滋賀医大は自らの杜撰さを認め、ノバルティスを追及せず。薬害オンブズパーソン会議は刑事告発で真相の徹底解明促す。
素晴らしい朝。カーテンを開けると、待ってましたとばかりに、まぶしく暖かな太陽の光がすうっと差し込んできました。いいですね!この感じ。さて、先週末はディオバン関連の取材が続きました。まず10月31日、ディオバンの臨床研究「SMART」について滋賀医科大が記者会見を開き、調査結果を公表しました。カルテデータと、論文データの食い違いが10%あり、結果、ディオバン群が良く見えるようになっているので「恣意性は否定できない」としましたが、調査対象となった研究者たちの言い分は「誤入力」。つまり「間違えちゃったあ!」というものです。
ノバルティスの社員が「わざとやった」(要するに捏造)という痕跡は発見できず、ただただ自分たち大学の臨床研究体制の杜撰さを認める結果になりました。そういう点で、「何者かがデータをいじった」(京都府医大)、「元社員がさわった可能性が高い」(慈恵医大)とする他大学調査結果とは、一線を画しています。
で、会見後、京都に一泊、1日朝、東京に戻って一件、打ち合わせを終え、司法記者会で、薬害オンブズパースン会議が開いた記者会見に参加。誤ったデータで広告宣伝したノバルティスを、「国民を欺く虚偽、誇大広告を流布した」ということで刑事告発したのです。罪状は薬事法第66条違反(2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金)と不正競争防止法第21条違反(5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金)です。法的な処分については、早くから薬事法違反の適用を求める声がありましたが、もうひとつが不正競争防止法違反とは。。。「薬事法違反で駄目なら、独禁法第2条違反(欺瞞的顧客誘引)で処分せよ」って主張がありましたが、実は独禁法違反には「排除措置命令」(問題の行為をやめなさいという命令)しかなくて、刑事罰がないんですよね。だから告発しようにもできない。で不正競争防止法違反で告発したってわけです。薬事法違反では、厚労省が現在調査中なんで「今回の刑事告発は、先取りですね」って聞いたら、オンブズパースンの鈴木利廣代表は「先取りではない。厚労省の動きが遅いだけ」っておっしゃっていました。厚労省は「やるべきことをしっかりやるだけ」との立場です。どうあれ、いろんな角度からの調査が進むことで、より細かく実態解明が進むことを期待したいです。
で写真は会見する滋賀医科大の調査委員長・服部隆則副学長、記者会見風景、薬害オンブズパースン会議の面々です。ではみなさん!!素敵な一週間を。。。ひぇーっ!もうこんな時間!やばあー!