医薬品の臨床研究は「横山大観」以外、 やっちゃいけないのか?
みなさまお元気ですか?空が高くなり、陽射しも心なしか優しく感ぜられる今日この頃です。おかげさまで、己(オノレ)のブログ「薬新カフェ」、快調にアクセス件数を増やしております。最近は、医薬品業界外からも、かなりのアクセスをいただいておりますので、これ以後、できるだけわかりやすく書かせていただきます。業界のみなさまには少々くどく思われるかもしれませんが、ご理解のうえ、引き続きお付き合い願います。
で、日本の医薬品には承認申請を行うために実施する臨床試験(治験)と、承認後に医師がその医薬品の使い勝手を評価するために実施する臨床研究があります。しかし、高血圧治療薬ディオバンの臨床研究で、データねつ造などの不正が見つかったので、今後、臨床研究は実施基準が厳しくなる方向です。しかし、どこまで厳しくするかは意見が割れています。臨床研究情報センターの福島雅典先生が「日本の臨床研究なんて、いい加減なもので、もともとゴミしかなかったんだ。これからは治験と同様にICH-GCPに沿った実施を義務付けるべきだ」と主張しています。しかし、一方、「臨床研究の、すべてがひどいわけではない。日常診療で、治療法を評価するには、ある程度、柔軟でないとだれもやらなくなってしまう」とし、一律の基準強化に警戒感を抱く意見があります。ある先生は、ICH-GCPを臨床研究で義務化すべきという意見について「横山大観以外、絵を書いちゃいけないというようなもの。横山大観だって、初めから絵が上手かったわけではない」と憤慨していました。さて、どうなるでしょうか?己は、白、黒、二元論でなく、前厚労省審議官の平山佳伸氏が、最近、シンポジウムで言っていた「研究のレベルに応じた柔軟な基準設定」がもっとも妥当だと思います。みなさまはどう思われますか?
で、写真は先ごろ大阪で撮影したモニュメント。北浜駅近くにある日本銀行大阪支店前に郵便ポストがあって、その上にあったんです。生き生きとした躍動的な姿で何人もの人たちが地球を掲げている。ポストには「郵便は世界をつなぐ」って書いてありました。詳しい言われはわかりませんが、ちょっとかわいらしく、前向きなエネルギーを発しています。ではみなさま、素敵で楽しい一週間をお過ごしください!!