Posted on 12月 16th, 2013 by IDAKA
今年4月、38歳(現在39)という若さでアストラゼネカ日本法人のトップに就任したガブリエル・ベルチ社長が先週12日、記者会見で日本事業の堅調な成長ぶりをアピール、向こう1年間で新たに1億ドルを投資し、200人増員する方針を明らかにしました。なかなかの二枚目で、会見も歯切れがいい。「そろそろ時間が来たので」と会見を打ち切ろうとする広報を遮って「いや、まだ少し大丈夫だ」とギリギリまで、質問に応じようとする姿勢にも好感を持ちました。しかし、結局、時間切れで、すべてには応じることはできず、質問を求めて挙手する記者の何人かは回答が得られないまま、お開きとなりました。まあ、こんなことはよくあることなんですが、後で「へっ?何それ!」って思ったことがありました。それはベルチ社長が記者会見直後に、某社の単独インタビューに応じていたことです。1社のインタビューを受けるために、何社もの記者の質問を打ち切って記者会見の幕を閉じたことになります。まあ、どこのインタビューにいつ応じるかはAZの判断ですから、他の弱小企業のジャーナリストは涙を呑むしかないんですが、勘弁してほしいのは翌日見たインタビュー記事の内容。近く国内で激烈な競合が見込まれる糖尿病治療薬SGLT-2阻害薬について「海外での実績があるからうちは大丈夫!!」って、社長が自信を語っているんです。正直、「これって、わざわざ単独インタビューしなきゃ得られない情報なの?記者会見で質問すれば済むレベルの内容じゃない?」って思うんです。記者会見を早々に打ち切らせて単独インタビューの時間を取ってもらったんだから、担当した記者には、もう少し内容の濃い記事をお願いしたいもんですわあ〜。みなさんはどう思われますか?
ところで今週は14年度の診療・調剤報酬、薬価改定が山場を迎えます。情勢に吹き飛ばされんように己(オノレ)もしっかり踏ん張って取材して参りまする!
で、写真はベルチ社長、そして表参道イルミネーション。ブレブレですみません。もう何枚か撮ろうと思ったのですが、電池切れだったんです(>_<)ご勘弁を!!ではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください!
Posted on 12月 9th, 2013 by IDAKA
日本医師会の鈴木邦彦常任理事が薬剤師業務を巡って暴言を発し、日本薬剤師会の三浦洋嗣副会長が猛然と抗議するという場面が、先週の中央社会保険医療協議会で立て手続きに2回もありました。論争には他の委員も参戦し、最終的に、いずれも三浦氏に、軍配が上がりましたが、日本の医師を代表する日医の選出委員から、ただ単に職能対立を煽るような発言が飛び出す現状を目の当たりにすると「日本の医療は本当に大丈夫なんだろうか?」と、不安になります。
はじめは12月4日。鈴木氏が「一般名で処方せんを出しても、医師が後発品を勧めたわけではないので、もし一般名処方で薬局が患者に後発品を勧めたら、それは薬剤師の責任だ」と発言、これに対して三浦氏が「意味が分からない。副作用が生じた場合は薬剤師が責任を負えと言ってるのか」と喰いつきました。鈴木氏が要領を得ない答弁を繰り返したため、曖昧なまま終わりそうになりましたが、連合選出の花井十伍氏が「私も鈴木氏の発言には疑問を感じる。医師、薬剤師の連携あってこその後発品使用促進なのに、そういう発言は不安だ。連携して欲しい」と参戦、鈴木氏と同じ日医選出の安達秀樹氏も「医師法でも、処方の責任が医師にあることは明らか。三浦氏が疑問を呈したのは当然のことだ。訂正された方がいい」と鈴木氏に発言撤回を促しました。これを受け鈴木氏はすかさず「その通りでいい」と折れたので、会場の失笑を買いました。
もうひとつは12月6日、薬剤師の病棟業務。前回の診療報酬改定で加算評価した後、患者にとって非常にいい効果が出ていることがわかり、鈴木氏も、その効果を認めたのですが、「さらに評価する(点数を上げる)場合は、調剤報酬の財源でやっていただきたい」と発言したのです。これに対して三浦氏は「診療報酬、調剤報酬は施設に対して支払われている。同じ薬剤師だからと言って、病院薬剤師業務の評価財源を、保険薬局の調剤報酬から捻出すべきという考え方はおかしい」と詰め寄りました。宇都宮啓医療課長が「三浦氏の指摘通り、診療・調剤報酬は施設に支払うものだ」とし、鈴木氏は沈黙。この議論は終わりました。
しかし、こんな低レベルの議論をしていていいんでしょうか?「一般名で処方しても後発品を勧めるのは薬剤師だから医師には責任ない」とか、「病院で仕事していても同じ薬剤師だから、その評価財源は調剤報酬を使え」とか、鈴木氏の発言は明らかに現在の法体系を無視した暴論です。10月まで中医協委員だった山形大学学長特別補佐の嘉山孝正氏がかつて「お金の分捕り合いの議論はよくない。各医療職種が自らのエゴを超えて、患者、国民にとって、より良い医療を実現するには、どういう評価が適切か。中医協では、それを議論すべきだ」と常々、話していたことを懐かしく思い出します。
で、写真は中医協。休憩中の傍聴席です。年末の予算編成に向け、議論もどんどんヒートアップしております!!こうやって観ると、なんだかボクシングの観覧席みたいですね(笑)。もうひとつは日比谷公園にて。銀杏の葉が黄金に輝いてきれいです!!ではみなさま、素敵で楽しい一週間をお過ごしください。
Posted on 12月 2nd, 2013 by IDAKA
武田薬品がとうとう青い目の社長を迎えることになりました。英グラクソ・スミスクライン(GSK)のワクチン部門トップ、クリストフ・ウェバー氏(47)。日本の製薬企業が外国人を社長にするのは初めてのこと。その昔、先代の武田國男前社長に次期社長候補を聞いたら「まだはっきり決めてない。でも社内に候補がいなきゃ外から持ってくりゃいいんや。別に日本人やなくても。青い目でもいいんや」とおっしゃっていたのを思い出します。ホントに実現しました。ちなみに47歳って若いようですが、外資系企業では珍しくない。あ、日本でも確か手代木功氏の社長就任時(08年)が47歳でした。
で、写真みてください。めちゃくちゃガタイよさそう。まるでフットボールか、野球選手みたい(笑)。ガンガン押してきそう(笑)。まあ、いま日本の製薬企業はどちらかというと研究開発畑で感情を表に出さない至ってクールでそつがない「草食系」ムードの経営者が多いので、ものすごく新鮮です。この姿。気迫が漲っていていいじゃないですか!!(ちなみに広報に「身長どのくらいあるんです?」って聞いたら、「まだ当社にはいないので、わかりかねます」と。。。「目算でもいいですから」ってしつこく聞いたら「すみません。まだ会ったことがございません」とのこと。お忙しいところ、ご対応ありがとうございました。拝)。93年にGSK(当時スミスクライン・ビーチャム)に入社し、11年から同社ワクチン社社長兼CEOでGSKの生え抜きです。長谷川社長がの信頼を寄せるタチ山田氏(本名=山田忠孝、現取締役 チーフ メディカル&サイエンティフィック オフィサー)がGSKの研究開発部門トップ兼取締役だったのが96〜06年ですから、タチ山田は、ウェバー氏のことを新米の頃から知っていて、成長ぶりを買っていたのかも知れません。ちなみに、一時、次期社長候補と噂があった平手晴彦氏(現コーポレートオフィサー・北アジアコマーシャル責任者)の前身はGSK日本法人専務(07〜10年)でした。偶然かも知れませんが、GSKとの縁が続いていますね。
長谷川閑史社長は、来年6月の株主総会の了承を得て、ウエバー氏を社長兼COO(最高執行責任者)とし、自らは会長兼CEO(最高経営責任者)となり、1年間、ウェバー氏の仕事を見極めたうえで再来年(15年)にCEOの席を譲る考えです。経済同友会代表幹事の任期が15年4月に切れますので、その時に合わせて、財界そして企業経営からきれいに身を引こうと考えていらっしゃるようです。
長谷川氏は03年6月に社長に就任して10年。08年4月、抗がん剤開発で誉れ高い米国ミレニアムを約8800億円で買収、次いで11年5月、新興国への販路確保を狙ってスイスのナイコメッド社を約1兆円で買収しました。製薬業界では過去にない巨額買収で、各社はみんな驚いてぶっ飛びました。でも、なかなか新薬が出ない。営業利益率は過去最高35%超でしたが、いまや8%近くまで落ち込んでしまった。13年3月を「底」に「V字回復」を目指すと公言していたが、必ずしも順調とは言えない。ここ最近は、「そもそも財界活動と社長業の二足のわらじは無理」との批判が、証券アナリストやマスコミのみならず社内からも上がるようになっていました。長谷川社長からすれば「V字回復」に道筋をつけて、次期社長発表、としたかったでしょうが、持たなかった。それでちょっと早いですが、この時期に公表となったと思われます。
ただ、日本の製薬企業経営も、これまでの発想を超えた新しい時代に入るのかも知れません。「かも知れません」と書くのは、武田のケースは確かに新しいが、まだ成功するかどうかわからないからです。ウェバー氏の社長起用の狙いは当然、海外事業強化です。しかし、世界第二位の日本という市場はどうするのか?その特殊性を考慮して、外資系企業の日本法人でさえ、いまなお社長を日本人にする会社が多い。ファイザー、ノバルティスファーマ、中外製薬などがそうです。一方、GSK、サノフィ、MSDなどは日本法人も外国人社長がオペレートしていますが、サノフィのフォシェ前社長がGSKの社長になっちゃったり、GSKのデュノワイエ前社長が英国アストラゼネカの役員になっちゃったり、「それってロイヤリティや、機密保持の点でどうよ」って状況になっちゃっています。外国人社長は、所属企業への関わり方や雇用に関する考え方が根本的に違うのです。武田のウエーバー氏起用を、己(オノレ)は個人的に明るく新鮮なニュースとして受け止めています。しかし、当然ながら、その成否は、時間を掛けてじっくり見極めるべきでしょう。
で、もう一点の写真、タクシー内から撮影。健康保険組合連合会の街宣車(って言っていいですよね、笑)。白川修二専務理事が先日、セミナーで「高齢者医療への拠出金負担で健保連の財政が著しく悪化している。なのに政府は高齢者医療問題を真っ向から議論しようともしない」って訴えていたのを思い出しました。至極、ごもっともな正論でございます。しかし、いまこの時期の街宣活動。診療報酬改定論議で、診療側から「そんなこと言って、街宣車走らせちゃったりして。支払い側、結構、お金あるやない。よこさんかい」とか突っ込まれやしないか?いささか心配です(笑)それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。
Posted on 11月 25th, 2013 by IDAKA
マスコミやジャーナリストは記者会見や個別取材で、製薬企業の情報を収集しますが、記者会見は、大勢の記者が同時に同じ情報を得ますから当然、独自情報を得るには個別取材しか方法がないわけです。で、広報を通じて取材のお願いをすることが多くなるのですが、長く取材活動を続けていると、広報にも大きく2つのタイプがあるように思います。1つは、可能な限り取材に協力し、取材者にフレンドリーに接する「協力的広報」。もう1つは、表向きフレンドリーに接してるようで、その実、情報はできるだけ出すまい、できるだけ隠そう、とガードする「防衛的広報」です。いまはほとんど前者、要するに「協力的広報」ですが、数社はまだ「防衛的広報」です。武田薬品は、武田國男前社長時代、ガチガチの「防衛的広報」でした。社長の気心が知れた数人のマスコミのお偉方さん。そして何人かの証券アナリストに限って渋々、取材に応じていた。しかし、長谷川閑史社長になって、徐々にオープンになっていった。もちろん、何でもかんでもオープンではありませんでした。「応じろ」「いや応じない」でしばしば激論になりました。ただ、取材の意図、趣旨さえしっかりしていれば、できるだけ協力してやろうというジャーナリストからすれば非常にありがたい前向きな姿勢を感じました。ところがここに来て、また「防衛的広報」に逆戻りしているように思います。広報の中枢にいた数人の方が、最近、営業対策本部に移動してしまったからでしょうか?それとも業績がよくないからでしょうか?先週21日、岩崎真人医薬営業本部長の記事が専門各紙に掲載されました。取材執筆を担当された記者には申し訳ないのですが、各紙の記事を読むと、そんなに大きな違いはない。金太郎飴みたい。そりゃそうですよ。同じ日に、順番に各紙の取材に応じているのですから。こんなのは個別取材に応じているとはいえませんよね。いっそ、記者会見にすればいいのにと思います。武田からすれば「記者もたまに相手にしとかないと、うっせぇからな。面倒だから、同じ日に一機にやって終わりにしゃちゃえ。蒔き餌だ、蒔き餌!」って感覚でしょうか?。。。で、己が、いま武田に聞きたいのは前回、このブログに書いたオブリーンの話。これからどうするの?ってこと。広報に取材をお願いしました。ところが返ってきた回答は「何も話せません。ご了解ください」だけ。理由も説明もなし。まいっちゃいますよ。どうやって了解しますか?断るにしても、もう少し、いいようがあるでしょうが。と思うのでした。武田は、「広報暗黒時代」に戻ったようです。同業他社の広報のみなさんはやめてくださいね。
写真は近くのイタトマで撮影。撮りためた写真がとうとう、底を突き、苦し紛れにコレをアップ。。コーヒーブレイクのケーキとコーヒー。あ、見ればわかりますね(笑)とくに意味はなしです。ハイ。敢えて言えば、一休み一休み!!ってとこですかね。今週も素敵な一週間になりますように!!
Posted on 11月 18th, 2013 by IDAKA
中央社会保険医療協議会が先週13日の総会で、武田薬品の肥満症治療薬「オブリーン」の保険適用を拒否しました。理由を簡単に言ってしまえば「あんまり効き目がないから」。体重減少効果が対プラセボ比で2%なんで、確かに効果が高いとは言えませんが、こういうケースはいまだかつてないことです。武田には追加データ(脂質減少効果の証明など)が求められていますが、過去に実施した治験データのサブ解析で済むのかどうか。11月の新薬薬価収載は19日ですから、少なくともそれには間に合わない。保険適用の可否の判断は来年に持ち越しになるかもしれません。
同業他社には同情的な意見が多いようです。「開発が難しい肥満症領域で、やっと出した新薬が中医協で拒絶されるなんて・・・」。もちろんトップ企業、武田の製品がこういう扱いを受けたのです。明日は我が身という危惧もあるでしょう。
日本では薬事承認を経て製造販売承認を得たものは、ほぼ自動的に保険収載されてきました。ただ、例外がなかったわけではありません。例えば99年に薬価収載されたファイザーの勃起不全治療薬「バイアグラ」。医療用医薬品として承認を得ましたが、「疾患治療というより、生活改善に近い」と判断され、保険適用はされませんでした。にしても、中医協にかける前に厚労省が日医、日薬、学会などに事前相談し、メーカーも了解して決めたことです。一方、今回の「オブリーン」は水面下での調整はなく、聴衆が見守る中医協という大舞台で、袋叩きに会い、最終的に保険適用拒否という憂き目に遭いました。議論の透明性担保という点では、バイアグラより数段、いいのですが、武田のショックは大きいでしょう。しかし、繰り返しますが保険拒否の理由は「効き目があんまりないから」。「だったら、承認すんなよお〜〜っ」て思うのは己(オノレ)だけでしょうか。厚労省の審査部門と、保険部門の「省内不一致」とも言える事象です。仲悪いんでしょうか?
で、写真は中医協が開かれた13日に撮影。1番目は出陣前、己の部屋に差し込む朝の光。で2番目。6時半に家を出て厚労省に到着しましたが、順番を待つ中医協傍聴者はすでに100人超。階段のところにこんなに鞄が置いてあります。3番目は、今回、オブリーンに厳しい裁定を下した中医協委員の先生方です。ではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。
Posted on 11月 11th, 2013 by IDAKA
14年度薬価制度改革に向けた製薬業界の提案。のっけから苦戦しています。象徴的なのは「世界先駆け加算」。世界に先駆けて日本で初めに承認を取得した新規作用機序を有する新薬について、通常の計算式で設定した保険薬価に、いくらか加算して高く評価して欲しいというものです。中央社会保険医療協議会の薬価専門部会では、支払い側、診療側、公益側から、「なんで日本で一番最初に承認を得たからと言って薬価を高くしなければいけないの?我々は、その理由が全くわかりません!!」って、はねつけられています。この種の提案が出ると、毎回こんな感じになっちゃって、中医協委員と業界の意見は平行線を辿ります。業界は、医薬品産業育成に前向きな安倍政権(実はまだ本当のところはわかりませんが・・・)を背景に、薬価制度に産業育成的な評価を持ち込もうとしています。しかし、中医協委員の先生方は、概ね「なんで公的な医療保険制度の財源を使って医薬品産業を育成しなきゃいけないの?産業育成するなら税制とか、補助金とか別の手法があるっしょ!」って立場です。だから根本的に折り合わないのです。
ただ、それは別としても今回の業界提案は、ちょっと唐突かつ準備不足のような気がします。業界は「世界初で加算といっても新規作用機序の薬だけが対象です。わかってくださいよ。先生!」と説得していますが、本来、新規作用機序なら革新性が高く類似薬がないので原価計算方式の対象になるんじゃないでしょうか?原価計算ならもともと加算は付かない。十歩譲って、新規作用機序だけど、類似薬があるということを前提にすれば、その薬の革新性は、それほど高くはないということになってしまい、中医協委員の先生方がおっしゃる通り「へっ?日本で初めて承認取っただけでなぜ加算しなきゃいけないのお?」ってなっちゃいます。
それと、常日頃、お世話になっている日薬連保険薬価研究委員会の諸先輩方には、申し訳ないんですが、もしかしたら時代にマッチしていないんじゃないかと。。。そんな懸念もあります。なぜなら、いまはもう、いわゆるドラッグラグが解消に向かっていて、海外では使えて日本では使えない医薬品はほとんどなくなってきた。で時代は、もはや日米欧、あるいは世界同時申請、同時承認です。製薬企業の使命は、国籍、国境分け隔てなく、世界各国の困っている患者さんに、いち早く革新的な医薬品を届けることです。「できるだけ日本での承認申請を優先しなさい。優先したら薬価高くしてあげっからね」なんて制度を組み込んだら、国際的に顰蹙を浴びるかも知れませんよ。
「世界先駆け加算」。実は、これ、新薬創出加算の前身である薬価維持特例を提案していた09年に要請していたんですよね。当時は確か薬価維持特例の実現を最優先するということで、引っ込めたという経緯があった。でいま、安倍政権が業界に結構、いいこと言っているから、もう一回出したということなんでしょう、きっと。しかし、09年から早5年。時代は変わっちゃいました。むしろ09年なら、ドラッグラグがあったから、今よりは説得力を持ち得たかもしれません。
で、写真は11月6日の中医協薬価専門部会風景。そしても一枚はカマキリ君です。この方、近所のアスファルトの道路をとぼとぼ歩いておりました。そのままでは事故に遭われるのが確実なので、身柄を確保し、花壇に避難していただきました。とはいえ、この都会のコンクリートジャングル。大きな草原はございません。この先の長い道中、油断はなりませんぞ。どうか御達者で!!と祈るばかりです。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!
あ、それと来週18日と、20日、講演します。精一杯話します。良かったら是非、ご参加ください!!
Posted on 11月 5th, 2013 by IDAKA
素晴らしい朝。カーテンを開けると、待ってましたとばかりに、まぶしく暖かな太陽の光がすうっと差し込んできました。いいですね!この感じ。さて、先週末はディオバン関連の取材が続きました。まず10月31日、ディオバンの臨床研究「SMART」について滋賀医科大が記者会見を開き、調査結果を公表しました。カルテデータと、論文データの食い違いが10%あり、結果、ディオバン群が良く見えるようになっているので「恣意性は否定できない」としましたが、調査対象となった研究者たちの言い分は「誤入力」。つまり「間違えちゃったあ!」というものです。
ノバルティスの社員が「わざとやった」(要するに捏造)という痕跡は発見できず、ただただ自分たち大学の臨床研究体制の杜撰さを認める結果になりました。そういう点で、「何者かがデータをいじった」(京都府医大)、「元社員がさわった可能性が高い」(慈恵医大)とする他大学調査結果とは、一線を画しています。
で、会見後、京都に一泊、1日朝、東京に戻って一件、打ち合わせを終え、司法記者会で、薬害オンブズパースン会議が開いた記者会見に参加。誤ったデータで広告宣伝したノバルティスを、「国民を欺く虚偽、誇大広告を流布した」ということで刑事告発したのです。罪状は薬事法第66条違反(2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金)と不正競争防止法第21条違反(5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金)です。法的な処分については、早くから薬事法違反の適用を求める声がありましたが、もうひとつが不正競争防止法違反とは。。。「薬事法違反で駄目なら、独禁法第2条違反(欺瞞的顧客誘引)で処分せよ」って主張がありましたが、実は独禁法違反には「排除措置命令」(問題の行為をやめなさいという命令)しかなくて、刑事罰がないんですよね。だから告発しようにもできない。で不正競争防止法違反で告発したってわけです。薬事法違反では、厚労省が現在調査中なんで「今回の刑事告発は、先取りですね」って聞いたら、オンブズパースンの鈴木利廣代表は「先取りではない。厚労省の動きが遅いだけ」っておっしゃっていました。厚労省は「やるべきことをしっかりやるだけ」との立場です。どうあれ、いろんな角度からの調査が進むことで、より細かく実態解明が進むことを期待したいです。
で写真は会見する滋賀医科大の調査委員長・服部隆則副学長、記者会見風景、薬害オンブズパースン会議の面々です。ではみなさん!!素敵な一週間を。。。ひぇーっ!もうこんな時間!やばあー!
Posted on 10月 28th, 2013 by IDAKA
先週、大阪で開かれた第36回日本高血圧学会総会に行ってまいりました!!!いやあ〜、ものすごっ、勉強になりました。最大の目玉は5年に一回見直される治療ガイドラインの原案。最終日(26日)の特別シンポで、各分野の作成委員の先生方が改訂ポイントを説明しました。過去4年半の高血圧治療の進化を凝縮した大変、重みのある内容に仕上がっています。で、あちこちで、トップニュースとして報ぜられるのは「β遮断薬が第一選択薬から陥落」という点ですが、これはほぼ規定路線だったし、積極的使用が認められている心不全や、狭心症などでは、別に初めから使ってもいいわけですから、己(オノレ)は「へっ?そこいきますか?そこ、そんな強調するところですか??」って、思ってしまいます。そもそも日本の降圧剤市場でβ遮断薬は9%しかシェアがないんですから、GLがどうあれ実地医家の先生で第一選択薬としてβ遮断薬を使っているケースは、現時点でも、ほとんどないと見るべきでしょう。それよか、ずっと「効果は同じ」とされてきたACE阻害薬とARBで、一部ARBの劣性を認めた点に、己(オノレ)の心は打ち震えました。(RISFAX28日号をご覧ください)ARBは配合剤を合わせて降圧剤市場シェア55%、日本の医薬品市場で最も売れている薬の王様です。そこにケチがついたわけです。心筋梗塞の二次予防と、心不全(収縮期起因)ではACE阻害薬の優位性を認め、ARBを第二選択薬に落としたのです。日本循環器学会のGLでは、すでにそうなっていたのですが、なぜか高血圧学会GLは「同等性」ばかり強調していた。しかし、一部にすぎませんが、ここに来て、ようやくARBの劣性を認めたのです。ノバルティスのエプスタンイン社長は10月3日の記者会見で「私はあらゆる点でARBの効果はACE阻害薬と同等。むしろARBの方が優れている」という立場を強調していましたが、高血圧学会の新GLが施行されれば、少なくとも日本では、エプスタン社長の主張は、支えを失います。
それから今回のGL原案の取材で「さずが腕利きの専門医が議論しているだけあるな」と思う点と、「え?専門医でもそうなっちゃうんだ」と思った点があります。「さすが」と思ったのは痛風を併せ持つ患者の治療で「禁忌」だった利尿剤を「慎重投与」に変更する方向になったことです。利尿剤は、もっともエビデンスがあって価格も安いのですが「尿酸値を上げる」という理由で、使用頻度が激減しています。しかし、腕利きの専門医たちは、さじ加減や、他剤併用で、尿酸値をコントロールする術を身につけています。これで良くなるなら患者の懐にも優しい。「禁忌にしてもらっちゃ困る」というわけです。とはいえ、GLに頼るのは実地医家の先生たちですから、利尿剤の失地回復に際しては専門医の技を広く普及させる必要があるかも知れません。一方、「なんで?」と思ったのは、配合剤の扱い。GL原案作成過程で「中高度の高血圧で、併用を第一選択薬で認めているんだから配合剤も第一選択薬にすべき」と意見が上がったというのです。複数の薬を併わせて使う併用治療は、その患者ごとに一番、適切な薬の組み合わせを、各薬剤の用量を慎重に探りながら進めます。しかし、配合剤だと、中に入っている複数の薬の用量が固定されているので、微妙な調整ができません。にもかかわらず「別に第一選択薬で使ってもいいじゃない」っていう声があがったというのですから、驚きです。患者からすれば「そんな乱暴な投与は堪忍やでぇー」って気持ちです。もっとも、この主張は受け入れられず、新GLでは実現しない方向になっているので、一安心です。さて12月の最終版がどうなるか。ウォッチを続けてまいります。

で、写真はすべて大阪で撮影。1番目は「たまにはお前自身も登場しろ!」という有りがたいリクエスト(?笑)にお答えして、大阪国際会議場のエレベーター内で、己自身を撮影。2番目は今回執筆や調べ物をする際に使ったリーガロワイヤルホテルの茶店(景色が最高です!!)。3、4番目は宿泊したホテルの近くにあったバルPIKOの外観と、内部です。ここは食事もおいしかったし、来てる客が皆さんフレンドリーで楽しかった!!マスターに感謝!というわけで実り多い大阪主張でした!!大阪サイコー!!台風上がりの晴天!自分はこんな気分です。クールスのカルフォルニアブルースカイ(音が出ますので、注意!!)。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。
Posted on 10月 21st, 2013 by IDAKA
今週は大阪で、日本高血圧学会が開かれます。ディオバン問題後初の学会なんで、どんな議論が巻き起こるか。注目です。表立ってディオバンをテーマにしたセッションはないようですが、間違いなく話題になるはずです。最大の目玉は、高血圧治療ガイドラインの改訂。前回09年版のGLを改訂して、来年から新たな14年版をスタートするべく学会で議論します。各国の大規模臨床試験をどう活かして、どこがどう変わるのか。ある意味、楽しみです。にしてもGLの改訂。5年に一回でいいんでしょうか?エビデンスの本数が増えている今日、せいぜい2年に一回くらい見直さないと、キャッチアップできない気が致します。みなさんはどう思われますか?
で、写真は四つ葉のクローバー。あんね、みなさん。ちょっと、これすごいんですよ!!!つのは、風が強く吹いていた日、近所を歩いていたら、なんかが頭にくっ付いたんです。で、そっと手を伸ばしてとってみると、な、な、なんとこの方だったんです!!すごーくないですかあ?すごいですよね?でしょー?でしょー?めったにないことですわあ。ではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。
Posted on 10月 14th, 2013 by IDAKA
ディオバン問題をきっかけに、大規模臨床試験のあり方が問われています。大規模臨床試験は、たいがい製薬企業がスポンサーだから、その企業の意向が結果に反映されやすい。だから今後は、スポンサーとなった製薬企業の意向を、いかにはねのけて公平中立なる研究を実施し、結果発表できる環境を整えるかが課題になります。ディオバンのように、データ操作まで行っちゃうと、もうそれは「捏造」で、論外なんですが、そこまでは行かないにせよ、過去の試験結果を振り返ると、公平中立とは言えないものが相当数あるようです。なかでももっとも多いのは「スピン」。英語のSPIN(回転)から来ています。自分たちが期待した結果(主要エンドポイント)が出なかったにもかかわらず、データの中からいい部分だけを抜き出して、ことさら、そこを強調する行為を指します。例えば、「心血管疾患による死亡抑制」を目論んで実施したのに、既存薬とほとんど差が出ない。あるいは既存薬の方がいいような結果が出た。しかし、そのまま公表したくないから、死亡抑制でいい結果が出なかったことは伏せて、集めたデータで有利な部分を探します。で、ちょっと差があった狭心症に目を付けて「狭心症の発生を抑制しました!」と大々的に公表するのです。こういうスピンをいかに無くしていくかが、大事なところです。で、スピン。よくよく考えてみると、己(オノレ)らジャーナリストにもそのまま当てはまる。「これはきっと大ニュースになるぞ!」と仮説を立てて、取材してみたが、実は意外に地味な話でしかなかった。でも「みんなをあっと言わせる記事が書きたい」という下卑た功名心を抑えきれない。そんな時、忍び寄ってくるのがスピン欲求です。それを抑えて公平中立であってこその、ジャーナリストなんですが、欲求を抑えきれず、自分が書きたい方向にとって、都合のいい現実の断片だけを拾って、ことさら強調する。アクセス数を増やしたいから、何も決まっていないのにあたかも決まったような断定的な見出しを立てて、読者の条件反射を誘う。あるいは、自分のもっていきたい方向に都合が悪い現実は、無視して報道しない。こんなことばっかやってたら、自分で自分の絞めるばかりです。なぜなら、そんな記事は、人騒がせなだけで、社会的にまったく価値がないからです。研究者、製薬企業だけでなく、己らジャーナリストも、せこいスピン欲求には、なんとしても打ち克っていかねばなりません。
で、写真は上野の不忍池。国立西洋美術館でやっていたミケランジェロ展を拝観した後にブラっと寄りました。ここは年中、お祭り。屋台のおでんがおいしい季節になりました(^^)。それでは皆様、楽しく素敵な一週間をお過ごしください。