製薬協の新会長に、大日本住友の多田社長が就任、業界に立ち込める「暗く深い霧」を切り裂き、前に進めるか?
Posted on 5月 26th, 2014 by IDAKA
日本製薬工業協会の会長に、大日本住友製薬の多田正世社長が就任されました。ただ、臨床研究を巡る製薬企業の不祥事が多発している現状から、先週21日の就任会見で、多田会長の口から出た言葉は「コンプライアンスの徹底」「社会的信頼の回復」など、まるで罪を悔いて更生を誓うような、重苦しいことばかりになってしまいました。
製薬業界は、ちょっと前まで政府に「日本経済を成長させる牽引車」と持ち上げられていましたが、そうした期待感も、臨床研究を巡る不祥事で、陰りが出てきたような気が致します。会見でコンプライアンス問題ばかり、話さねばならなくなった多田会長も「内心忸怩たる思いがある」とおっしゃっていましたが、ちょっとさびしい感じがしました。記者の質問も、ほとんど臨床研究の不祥事に関するものばかり。みんな「正義の味方」気取りで、まるで事件を追う一般紙の社会部みたいです。
曲がりなりにも、会長就任会見ですから。いくらなんでも、これじゃ暗すぎる。業界専門記者としては、前向きな話も聞きたいですよ。で、己(オノレ)は敢えて、多田会長に、製薬産業の現状と将来について私見をお聞きしました。多田会長からは「知識、技術のすそ野が広い。創薬の社会的意味をより深く考え、リスクを取って投資すれば必ず報われる」と、前向きな回答が返ってきたので、ほっとしました。「歴代会長と比較して、知識、経験という点において、確信が不足している。もう少し時間をいただき、お、変わったなて言っていただけるようになりたい」と多田会長。今後のご活躍を期待したいです。
というわけでみなさま。素敵な一週間をお過ごしください。なぜかこのところ、暑い日が続きます。ご自愛ください!