アッヴィのシャイアー買収見直しで、税金軽減狙いの拠点移転ブームはみるみる萎んでいくでしょう
さて製薬業界。先週も古今東西、色んな動きがありました。己(オノレ)は、とりわけ米アッヴッが、一度決まったアイルランドのシャイアー買収計画を「見直したい」と言い出したのに、驚きました。 なにせ約6000億円近い買収ですから。。
買収される側のシャイアーも「え?うっそでしょ?お前、いまさら何言ってんのよ!」って怒っているといいます。
もともと、この買収。法人税の低いアイルランドに納税本拠を移す、いわゆる「インバージョン」を狙ったものでした。
同時期に並行して、ファイザーも同じ狙いで、アストラゼネカに買収を持ちかけ、納税本拠を英国に移そうとしていました。(最終的には失敗)
この動きに、オバマ大統領が「この売国奴、けしからん!」と激怒、「インバージョン」防止の新規制を打ち出しました。力技ですね。アッヴィの買収計画が頓挫すれば、事実上、米国企業の「インバージョン」ブームは終わるでしょう。
そこ行くと、日本の製薬企業は偉い!!ちょっと古いですが、医薬政策研究所の08年の調査では製薬協加盟55社で納税額は約5000億円、これは他産業と比べて高く、精密機械約2500、自動車約2000億円を大きく上回っています。
詳しい解析はしていませんが、「インバージョン」ブームなどに目もくれず、日本国内で、黙々と税金を払ってきた結果と言えないでしょうか?もちろんいまは円安が進行し、輸出額の高い自動車などは好調なので、納税額ランキングは、かなり変わっているでしょうけど。。 国内製薬業界は、もっと自己主張し、存在感をアッピールしていいと思うんですよね。ゴシップジャーナルに、ネガティブなことばっか言われすぎです。
で、写真は第1回製薬ジネス活性化セミナーの風景。おかげさまで先週16日、無事終了いたしました。ご来場くださった皆様、そして当日の開催まで側面協力してくださった多くの方々、ありがとうございます。 会場から城経済課長にも参戦いただきました。ご質問、ご意見を投げかけて、盛り上げてくださった皆様に深く感謝いたします。
普段は「己は記者だ」「ジャーナリストだ」と偉ぶっていますが、取材するも、執筆するも、かくも多くの皆様に支えられているんだなあと、感慨を深く噛み締めました。
今回のセミナーのデキには、もちろん満足していません。反省すべき点、多々ありです。引き続き精進を重ね、業界に、国民に、そして社会に有益で意味のあるジャーナリスト活動を展開していく所存です。お見捨てなきよう、ご指導、ご支援よろしくお願いいたします。
それでは皆様、素敵な一週間をお過ごし下さい!
交流会で演奏していただいた