15年度の研究開発税制見直しは評価が様々。製薬業界は勝ったのか?負けたのか?それとも引き分けたのか?

Exif_JPEG_PICTURE みなさん、お元気ですか?いよいよ2015年がスタートしました!! どんな年になるでしょうか?いやあ~、ワクワクしますね!    

 飽くまで現時点での己(オノレ)の観測ですが、国内は消費税の再増税が先送りとなり、今年は「じっくり議論を煮詰める年」。医薬品について政策的に大きな変動はないと考えます。ただ、製薬各社の研究開発、事業展開は海外シフトが一層進展し、相対的に日本市場のプレゼンスが下降する、という、ここ10数年来のトレンドは強まることはあっても弱まることはないでしょう。      

 さて昨年末の税制改正の取りまとめで懸案となっていた研究開発税制の見直し。当初浮上していた案は、製薬企業にとって、ものすごく不利でしたが、最終的には業界の意見がある程度、活かされる形で決着しました。それもこれも日薬連、製薬協の会長、理事長、厚労省の経済課長などが足繁く永田町を回った成果です。ただ、最終案について業界人の声を聞くと、意外にも評価は様々。どうも企業によって、影響に相当な違いがあるようです。

IMG_0235研究開発税制は、企業の研究開発活動を後押しする目的で設定された一種の優遇措置です。いまは「法人税額の30%までなら、企業が投じた試験研究費のうち一定割合を税額から控除していいですよ」という形になっています。ところが15年度は全産業の法人税を下げるので、その分どこかで埋め合わせる必要がある。それで「研究開発税制の限度額を法人税額の30%から20%に下げましょう」という案が出ていたんです。

これを聞いて製薬業界は騒然。幹部らが自民党の税調議員を何度も訪れて「イノベーションの促進というアベノミクスの基本政策に反する」と訴え、25%まで巻き返しました。さらに加えて「公的機関などとの共同研究に投じた費用は別枠で、5%まで控除していい」ということになりました。すなわち25%+5%=30%。いまと同率です。もちろん限度額の土台となる法人税そのものが下がるし、別枠で認められた共同研究費の控除には、様々な条件が付きますから、これまでと同じようには行きませんが、理論上は、うまくやれば恩恵が増える可能性もあります。当初案と比べれば、かなりいい線まで巻き返したように思うのですが。。。  

 7日の薬業四団体新年賀詞交歓会で、東京都医薬品工業協会の中山讓治会長が「主要な製薬企業では法人税の減税効果を打ち消し、いくつかの企業は増税になる。不十分だ」と“ダメ出し”しました。やはり企業間で影響にかなり格差があるようです。しかし、実際のところどうなのか?エビデンスもないので断言できません。2017年度には、さらに踏み込んだ税制の抜本改正が予定されているので、それまで状況をしっかり見極めていきたいと思います。

 で、写真。一番目は7日、ザ・プリンスパークタワー東京で開かれた製薬業界最大の新年会、薬業四団体新年賀詞交歓会で撮影。右から武田薬品・長谷川閑史会長、アステラス製薬・野木森雅郁会長、第一三共・中山讓治社長。新年会ならではのスリーショット。各社の動きも注目です!!!そして2番目は12日に撮った、とある地域の成人式。みんな初々しい!日本はいま少子高齢化、社会保障改革、エネルギー問題、雇用対策、経済・外交等々、課題山積。それを乗り越えていくのは、君たち若者です。おっさんも、できることをしっかりやっていくよお~!と思わず胸の中で、叫び、強く誓った己(オノレ)でした。 それでは皆様、今年もどうかよろしくお願いいたします!!素晴らしい年になりますように!

 

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