「製薬業界頼み」の臨床研究は、もう限界!国が、もっと積極的に支援し、医薬品の適正使用につなげるべきだ!!

Exif_JPEG_PICTURE先週、かねて取材でお世話になった若くエネルギッシュな臨床医と久しぶりにお会いし、色んな話をお聞きしました。この先生、いま医薬品を使った医師主導臨床研究を進めてます。で、この研究の結果次第で、医薬品の使用量が減る可能性があります。ある疾患に対する、ある医薬品の投与について「どのくらいメリットがあるのか?」。その必要性を科学的に検証する研究だからです。だから、製薬企業からの支援は、端から期待していない。もちろん、支援があれば喜んで受けるでしょうが、積極的に要請していない。参加医師が、それこそ手弁当で、日常診療の合間を縫って進めている。医療のため、患者のためになる、と考えているからです。これぞ医師主導臨床研究です。で、最近、厚労省の補助金がようやく認められたそうです!!!一度目の申請は落とされたと聞いていたので、どうなることかと気をもんでいましたが、本当によかったです!近く、雑誌、医薬経済の誌上で、しっかり記します。

Exif_JPEG_PICTURE日本が科学研究に注ぐ予算は決して多くない。予算で執行する医療技術への補助金も、基礎研究ばかりで、臨床研究はないがしろにされている感があります。だから医師が臨床研究をやりたいと思っても、なかなかできない。やるなら製薬企業に支援を求めざるを得ない。で、製薬企業は株式会社ですから、完全なるボランティアでは、支援しにくい。とくに収益にマイナスになる研究にお金は出しにくい。臨床研究を巡る、ここ最近の問題は、こういう日本の研究環境が背景にあることを忘れるべきではないでしょう。

国の予算にも限りはありますから、増税に苦しむ一国民として、単純に「もっと研究に金を注げ」とは言いにくいんですが、いまある予算を、もう少し、臨床研究に厚く配分していいのではないでしょうか?製薬企業の支援は期待できないけれど、国民のために、やるべき臨床研究テーマは沢山あるような気がします。例えば、いま問題になっている高血圧治療薬ARB。それから糖尿病治療薬DPP4、SGLT2阻害薬などは、各社がそれぞれ製品を出し、複数のブランドが出ています。一体、どれが一番いいのか?あるいは違いはどこか?直接比較した研究はありません。医師がやろうと思っても、なかなかできないでしょう。かといって製薬企業に支援を求めたら、お金を出した企業の製品にバイアスがかかる。こういう臨床研究を、国がお金を出して、やって欲しいです。

で、写真は先日、カフェの前で見つけたアゲハ蝶。この後、ヒラヒラと優雅に空に舞っていきました。それと、たまたま訪れた商店街で七夕祭りに遭遇!!のどかでほんわかした雰囲気。癒されましたあ~。晴れたり、曇ったり、雨が降ったり。一番、不安定な季節です。みなさん、お体に気を付けて、素敵な一週間をお過ごしください!

 

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