ディオバン問題で、新たな疑念が浮上!! 日経メディカルの対談で主任研究者と指南役が統計について情報交換
ディオバン問題の発端となった慈恵医大の臨床研究JIKEI HEART Studyで、主任研究者の望月正武教授と、試験の「指南役」と言われるスウェーデンの研究者、ビヨン・ダーロフ氏が、試験の中間解析段階で、データをよく見せるために「統計解析者に指示が必要」との認識を共有していた疑いが強いことを、7日付のミクスオンラインで、望月英梨君が報じています。報道の根拠としているのは、皮肉なことに、この試験の宣伝で莫大な収益を上げた日経メディカル2005年4月号、7月号に掲載された両氏の対談で「研究者は統計に全く関与していない」とした慈恵医大の記者会見(7月30日)を「事実に反する」と突き上げています。するどい!!過去に発表された膨大なデータを収集し、ひとつひとつ丹念に読み込んで、現実と付き合わせる。いわゆる「調査報道」の基本原則に沿った真摯な取材姿勢が、生み出した真のスクープといっていいでしょう。勢いで書いたハッタリだけの「与太記事」を「スクープ」と勘違いし、「すっぱ抜き」(恥ずかしくて己が禁句とする言葉)とか威勢のいい言葉に浸って、自己陶酔から出てこない同業者は襟を正すべきです。それから、日経メディカル。あれだけ記者がいるのに。。。自分達の紙面に載った対談を読んでいないのでしょうか?
ただ、今回のスクープ記事も、「一流誌LANCET」という表記が2回も出てくる点が、ちょっと気になります。。。。。LANCETはミクスの親会社エルゼビアが発刊している雑誌だから、まあしょうがないかあ。会社の上層部は喜ぶかもしれませんね。己(オノレ)は「本当にしてはかなり良過ぎる」慈恵医大の試験結果の問題点を見抜けずに、そのまま掲載したLANCETを、「一流誌」といっていいのか疑問を抱いています。望月君には、ダーロフ氏とLANCETの査読委員会の関係にも迫って欲しかったけど。ちょっときついか。
あ、それと先週3日に開かれたノバルティス本社社長の謝罪会見で、社長が日本循環器学会の心筋梗塞二次予防ガイドラインに異論を唱えたのにはビックリでした。それは本日号のRISFAXに掲載されています。是非、ご覧ください。
で、写真はJR赤羽駅で偶然出会った「なまはげ」。秋田の民間伝承に出てくる化け物ですが、近くで子供が泣いていました。おっちゃんでも少し怖かったもん。当然ですよね。ではみなさん。季節はすっかり秋めいてきました。素敵な一週間をお過ごしください。