【速報】第一三共が問題児ランバクシーを実質「損切り」、が、“勇気ある撤退“と称賛するのはまだ早い!?
Posted on 4月 8th, 2014 by IDAKA
第一三共が品質問題でズーッと悩まされてきたインドの子会社ランバクシーを、同じくインドのサンファーマに実質的に売却することになりました。第一三共が持っているランバクシーの株式63.4%をサンファーマに渡して、代わりに第一三共がサンファーマの株を9%受け取るという株式交換形式です。
08年に、第一三共がランバクシーの株式63.4%を取得した時の費用は約5000億円。一方、サンファーマの株式9%は時価で約2000億円ですから、単純計算で約3000億円の損です。買収以降の体制整備、諸問題でランバクシーに投じてきたその他費用を勘案すると、損額はさらに数千億単位で膨らみます。要するにマイナス覚悟で売り払う「損切り」。とはいえ、ランバクシーが抱える問題がいつ解消できるのか、いまのところ全く不透明で、今後も費用がどんどん嵩む可能性があること。また、それによって第一三共のブランドが揺らぎ、株価が低迷しっぱなしになること。そういう「損失」を考えれば「勇気ある撤退!お見事!」と称賛したくもなります。
ただ、今度のサンファーマとの契約。一部情報によると「株式交換後も、ランバクシーの問題によって生じた費用は、第一三共にも、一定程度の負担義務が生じる」とあります。7日の記者会見では、明らかにされませんでしたが、もしそれが事実であれば、「第一三共はランバクシー問題から、スッキリ解放された」というには早いかもしれません。
ともあれ、昨日の記者会見で得た感触からすると、ランバクシー問題に一区切りついたので、次の株主総会では取締役級の人事があるかもしれません。【写真=第一三共の中山讓治社長、7日の記者会見にて】