せんぱーい、その記事ナンボすか?
まだこの稼業に入って日が浅く、よちよち歩きだった頃、先輩から言われて、違和感を抱いた話があります。「井高あ~。ニュースは探すもんじゃないぞ。作るもんだぞ」。で、その先輩。すでに何度も報ぜられているいくつかの事実をまとめて、さも新しい出来事のように大げさな見出しをつけて、掲載するんです。その頃は何もいえませんでしたが、いまははっきり言えます。「馬鹿馬鹿しい」と。もうひとつ。「井高あ~。記者は書いてナンボだぞ」って言うのもありました。何でもいいからオリジナルの記事を沢山、書けって言うのです。確かにその先輩。苦し紛れに、横書きの決算短信を、縦書きにして「製品Aは1円安。Bは変わらず。Cは2円高」みたいな、まるで株式市場情報か、競馬の予想屋のような記事ばっか書いて「どや顔」で、悦に入っていました。これに対しても、いまならはっきり言えます。「書いてナンボって言うけど、あんたの記事はナンボ(市場価値)なんだよ?」って。お盆だの、長期休暇だのが重なる7~8月は「夏枯れ」といって、ニュース記者がネタの確保に苦しむ時期です。それでも、やはりニュースは足で稼ぐ。つまり人に会う、本を読む、考える、そしてまた、人に会う・・・が大原則。「作る」なんて、情けないインチキ技を覚えて、誰が得しますか?本数を増やすために、机上で、チョコチョコ小手先だけで楽な記事書いて、誰が得しますか?まず目の肥えた読者にはすぐバレる。媒体も信頼性を疑われる。そして記者も、知らず知らずにどんどん墜ちていく。結局、みんな損するだけなんですよ。IT全盛時代になっても、それは変わらんでしょう。と言って、己(オノレ)を鼓舞しているのです!!!失礼しました。
で、写真は東京バルのランチ。魚定食。うんまかったあ~。特に意味はありません。写真も夏枯れか!?(^ ^;)。まだまだ暑い日が続きそうです。みなさん、よい一週間をお過ごしください。