Posted on 5月 31st, 2024 by IDAKA

◆MSD製薬のカイル・タトル代表取締役社長
MSD製薬は抗がん剤PD-1抗体と子宮頸がん(HPV)ワクチンで主流となる製品を提供しているだけに、制度政策面でパイオニア(開拓者)の役割を担う場面が多い。PD-1抗体キイトルーダは、かつて(2021年5月)薬価制度の市場拡大再算定で、複数ある適応症のうち一部しか重複していないにもかかわらず、引き下げ対象の同業他社品と「類似している」と見なされ、いわゆる「共連れ」の引き下げを受けた。しかもそれ以前にも再算定受けており、3回目だった。同社は、この時、いち早く「制度の不合理」「見直し」を訴えた。HPVワクチンは、21年2月から現存するワクチンで最も多い9価(血清型の種類数)に対応するシルガード9を発売し、HPVの制圧とワクチン接種率向上に向けた取り組みで先頭を走っている。
Posted on 5月 30th, 2024 by IDAKA

◆日本BIのヤンシュテファン・シェルド代表取締役会長兼社長
日本ベーリンガーインゲルハイムは今後5年間で15件以上の承認、上市を目指す。注力する疾患領域は心腎代謝、呼吸器、オンコロジー、免疫、メンタルヘルスと新たに取り組む眼科の網膜疾患の6疾患領域。ファーストインクラスの開発品も複数抱えている。また新薬開発からマーケティングまで4事業部制を導入、アセットチームで開発を加速していく。※この原稿は業界OB「ShinOM」さんに書いていただきました!
Posted on 5月 23rd, 2024 by IDAKA

◆創薬力構想会議の「中間まとめ」について説明する武田俊彦内閣官房参与
政府の「骨太の方針」(経済財政と改革の基本方針2024)取りまとめ(例年6月)を前に、今週は新薬、後発医薬品、医薬品流通政策について「節目」となる動きがあった。
Posted on 5月 22nd, 2024 by IDAKA

◆エーザイの内藤晴夫代表執行役・CEO
エーザイは早期アルツハイマー認知症(AD)の進行抑制薬レカネマブ(レケンビ)の普及拡大に総力を挙げて取り組んでいる。レカネマブはADの発症、進行因子と目される脳内タンパク質アミロイドβ(Aβ)に直接作用し、世界で初めて進行を遅らせる効果が認められた。同業他社もAβに直接作用するAD薬の開発を長年進めてきたが、中々、成功しなかった。エーザイのレカネマブが昨年、日本と米国で世界初の承認を得て、販売を開始した。これまでにないタイプの医薬品だけに、エーザイは診断、投与、経過観察を貫くパスウエイ(経路)を一から構築する重責も負っている。一方、米イーライリリーが二番手のAD進行抑制薬ドナネマブを日米で承認申請済み。早ければ年内に承認される可能性もある。直接比較試験はないので、現時点で、どちらがどれだけ優れているかわからない。しかし競合品が出てくれば当然レカネマブの使用に影響する。その前に一番手のレカネマブが、どこまで処方を伸し、先行者利益を大きくできるかーー。
Posted on 5月 17th, 2024 by IDAKA

医療用医薬品の取り引きで、医療機関や薬局の収入となっている薬価差(保険薬価と納入価の差額)ーー。医療保険という公的な枠組みで一体どこまでが許され、どこまでが問題なのか。これまで正面切った議論がなく、曖昧なまま放置されてきた。しかし、
Posted on 5月 15th, 2024 by IDAKA

◆次期社長に就任する木村徹代表取締役専務執行役員
住友ファーマが6月25日付で社長交代する。起死回生に向け全力で取り組む姿勢を社内外にアピールすることになる。取締役も大幅に変え、親会社、住友化学の人材を複数呼び入れる。同社は23年3月期決算で初めて450億円の赤字(連結最終損益)を計上、24年3月決算は赤字額が3150億円まで膨らんだ。今後、改善が見込まれるが25年3月決算予想も160億円の赤字で苦境から脱しきれない。こうした状況に親会社、住友化学が痺れを切らし、取締役を送り込んだ。新社長に就任する木村徹氏(現代表取締役専務執行役員)は「25年3月期にコア営業利益の黒字化、26年3月期に最終損益も黒字化させる」としているが、今後の業績次第で親会社の介入はさらに強まるだろう。
住友ファーマ単独で成長し続けられるか、外部の関連企業と提携もしくは合併するか、親会社の100%子会社となり上場廃止となるかーー。向こう数年が勝負だ。
Posted on 5月 10th, 2024 by IDAKA

◆日本イーライリリーのシモーネ・トムセン代表取締役社長
日本イーライリリーは今後、大型化する可能性がある「アルツハイマー型認知症(AD)」と「肥満症」の2領域で、新薬の承認申請を完了し。注目を集めている。いずれの領域も満足のいく治療法がなかった新規市場で新薬の適正使用が浸透し、どこまで拡大するか現時点では未知数だが、成熟すればオンコロジー領域に匹敵する巨大市場となる可能性を秘めている。同社の23年の売上高は2232億円、対前年比10%増と好調。いくつかの前提条件だが数年後、
Posted on 5月 7th, 2024 by IDAKA

◆武田薬品のアンドリュー・プランプ取締役R&Dプレジデント(2018年頃)
武田薬品工業にとって24年はひとつの節目になる。クリストフ・ウェバー氏が代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任したのは15年6月。いよいよ10年目に突入する。この間、武田の研究開発体制は、どう変わったのか。どんなシーズを生み出したのか。どこに向かっているのかーー。ウェバー氏と同時期に研究開発トップに就任したアンドリュー・プランプ取締役R&Dプレジデントが4月18日のCPHI JAPAN(国際医薬品開発展)で講演。「24年は中期、後期の開発品に力を注ぐ」とし、「2つの重要なアセット(開発候補品)」を紹介した。5月9日の決算会見でも
Posted on 5月 7th, 2024 by IDAKA
みなさん、お元気ですか?
春が帰り支度をはじめ、梅雨が出番を待っています。その間、ほんの数週間、暑くもなく寒くもない。優しい風が頬を撫でる。この儚き季節。。。私は大好きです。毎年、日本っていいもんだなあと実感します。
さて大型連休、みなさんいかがお過ごしでしたか?私は気の置けない友人、仲間との会食、読み切れず山積になっている本との語らい。数年前からハマっているピラティスレッスンなどをして過ごしました。
最終日夜、井上尚弥選手のTKOには痺れました。その華々しい姿の陰に、それまで重ねてきたであろうストイックなトレーニング、それに耐え、乗り切ってきた精神力を想い神々しさを感じたのです。
本日から通常営業ーー。各社決算発表や、学会、骨太の方針に向けた水面下の動きが活発化します。長く外部者として業界、企業、行政、政治を取材しているジャーナリストの視点で、事象の「核心」「本質」をしっかり報じて参ります。網羅性(あったこと全て)は追いません。速報性(とにかく速い)も追いません。飽くまで「核心」「本質」にこだわって発信し続けます。
引き続きご指導、ご支援の程、よろしくお願いいたします。
Posted on 4月 25th, 2024 by IDAKA

◆クレコンリサーチ&コンサルティングの木村仁代表取締役社長
医療用医薬品の薬価、流通問題で医薬品卸の立場を代弁する新時代のスポークスマンが出現した。クレコンリサーチ&コンサルティングの二代目社長、木村仁氏だ。医薬品、医療機器関連3労組で構成するヘルスケア産業プラットホームが22日に開いたシンポジウムで「日本の医薬品卸は海外と比べて業務のカバー範囲、作業量が圧倒的に多い。制度上の色々なひずみの“吸収剤”になっている」と強調した。とはいえ医薬品不足や価格交渉では医療機関、メーカーとの“板挟み”に合って、卸だけにしわ寄せが来る場面が多い。木村氏は「どうしてこのような関係性になってしまうのか。ヒトとして職業として平等であるべきということを一般社会に喚起していかねばならない」と訴えた。
※数年前、現代ビジネスに執筆した医薬品卸関連記事を参考までに紹介します。
医療用医薬品の流通取引は様々な問題を抱えており、厚労省の中央社会保険医療協議会、流通改善懇談会などで度々かつ長年に渡って議論している。しかし、医薬品卸の声は、メーカーや医療関係者団体の声にかき消され、後回しにされがち。バランスを欠いており、このままではいくら時間をかけても最適解は導き出せない。木村氏という卸のスポークスマン登場は、卸業界だけでなく、