど違いはないでしょうが、新興国の製薬企業は、医療機関に口頭で伝えることはしても、必ずしも回収までするかどうか。
「日本では錠剤の端がちょっと欠けていてもアウト。海外の企業からすればオーバークオリティだ」と、良く言われます。だから、海外、とくに新興国で、日本と同レベルの品質、製造管理をしていると、コスト高になって競争に勝てない。言葉は悪いのですが、一定のダウン・クオリティが必要になる。しかし、当然、医薬品ですからダウンしすぎると、これまた問題です。その微妙な機微を掴むセンサー機能が、日本企業各社にとってますます重要になるでしょう。
で、写真は上野公園の夜桜。今年もきれいに咲いておりました。東京の花見は今週一杯でお開きです。それではみなさん、充実した素敵な一週間をお過ごしください!