第4四半期の国内医薬品市場に2つの見方、薬価改定で「買い控え」か、消費増税で「買いだめ」か。
製薬企業各社の第3四半期決算。どこもなかなかいいようです。円安で海外売上高が膨らみ、少々のマイナス要素は吹き飛ばしています。大きく言えば、これもアベノミクス効果といえましょう。この傾向は、しばらく続くんでしょうね。さらに第4四半期は、海外のみならず、国内売上高も順調に伸びる、との見方もあります。保険薬価(以下、薬価)の改定前は、通常、医療機関の買い控えがあって国内売上高は鈍化するのが常ですが、今回は、その買い控えが、和らぐのではないかとの考えがあります。
医療機関は、医薬品卸やメーカーから医薬品を買って、保険者に購入費の支払いを請求、保険者は、医薬品ごとに定められた薬価を、購入費として医療機関に支払います。実際に医療機関が購入した価格は、薬価より安いんですが、その差(薬価差益)は丸々、医療機関のものになります。
しかし、2年に1度、薬価改定では、ほとんどの医薬品の薬価が下がります。ですから「できるだけ安く医薬品を買いたい」と考える医療機関からすれば、改定前の高い薬価で買うより、4月の改定を待って、安い薬価で医薬品を買う方がいいわけです。だからいつもなら、1〜3月は買い控えが起きる。
しかし、今回は消費税が4月から現行5%から8%に上がります。当然3ポイント分の増税率は、4月から薬価に上乗せされます。だから、もし、1〜3月に消費税5%で買った医薬品を4月以降に請求すれば、医療機関は3ポイントの「お得」になるというわけです。まあ、薬価自体が下がるわけですから、厳密に言えば、3ポイントは割りますが。。。薬価があんまり下がりそうもないものは、今のうちに買って、4月以降に請求すればある程度、得になる。と、そういうわけです。こうした行為は、決していいことではありませんが、目端の利いた医療機関ならやりかねませんね。各社の第4四半期決算に注目したいです。
で、写真は先日、取材で訪れたアジュール竹芝の最上階にあるレストランで撮影。ランチをしていたら、目の前に東京湾。海面に船が美しい曲線を描いていました。気温の変動が激しい今日この頃。春の足音が近くなったり、遠のいたりしているようです。みなさま、お体に気を付けて。素敵な一週間をお過ごしください。