日本にTPPで勝つ交渉力ある?
昨夜テレビを、観ていたらコマツの親分さん(株式会社小松製作所・坂根正弘会長)が「攻撃は最大の武器。内にこもっていてはいけない!!政府が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉に参加しないなら、私は日本を脱出する!!」と息巻いていました。TPP参加をめぐる議論は錯綜して、まだ着地点は見えませんが、ごくごく単純化すると、電機、機械など輸出型産業は「賛成」、医療、農業など内需型産業は「反対」という構図になっています。で、己(オノレ)もこれを機会に、勉強しているのですが、ふと、考えてしまいます。実質的な交渉は誰がするんだろうと。おそらく外務大臣と、外務省の役人でしょう。コマツの親分じゃないんです。同友会の長谷川さんでもないんです。みなさん期待できますか?結局、TPPは「交渉事」なんです。国と国の国益をかけた「真剣勝負の場」なんです。言ってみれば、「血を流さない戦争」です。高度な駆け引きや、ディベート能力がいるんです。そんなタフネゴシエーターが日本にいますか?いないでしょう。そう考えると、情けない気分になる。TPPにメリットがあるか、ないか。デメリットがあるか、ないか―。そんな旧態依然のマスコミがやってきた二元論で議論してても、らちが明かない。だって、メリットだけじゃなくてデメリットもある。デメリットだけじゃなくてメリットもある。そんなのは、はじめから歴然としているんですから。必要なことは、どうやってメリットを大きくして、デメリットを小さくするか。そういう国家としての戦術論なんです。いまの外交には、それが全くない。政治家も、官僚も、マスコミ人も、国民も、小さなときから「みんな仲よくね!!」って言われて育って、「議論」と「諍い」を一緒くたにして回避してきた。その結果、他人とまともに向き合わない。みんな、なあなあで、「言わなくても、わかるよね?ね?そうだよね?」ってごまかしてきた。時々出てくる異論には目をつぶり、場合によっては排除してきた。そういう文化だから、組織も事なかれ主義が根強い。時々、弾の飛んでこない隅っこに隠れて黙ーって、ボーっとしていた奴が、「一番すぐれている!!」って持ち上げられ、突然、偉くなっちゃったりして(みなさんの会社にも、一人くらいいるでしょ?笑)。経済成長期は、それはそれで「日本人のいいところ」って言ってれば済んだけど、これだけ経済が衰退し、国際化が進むと、もう駄目でしょう。そのツケが、いま来ている。いまの現役世代は、もう手遅れでしょうから、次代を担う、学生、子供たちには「隣の人と仲よくしましょう」だけでなく、「お互いの意見を尊重しながら、情緒を排して論理的に話し合いましょう」というメッセージを伝えていくべきだと考えます。何しろ、日本は四方が海に囲まれた「国境がない国」(本当はあるけど海域だから、意識化しにくい)。他人はみんな黙っていても、なんとなくわかりあえると勝手に思い込んでいる。生き馬の目を抜く「国と国の交渉ごと」に臨む「基礎体力」が、圧倒的に不足しているんです。これから、そこを強化する必要があります。もちろん己もです。え?手遅れ?でもいいんです(^ ^)
で、画像はArctic Monkeys のBaby I’m Yours。訳詞はスペイン語?フランス語?わかんないんだけど、写真がラブラブで、すっごくいいから、使わせてもらいましたあ~。リバプールのマージーサウンドを彷彿させるスタンダードな展開のラブソング。天気が良くて気持ちがいい!!秋の散歩に最適です!では、みなさま!よい週末を!