アルツハイマー治療薬の競合
Posted on 6月 27th, 2011 by IDAKA
新薬が出ると、職業柄、すぐ先行品を引き合いに出して「どっちが勝つか」って視点で見てしまうんですけど、そんな単純ではないですよね。とくに日本の先生方は、新薬が出ても、すぐに切り替えたりせず、先行品と併用しながら、ゆっくり臨床評価していくことが多いから、専門記者が期待するような、ガチンコの競合ってあんまりないです。しかし、今年新薬ラッシュを迎えたアルツハイマー型認知症治療薬市場は、ちょっと様子が違います。ご承知の通り、国内では「アリセプト」(エーザイ)しかなかった同市場に、「レミニール」(ヤンセン/武田)、「イクセロン、リバスタッチ」(ノバルティス、小野薬品)、「メマリー」(第一三共)が入ってきたんですが、「レミニール」、「イクセロン、リバスタッチ」は、「アリセプト」との併用が禁じられているから、まさに、この3製品でガチのぶつかり合いになるかも知れません。でも、「アリセプト」は適用範囲も広いし、先行品だけに医師の信頼も高いですからねえー。結局、新薬のなかでは、「アリセプト」との併用が認められている「メマリー」が一番、出足が早いのではないかと思います。それから、「イクセロン、リバスタッチ」は効果がいささか弱いようですが、パッチ剤という点で、患者のQOLを上げることができるから、ひょっとすると、「メマリー」との併用という路線で、ジワジワと「アリセプト」を追い込む可能性もあります。 で、写真は日比谷公園で撮影。いくら花の名前に疎い私でも、このお方は存じております。紫陽花さまです。6月ですから。梅雨もそろそろ明けますね!