ディオバン真相解明に日経BP・宮田氏を入れるのはおかしい!
ディオバン問題を真相究明する厚労大臣直轄の検討委員会が先週9日、開かれましたが、委員に日経BP社の宮田満さんを入れたのは明らかに致命的な人選ミスです。宮田さんは個人的にも交流があり、己(オノレ)よりも10も年上ですが、いまも現場に出てバリバリ取材する姿勢に常日頃、深い尊敬と憧憬の念を抱いています。しかし、今回の委員就任はいただけない。宮田さんの個人攻撃をするつもりはないですが、厚労省が日経BP社から委員を選んだこと自体、問題なのです。というのは日経BP社は、今回、不正が問題になっているディオバンの臨床研究で、日本高血圧学会の重鎮を呼んで何度も何度も座談会を開き、この臨床研究を使ったノバルティスのプロモーションを支援し、莫大な収益を上げた会社だからです。検討会の今後の論点にはこうあります。「ノバルティス社が一連の誤ったデータに基づきディオバンに関する広告等の販売促進活動を行ったこと及びそれにより得た売上金額についてどう考えるべきか」。もしこの論点を、しっかり議論しようとするなら、当然、「誤ったデータ」で座談会を開いてディオバンの「付加価値」を褒め称え、莫大な収益を得た専門メディアの「責任」も問うべきなのです。しかし、宮田さんが委員に入っている限り、そうはならないでしょう。それに事前の打ち合わせなど、委員しか知り得ない情報が宮田さんを通じて日経BP社の幹部に筒抜けになってしまうでしょう。厚労省は本気で、この問題を議論する気があるのでしょうか?平気で今回のような人選をしてしまうセンスのなさに絶望感さえ抱いてしまいます。この問題は「特定企業の特定製品で、特定の社員が起こした特殊な出来事」ではありません。日本の医師主導臨床研究と製薬企業マーケティングの「歪み」が凝縮された、起こるべくして起こった事件です。単なる「犯人探し」で、お茶を濁しておしまいにしてはならないと考えます。これを機会に、徹底的に「膿」を出すべきです。それは専門メディアのあり方も含めてです。(この辺りの己の主張は医薬経済8月15日号にしっかり書きましたので、是非、ご一読ください。発売は15日です)9日の真相究明委員会には、今回問題になった試験を実施した5大学や、ノバルティスの関係者が「参考人」と呼ばれ、委員の追求を受けました。しかし、日経BP社所属委員が「参考人」を追求する姿は、まるで漫画のようで、あははは(というかトホホ)と力ない笑いが出てしまいました。もし日経BP社が参加するなら本来、「参考人」の席に座らなければいけません。と、まあ、ここまで書きました。が。。。宮田さん、何度も名前をあげてすみませーん!でも、書かずにはいられませんでしたよ!!というか書かないわけにはいきませんでした!!
で、写真は表参道の246食堂にあるジビエ料理屋。鹿のステーキがうまかったです!!ではみなさん、お盆です!終戦記念日もあります。楽しく厳かな一週間をお過ごしください。