武田薬品の肥満症治療薬オブリーンが、またも薬価収載見送り。「狡猾な製品戦略」、中医協が見抜いてダメ出し。

  Exif_JPEG_PICTURE武田薬品の肥満症治療薬オブリーンが薬価収載されないまま宙に浮いています。昨年9月に製造承認を得て、11月の中央社会保険医療協議会総会にかかったのですが、「体重減少率が2%じゃ、ちょっと走るのと変わらない」「脂質吸収抑制を謳っているに、それをしっかり証明する臨床データがない」などと散々叩かれて出直しを命ぜられました。で、先週4月9日。5か月ぶりに薬価収載の審議があったのですが、審議資料にオブリーンの名前はありませんでした。またも見送りになったのです。

これまで各社が果敢に開発を進めてきた肥満症治療薬のほとんどは、食欲抑制を狙って脳の中枢神経系に作用するものでした。ところがこれだと、うつなど副作用も強く、なかなか市場に出せません。米FDAに却下されて涙をのんだ企業も多い。一方、武田のオブリーンは消化管に作用して脂肪の吸収を抑える。要するに脂肪を吸収せずに、外に出しちゃう。下剤みたいな薬です。もちろん副作用は中枢に作用するものより、少ない。しかし、効き目もイマイチ、となるわけです。しかも同業他社が別名しのぎを削る肥満大国、米国を避けて、日本だけで製品化をもくろんでいました。確かに武田のMRは日本で評価が高いですから、ネシーナ、アクトス、ロトリガなどと「抱き合わせ」で使用を持ちかければ、臨床現場は「あんまり効かないけど、副作用は少ないから、とりあえず使っとくか」となり、使用が増え、武田は儲かるでしょう。しかし、オブリーン。本当に医療保険に不可欠な薬なのでしょうか?

中医協は武田の「狡猾な戦略」を見抜いたかのように、薬価収載(保険適用)をペンディングにしました。次の薬価収載審議は5月。武田のオブリーンは中医協の壁をどう突破するか?

写真、上は中医協の審議風景。下は上野で撮影した屋台。花見客の襲来も、すっかり一段落して静かになった不忍の池の畔に出てた、おでん屋さん。懐かしき昭和の香りプンプンでしょ!?では、皆様、充実した素敵な一週間をお過ごしください!!

 

 

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