民主党・岡田新代表の社会保障に対する危機認識は極めて的確、健全、少なくとも大金持ちの高齢者は「成功者」であって「社会的弱者」ではない。
民主党の新代表が岡田克也氏に決まりました。かと言って、民主党が急に力をつけるわけでもなく、老獪な与党・自民党と対峙するカウンターパートとしてはまだまだ頼りない。ただ、こと社会保障政策について、岡田新代表は、かなり踏み込んだ考えをもっているようで、この部分は大いに共感しました。
代表選前に放送された1月11日のNHK日曜討論で、とくに年金問題を上げ、「いまの考え方は、高齢者はおしなべて「弱者」というもの。しかし、もはや世代間の問題ではない。資産、所得のある方と、無い方を分けて、高齢者でも資産、所得がある人はがまんしていただく。ご負担いただくという考え方を取り入れないと、もうもたない。限られた財源。しかも支出はまだ増えていく訳だから発想の転換がいる。(給付を)どんどん出せればいいが、そういう状況でないので、いかに本当に困っている人に(給付を)届けるかが大事だ」。自民党政治家は、絶対に言わない(言えない)発言です。
年金、医療、福祉その他(介護含む)の給付費は総額約100兆円、年金はその約半分50兆円。医療の約30兆円より多いのです。今度、介護給付費を削減することが決まりましたが、年金制度の根本的な矛盾を、何も解決せずに、いつまでもほったらかしている。こんなんじゃ社会保障に対する国民、とくに若年層の不信感は、増幅するばかりです。 医療分野は、医師会、保険者、学者、産業界など、ステークホルダーがそれぞれしっかりした組織を持っているから、財源配分について公的な場で、公正に議論を戦わせています。しかし、年金は政治家と官僚と学者だけでしか議論しておらず、国民は蚊帳の外。というか、その実情さえ、わかりやすく伝えられていない。塩崎恭久厚労大臣は、年金財源の株式投資割合を12%から25%に引き上げ、我々の年金財源で、大博打に討って出ました。少なくとも医療分野で「財源が足りないから一か八か、株式市場にぶっこみます!男らしいでしょ?」と言ったら、ステークホルダーに袋叩きに合いますよ!
最近になって厚労省は「年金は基本的に保険だから、沢山もらう人、もらえない人がいて当たり前」って開き直っていますが、そもそも人口構成がこれだけ変わるのを何十年前から知っていながら、手を付けずにいたこと自体がおかしい。「俺たち(官僚)は修正が必要と言ったんだけど自民党の政治家がそれを全部つぶした」とタカをくくっているようですが、一体、国民の将来を考えて、身体を張る、サムライ官僚は、いないのかあ~!まったく嘆かわしく、哀しい限りです。
で、写真はJR新宿駅構内で。60年代に放映された初代ウルトラマンの怪獣「ウー」。今観ると、すげえ迫力ありますね。スタンプラリーってあるけど、今の小さい子供たちは知っているんでしょうか?ひそかにまた流行っているんですね。きっと。では、みなさま充実した素敵な一週間をお過ごしください。