【2月9日発】武田俊彦氏が「創薬力強化会議」の現在地を説明 「“死の谷”は昔より深く大きい」と私見

 

◆武田俊彦内閣官房政策参与

 総理大臣直轄の内閣官房に設置された「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」(以下、構想会議)が8日、2回目の会合を開いた。大学など学術研究機関(アカデミア)が生み出した新薬の種(シーズ)をいかに迅速に製品化して世の中に送り出すかーー。具体的な方策について議論を重ねている。今回は、1回目(23年12月27日)に続き、構成委員の提案を聴いた。【構成委員の提出資料はコチラをクリック

 シーズの受け入れ先として、医師や学会が主導する「公的な組織」を設置し、製薬企業、バイオベンチャーと並ぶ「第3ルート」とする案や、エビデンスがはっきりしないまま高額な自由診療が行われ産業としての成長が危ぶまれている再生医療分野に、“学会お墨付きの民間保険商品”を導入する案など、厚労省の審議会では中々上がってこない独創的な提案が続出している。まさに百家争鳴、議論百出のようだが、会議は非公開。現在地、向かうべき方向性がいま一つわかりづらい。会議終了後の記者ブリーフィングには武田俊彦氏(内閣官房健康戦略室政策参与)が登壇。ブリーフィング後、構想会議の位置付け、現状、今後の方向性をわかりやすくご教示いただいた。その一端をQ&A形式で紹介する。

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【2月6日発】武田のサルウコスCFOはなぜ今、退任するのか?激動の5年を支えた財務戦略トップ

 

◆退任が決まった武田薬品のコスタ・サルウコスCFO

 武田薬品工業のトップマネジメントに変動があった。6兆円を超えるシャイアーの巨額買収(19年1月)から早や5年。財務戦略を担ってきたCFO(最高財務責任者)のコスタ・サルウコス氏が24年4月1日付で退任する。サルウコス氏は、クリストフ・ウエバー代表取締役社長CEO、アンドリュー・プランプ研究開発統括責任者とともにシャイアー買収前後の難しい事業運営を支えてきた。米メルク、アラガン勤務後、15年に武田の欧州、カナダCFOとなり、18年3月にグローバルのCFOに昇格した。2月1日の23年度第3四半期決算説明会で「武田で仕事できたことを誇りに思う。20年間、海外で働いてきた。オーストラリア(母国)に戻る」と話した。後任にはジャパン・ファーマビジネスユニットの古田未来乃社長が就く。

 

 

◆サルウコス氏の後任、武田薬品・古田未来乃氏(ジャパン・ファーマビジネス・ユニットプレジデント)

 トップマネジメントの交代は“世の常”。とくに珍しくない。ただし、武田の場合、シャイアー買収後の成果がまだ明確に出ているとは言い難い状況だ。そうした中でのCFO交代。なぜか今なのか?ーーー

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【1月31日発】メーカーが卸を絞り込む「1社流通」は何が問題なのか?かつての“系列卸”を彷彿させる現象。。。

 

医療用医薬品の流通改善懇談会(12月21日撮影)

 メーカーが自社の医薬品を1つの卸に限定して出荷する、いわゆる「1社流通」がここ数年ジワジワと広がっている。医療機関、薬局関係者から「医薬品が入手しにくくなるのではないか心配」「価格交渉がしにくくなった」などとの声が上がり、昨年、厚労省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(以下、流改懇)で議論のテーマになった。結果、「1社流通」を実施するメーカーに対して「卸と協力して医療機関、薬局に丁寧に説明し、しっかり安定供給すべき」という趣旨の文言が、3月までに施行予定の改訂流通改善ガイドライン(以下、改訂GL)に盛り込まれることになった。しかしながら、この1文にどれだけの効力があるだろうかーー。今後、「1社流通」の対象品が広がっていけば、医療用医薬品の価格交渉、値決めの構造を大きく変える可能性がある。現状と今後についてレポートする。

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【1月30日発】内閣官房「創薬力向上の構想会議」の“狙い”と“課題”、2月に2回目の会合

 昨年末、内閣官房に突如、設置され、12月27日に初会合を開いた「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」(以下、構想会議)が2月中に2回目の会合を開く。現在、水面下で製薬業界団体、企業各社のヒヤリングを進めている。会合を数回重ねた段階で6月頃にまとめる「骨太の方針(経済財政運営の基本方針24)」に何らかのメッセージを盛り込む見通しだ。会議の位置付け、狙い、課題をレポートする。

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【お知らせ】無料セミナー“見逃し配信”スタート!薬剤師さん向け

 みなさまお元気ですか?

 インフルエンザやコロナ感染によって医療機関、薬局で咳止め、去痰剤が不足する事態がまだ続いているようです。現場で奮闘するお医者さん、薬局、薬剤師さんには頭が下がる思いです。さてそんな中、昨年12月15日、アプロ・ドットコム様主催の無料セミナーで講演する機会をいただきました。ここ数年、問題になっている医薬品不足がなぜ生じているのか?その理由は、複数あり、結構複雑です。講演では、これまで取材成果を活かして、わかりやすく解説しました。私ごときが混乱を収めることはできませんが、理由を知っておけば、薬局、薬剤師さんも、いくらか冷静に状況に向き合うことができるのではないかと。。。ジャーナリストとしてささやかながら貢献するつもりで語りました。見逃し配信は2月4日まで無料でご覧いただけます。薬局、薬剤師さん向けです。ご興味がある方がいらっしゃいましたら、ご共有、シェアいただきたくお願いいたします!配信は以下のURLから!

『なぜ医薬品の供給が滞っているのか?~薬剤師として知っておいて欲しいこと~』オンラインセミナー
https://www.apuro.com/blog/seminar-2033/

 

【1月24日発】ジェネリック関連学会が“OTC分科会”新設!安定供給、スイッチ化を意識か?!

 

◆OTC協会の杉本雅史会長

 医薬品の安定供給が課題になる中、一般用医薬品を巡る環境にも変化の兆しが見られる。日本OTC協会の杉本雅史会長(ロート製薬・代表取締役社長)は1月22日に開いた新年初の記者会見で24年の7つの活動方針を公表。そのひとつに「OTC医薬品の品質・信頼性向上に向けた取り組み」を明記した。また、これまで医療用薬を中心に活動してきた学会にも、“OTCとの連動”を意識した新たな動きが出てきた。

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【1月22日発】薬価差・調整幅はどうなるの?GMP違反はまだ続くの?~24年の業界展望②~

◆厚労省の医療用医薬品の流通改善のための懇談会(会議風景)

 24年は能登震災発生で「お屠蘇気分」に浸る間もなくスタートした。医薬品産業の政策課題も25年の中間年改定、創薬力強化、安定供給体制の整備に向け、昨年以上に先鋭化した議論が予測される。今回は長年棚上げされてきた薬価差・調整幅、そして昨年末まで続出したGMP違反についての課題認識、今後の見通しをざっと整理してみる。

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【1月16日発】第一三共、中外は“好調”、住友ファは“苦境” 製薬企業の“上期決算”と“時価総額”でクッキリ!※会員ページの図表、数値を修正しました。

 企業の社員研修で講演するご機会をいただき、国内上場・製薬企業各社の23年度上期決算や、直近の株価を調べている【会員ページ図表参照】。売上高の3強は、武田薬品、アステラス、第一三共で変わらないが、4位はここ数年、中外と大塚ホールディングス(医療事業)のせめぎ合いになっている。ただ、釈迦に説法だが、株式時価総額は

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【1月11日発】「賀詞交歓会」に見る製薬業界“新時代”、数年後、ガラリ風景が変わる予感。。。。

 新型コロナ感染症が落ち着きを見せたと思ったら、元旦に能登半島震災が直撃――。被災者の方々が今も現地で苦しんでおられる。昨年末から自民党がパーティ券の不正税務処理問題で揺れ、政局も不安定だ。相変わらずロシア・ウクライナ戦争は続いており、米、中2国間の関係もギクシャクしたまま。国際政治経済に不穏な影を落としている。とはいえ日本社会の政策課題解決に向けた歩みを止めることはできない。加えて産官学の情報・意見交換の重要性はどんな時代に合っても揺るがない。DX、AIの時代と言えど、「表情」「声」「動き」を総合的かつ生態的にやり取りできるリアルなコミュニケーションはなくならないし、相互の情報量、伝達力、認識力は、今後、どれだけ技術革新が進んでも「DX、AIだけでいい」ということにならないだろう。

 1月9日、東京薬業4団体の新年賀詞交歓会がプリンスパークタワー東京で開かれた。その風景は数年前と微妙に違っていた。

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【24年1月9日発】内閣官房が製薬企業の「再編誘導」に動き出した!

 政権運営の総合調整を担う内閣官房に「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」(以下、創薬力向上会議)なる会議体が設置された。座長は村井英樹内閣官房副長官(衆院議員)、座長代理は鴨下一郎内閣官房参与(元衆院議員)で12月27日に初会合を開いた。今後、月1回程度、議論を重ねて構想をまとめる。構想の内容は、6月頃に打ち出す骨太の方針(経済財政運営のための基本指針24)に反映させる方針だ。スタートアップ(SU)、ベンチャー(VC)などを育成し、そこで生まれたシーズを大企業につないで創薬力を高める。そしてその収益を、さらに新しいシーズに再投資するーー。そんなエコシステムの実現を目指している。私は、この会議が20年近く沈静化していた国内製薬企業の再編を促すきっかけを作るのではないかと見ている。

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