日本医師会役員3人をメンバーにした中医協は「日医エゴ」を抑えられるか?安達委員(医師)、三浦委員(薬剤師)が退任し、秋から新体制で議論スタート。
先週7月30日の中央社会保険医薬協議会で、診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)と三浦洋嗣委員(日本薬剤師会理事)が退任しました。中医協の任期1期2年で、最長3期6年務めることができますが、いずれも3期めの途中(4年9か月)での退任となりました。その間、10、12、14年と3回の診療報酬、薬価改定があり、両委員からは議論の過程で色んなことを学ばせていただきました。
09年秋に発足した民主党が日本医師会の推薦で診療側委員を選ぶ従来の方式を廃止。安達委員も三浦委員も、政府の直接指名という形で就任しました。安達委員は、同時期に就任した嘉山孝正委員(13年10月退任、全国医学部長病院長会議相談役)とともに、歯に衣着せぬ正論を展開、事務局(厚労省)や支払い側を何度もやり込めました。時として同じ陣営の診療側委員を諌める場面さえあった。安達委員の主張は、嘉山委員といつも一致していたわけではありませんが、①日医という政治団体の損得、利権に左右されない②真に患者、医療現場の立場に立って発言する―という点で、底通していました。事務局や組織が働きかける水面下での調整にはめったに応ぜす、常に中医協という公開の場で「真剣勝負」を挑む。物言いが分かりやすく、人間味あふれる表現を使う。それでいて、発言ひとつひとつは、全て臨床現場や医療技術の知識、経験に裏打ちされていて精密です。決して感情的になったり、興奮して取り乱したりしない。すごかったです。感激しました。
三浦委員も殻を破りました。薬剤師出身の委員は、これまで日医が何を言っても黙って耐えていましたが、日医の役員があまりに高飛車に振る舞い薬剤師を馬鹿にした誹謗中傷まがいの発言をすると、敢然と立ち向かい、時には逆ネジを食らわしていました。当然と言えば当然のことなんですが、これまでは考えられなかったことでかなりパワーが要ったでしょう。
中医協は次回から新しい委員が加わって議論が始まります。安達委員の退任で診療側の医師枠は日医の役員が3人となり、民主党政権発足前の状態に戻ります。安達委員は退任のあいさつでこういいました。「科学的根拠に基づいた議論は大変、面倒だ。しかし、その手間を省くと、議論は恣意性のあるものにしかならず、行く着く先は政策誘導でしかなくなってしまう。是非、手間を惜しまず、科学的根拠に基づく議論を続けて欲しい」。己(オノレ)も同感です。日医の利権、エゴだけの政策誘導的な議論はやめてもらいたい。引き続き、ウォッチを続けます。
で、写真は新宿と自宅で撮影。上は和菓子屋さん前にあった涼しげな氷。日本の夏ですね。下はきょうの朝食、薬新カフェのモーニング。最近、いかにスクランブルエッグをうまく作るかがちょっとしたマイブーム。へ?なんで、この写真かって?実は、写真がネタ切れ状態なんです(汗)。あははは(笑)すみません。それではみなさま。暑い日が続きますが、お体に気を付けて。素晴らしい一週間をお過ごしください。
はじめまして!北海道人です。日医新会長の中川氏に関して調べていて、以前中医協委員だった安達氏の功績を調べるうちに、このブログにたどり着きました。あらためて安達先生の偉大さを知りました。
本当に素晴らしい医師だったのですね。京都府医師会がうらやましいです。。(医学は西高東低?と聴きますが)新生日医が横倉体制よりもより良くなることを、北国から望んでいます。夜分失礼しました。