「サバ」を「タイ」と同等に扱っちゃダメでしょ!!

  確か5月23日のことでした。医薬品の費用対効果を巡る議論で、中医協の森田朗会長(学習院大教授)が、「タイ(新薬)の群れで、タイに優劣を付けるのは難しい。しかし、タイの群れに紛れ込んだサバ(既存薬で代替可能な医薬品)を見つけるのは案外、簡単ではないか」と述べました。要するに、サバを見つけるために、費用対効果を評価すべきという意見です。これに対して白神誠氏(日大薬学部教授)が先週24日の国際医薬経済・アウトカム研究学会(ISPOR)日本支部のセミナーで、「森田氏の喩えは、正しくない」と指摘しました。白神氏は「製薬企業は何も、敢えてサバを作ってるわけではない」とし、正しく言えば「養殖のタイの群れ(既存薬で代替可能な医薬品)の中に、天然のタイ(新薬)を連れてきて、『これは養殖ではありませんよ』と言っているのだ」と発言しました。一瞬、何をおっしゃられているのかわかりませんでした。「新薬」と「既存薬で代替可能な医薬品」は、「タイ」と「サバ」ほど違いははっきりしておらず、見分けるのが、簡単ではない。その差は「養殖のタイ」と「天然のタイ」くらい外見上わかりにくいものだ、ということでしょうか?己(オノレ)は、ここで、あんまり、目くじら立てて、どっちの喩えが正しいと言う気はありません。しかし、白神氏が最後に言った一言は、疑問に思います。「サバだったら見ただけですぐにわかる。だとしたら、新たなコスト、労力をかけて費用対効果を評価する必要はない」。そういったのです。果たしてそうでしょうか?「タイ」と「サバ」か、「養殖のタイ」と「天然のタイ」か。どっちの喩えが適切かはともかく。確かに、いまだって、「新薬」と「既存薬で代替可能な医薬品」ははっきりわかります。例えば、7番目のARBとか、海外では効用が認めらない睡眠薬とかは、既存薬と比べて新しいか、新しくないかという意味で言えば新しくない。「既存薬で代替可能な医薬品」だ。要するに「サバ」です。にもかかわらず、他の新薬と同様のルールで、高い薬価が付くのが問題だと思うんです。既存薬の特許が切れる間際に、既存薬で代替可能な医薬品が、臨床試験の安全性だけを振りかざし、いかにも「新薬でござあーい!」という顔をして出てくる。こういう医薬品に、「新薬」としての薬価を付けていいのでしょうか?少なくとも、初めの薬価算定で、何らかの措置があってもいいのではないでしょうか?「サバなら見ただけでわかる」という白神氏の見解には同意します。しかし、明らかに「サバ」とわかっているのに、なす術もなく、新薬として高い薬価が付く。そこが問題だと思うのです。そこに費用対効果の評価を導入して「これはサバです」と、明確に断定し、それなりの扱いをすべきだと思うのです。

で、写真は近所で撮影。ひまわり。なんてったって、この人。夏大好き。太陽大好き。猛暑の中で、すくっと立ってニコニコでしています!!やっぱいいやね。素敵です。人が、炎天下に突っ立ってニコニコしていたら、ヤバイですけど(^ ^;)。では、まだまだ夏真っ盛り。みなさま、体調に気をつけて!よい一週間をお過ごしください!

 

 

コメント

現在のコメント

コメントを書く

 
  (公開されません)
 
 
 
 

 
© 2024 薬新プラザ|医薬品業界の「本質」を発信するサイト