武田の総会で「グローバル化って一体、何なんだっけ?」と、改めて考えさせられる。

Exif_JPEG_PICTUREOBらの質問状で大荒れが予想された6月27日の武田薬品の株主総会は、最近では珍しい3時間を超えるロングラン総会になったものの、GSK出身のフランス人、クリストフ・ウェバー氏の社長就任など、会社が提案した7議案は全て了承されました。ただ、OBらが事前に提出した質問状以外にも、質問がいくつも出て、武田の現状に対して、多くの株主が懸念を抱いていることがわかりました。

武田幹部への質問、批判は多岐に渡っているのですが、改めて考えさせるのは「グローバル化って一体、何?」ってことです。武田OBらは、日本人より高待遇で、外国人を幹部に迎え入れること、そしてまた急速に外国籍の幹部が増えたことなどに疑問を抱き、「これじゃあ、日本の企業でなくなってしまう」と強く反発していました。確かに、一理あるなと考えさせられます。外国企業を巨額な資金で傘下に収めることが「グローバル化」なのか?外国人を高給で迎え入れることが「グローバル化」なのか?英語のできない社員を隅に追いやることが「グローバル化」なのか?そして逆に「日本の製薬企業」ってなんなのか?今後も、そのステイタスと意義を保てるのか?今回の武田の総会で、OBらが放った疑問で、深く考えさせられました。再考というか。。。再確認すべき時なのかも知れません。

それでは、みなさん。素敵で楽しく、かつ充実した一週間をお過ごしください。

 

 

 

武田薬品のブロプレス問題は「全死亡率のグラフ」も見逃さないで、調査、検討すべきだ!!

こんにちは!お元気ですか?で、早速ですが、昨日の続き。武田薬品が、高血圧治療薬ブロプレス(カンデサルタン)にまつわる不正疑惑で、ジョーンズ・デイ法律事務所(JD)に依頼した調査報告書の件です。

不正疑惑のきっかけは武田がプロモーションに使った販促資材なんですが、この販促資材について報告書は、全て一人の社員の判断、責任で作成したとした点、また、極めて限定的な調査であるにもかかわらず「薬事法違反には当たらない」と断定した点には、率直に言って大いに疑問が残ります。

Exif_JPEG_PICTURE 報告書は、販促資材について「実質的に、医薬学術部グループの主席部員であったU氏が、単独で(略)全ての販促資材を制作を担当していた」とし、U氏の直属の上司については「制作された販促資材の最終確認を行うのみであり、(略)実質的に関与していなかった」と指摘、プロモーションの責任者X氏には「いつ、いかなる内容の販促資材を制作するか(略)具体的な決定をU氏に一任していた」と断定しています。要するに、U氏以外はお咎めなし。U氏の直属の上司や、プロモの責任者はJDから聞き取り調査された時、「ちょっ、なんすか?私?関係ないですよぉ。全然、知らなかったんですよ。私はあ~。ただ使ってもいいよ、ってハンコをついただけです。ええ、ええ、中身なんか、イチイチ見てられませんよ。忙しいですからね、いっつも。ほとんど見てないですから。中身なんか。よく知りません。。。。」とでも、言ったんですね。きっと(失礼。ここは飽くまで己の想像です!)。。果たして、そんなことあっていいんでしょうか?今後、何か責任を問われても「全てU氏が悪い」と、トカゲの尻尾切りになってしまう可能性があります。何か嫌あ~な感じですね。これ。JDさんには、もう少し突っ込んで欲しかったですね

で、もう一つ。この販促資材について報告書が「薬事法違反に当たらない」と、踏み込んだ表現を用いている点。本来、法律違反に当たるか当たらないかは、司法当局が判断するものであって、この段階で、武田の依頼を受けたJDが調査報告書に書くべきだったのか?記者会見で質問したら「その点は、武田に依頼されたから」と言ってましたが。。ちょっと踏み込み過ぎの感じがします。

しかも、判断の前提となるJDの調査は極めて限定的なんです。まずは、ここが肝なんで、丁寧に書きますよ。

まず販促資材の何が疑惑を呼んだか?改めて説明すると以下です。

Exif_JPEG_PICTURE心血管イベントと全死亡率の発現率は、統計学上、カンデサルタンもアムロジピンも有意差がない(同等という意味)が、武田の販促資材には、視覚的に、あたかもカンデサルタンの方が有意に抑えるように見えるグラフが掲載されていた。グラフは、カンデサルタンとアムロジピンのイベント発現率の経時変化を、2本のラインで示している。心血管イベントも全死亡率も、途中までは、若干、アムロジピンの方が抑えているように見えるが、30か月を超える辺りで、双方のラインが交差し、その後、カンデサルタンの方が抑えているように見える。それが疑惑を呼んだ。武田の販促資材は、研究代表の大学教授などの写真を添えたうえで、グラフの交差部分を「ゴールデンクロス」と称し、「より長期に使うことでイベントの発現が減少していく」と明記していた。【RISFAX6月23日号から抜粋】

Exif_JPEG_PICTUREということで、疑惑を呼んだグラフは心血管イベントと全死亡率の2つなんです。しかし、JDは、心血管イベントのグラフのみに着目して調査をしました。【右上、図2のグラフ】その結果、カンデサルタンの方が良く見えるようになったラインのズレは、販促資材の制作過程で、偶然、生じた可能性もあり、それほど大きくない。また、30か月を超えるとカンデサルタンが良くなる可能性も「示唆される」との表現で、断定はしていない。だから、医師である専門家なら、この販促資材に引っ張られて、「カンデサルタンの方がいい」って勘違いするようなことはない。拠って「薬事法違反に当たる虚偽、誇大広告には当たらない」と。こう結論付けたわけです。

Exif_JPEG_PICTUREしかし、もうひとつのグラフ。全死亡率はどうですか?【右上、図3のグラフ】このグラフ。明らかにカンデサルタンが良く見えます。これは「制作過程で偶然ズレちゃっただけ」ってもんじゃないですよ。しかも、このグラフ。カンデサルタンが良く見えるように、心血管イベントで「10%」になっていた縦軸を、わざわざ「5%」に引き延ばして見せています。死亡率の差ですよ?臨床で忙しい医師に与える視覚的な印象は、こっちのがはるかに強烈でしょう。

販促資材では、心血管イベントのグラフの真下に並べてあります。【右写真】JDさんは、なんでこっちのグラフも調べてくれなかったのか?この差がなんでできたのか?これも調査して欲しかった。Exif_JPEG_PICTUREそれに販促資材には「より長期に使うことでイベントの発現が減少していく」と明記してあるのに、報告書では、この点も不問に付しました。【右写真】

Exif_JPEG_PICTUREとはいえ、JDの報告書で新たにわかったことも沢山、あります。一番衝撃的だったのは、5ページ目の「証拠の保全」の部分。【右写真】JDの調査が入る前に、武田薬品は、関連部局のスタッフに向けて、今回、疑惑を呼んだ試験の「関連資料、印刷物の削除・廃棄を要請する社内通知を発信していた」との事実を明記、「検討対象となりうる資料が削除・廃棄された可能性がある」と訴えています。これはどうですか?調査前に、関連資料を全て捨てるよう通知しちゃってたんですよ。こんなのありですか?真相解明しようとしても、もう、ほとんど資料は残ってないですね。きっと。なんだか書いていて嫌な気分になってきました。

うーん!気を取り直して!!行きますよ!みなさま、素敵な一週間をお過ごしください!

 

武田がブロプレス問題で、ジョーンズ・デイ法律事務所に依頼した調査結果は、極めて限定的なものであることに注意すべきだ!

Exif_JPEG_PICTURE 武田薬品の高血圧治療薬ブロプレスに関する医師主導臨床研究の不正疑惑で、武田薬品がジョーンズ・デイ法律事務所に依頼して進めてきた調査の結果がまとまりました。「ブロプレスは優れている」と強調したいがために、本来、製薬企業が関わってはいけない「医師主導」の研究に、武田が組織的に関与していたことが明らかになりました。しかし、不正疑惑のきっかけとなった、武田がプロモーションに使った販促資材については、全て一人の社員の判断、責任で作成したとした点、また、極めて限定的な調査であるにもかかわらず「薬事法違反には当たらない」と断定した点には、率直に言って大いに疑問が残ります。

で、すみません。本日はこれより、みっちり取材が入っております。なので、明日、再度更新し、この辺りの己(オノレ)の見解を、しっかり記しますので、是非、ご覧ください。(^_^;)

なお、疑惑が生じている武田の研究は、各紙が「CASEーJ研究」と報じていますが、先に疑惑で叩かれたノバルティスのディオバンに絡む臨床研究が 「ディオバン問題」と繰り返し報じされてきたことの公平性に鑑み、このブログでは「ブロプレスの絡んだ医師主導臨床研究」、あるいは「ブロプレス問題」と、製品名をしっかり書きます。それから、ジョーンズ・デイ法律事務所の調査を、各紙が何の衒いもなく「第3者調査」と報じていますが、飽くまで武田が対価を払って依頼した調査であり、調査の範囲、内容には何の強制力がなく、一定の限界があるので、このブログでは「武田が依頼した調査」とします。日本は言霊の国ですから、こういう微妙な表現に注意しないで、大雑把に使って、それを積み重ねていくことによって、いつの間にか事実、現実が歪んでいくと考えています。

ではみなさま、また明日、素敵な月曜日をお過ごしください!

 

 

製薬企業と大学の関係に広がる不信感、そして薬価の毎年改定論議、医療、医薬品業界への「風当たり」はますます強まっている!!!

Exif_JPEG_PICTURE ディオバン問題で、ノバルティス元社員が東京地検に逮捕されました。

容疑は薬事法違反となる「虚偽、誇大広告」。かりに元社員がデータを操作していたとしても、そのデータを広告で活用するのは別の部署ですから、元社員の行動と、広告所管の部署の行動をしっかり「線」で結ぶ証拠がないと、逮捕は難しいと言われていましたが、元社員と密接な関係にあった研究者らの裁量でできる、専門誌への投稿論文や、インターネットでの論文公開を、一種の「広告」と見なし、元社員を逮捕しました。逮捕にかける、地検の並々ならぬ「執念」を感じます。しかし、何度も繰り返しますが、己(オノレ)はこの件。すべての責任を元社員に押し付けて、一罰百戒で片づけることに大いなる疑問を抱いていいます。なぜかというと、今度の件は、業界の「構造問題」であり、「一人の悪人が、自らの私腹を肥やすために、周囲を欺いて、勝手に怪しからん事をした」という類のものではないと考えるからです。この件に絡んだ関係者の中で、元社員が社会的に、最も弱い立場にいます。にもかかわらずと言うか、だからこそと言いましょうか、昨年来、唯一個人として、メディアの集中砲火を浴び、叩けれ続けてきた。今回の件については、メディアの取り上げ方、取材姿勢にも、ものすごい違和感を感じています。一種の集団心理。「みんなで叩けば怖くない」というムードが感ぜられるからです。東京地検の捜査は終わっていないので、しばらく様子を見守るしかない。しかし、元社員を逮捕して終わりじゃあまりにお粗末。そう思います。

Exif_JPEG_PICTURE日本製薬団体連合会の木村政之理事長が、先週の保険薬価研究委員会の懇談会で「(国会議員を訪問していると)医療、医薬品業界への風当たりが強まっているのがひしひしと分かる」とおっしゃられていましたが、まさしくそうかもしれません。医療、医薬品業界は、色んな意味で「グレーゾーン」が大きいのです。「グレーゾーン」って言い換えれば「必要悪」、あるいは「ハンドルの遊び」、「それを言っちゃおしまいでしょう」と言って、みんなが不問にして済ませてきたことです。しかし、世の中、どんどん狭隘になっています。で「グレーゾーンを一切、なくせ」と。こうなるのです。

薬価の毎年改定。どうやら今回は見送られ、かろうじて15年4月改定はなさそうです。とは言え、15年10月に消費増税があることを忘れてはなりません。間違いなく「消費税を上乗せするだけでなく、実勢価に基づいて薬価を下げろ」という意見が出て来る。そうなると、ほとんど「毎年改定」みたいなもんです。

とまあ、色々ありますが、みなさん。変化の時です。己(オノレ)も流されないように、吹っ飛ばされないように、しっかり取材、執筆に務めます。充実した素晴らしい一週間をお過ごしください!

※写真上から厚労省のディオバン問題検討会、木村理事長

 

 

武田薬品のトップ製品、ブロプレス試験を巡る疑惑は、ディオバン問題よりも焦点がはっきりしている!!

みなさん、お元気ですか?いやあ~、先週は降りましたねえ~。例年で言うと6月1か月分の降水量を、もう超えてしまったらしいですよ。さて、製薬業界と医師主導臨床研究が本格的に世間の批判にさらされて、ほぼ1年が経過しました。ディオバンの試験を巡る一連の疑惑に関する東京地検特捜部の捜査も、そろそろ最終局面を迎えているようです。7月には国家公務員幹部の人事異動があるから、少なくともそれまでには結論が出るのではないかと言われますが、どうでしょうか?実際、何らかの法律違反が問われ、起訴まで行くでしょうか?昨夏、雑誌医薬経済8月15日号に書いたように、己(オノレ)は、この事象を、製薬業界、医学界、専門誌ビジネスが密接に絡んだ「構造問題」と捉えているので特定企業の特定の人間を人身御供に1、2人しょっ引いたところで、何も解決しない。そんなトカゲの尻尾きりのような決着は、かえって良くない、とさえ考えています。が、どうなるでしょうか?しばらく様子を見守るしかないです。

Exif_JPEG_PICTURE で、一方、武田薬品のブロプレスと、臨床研究CASE―Jの疑惑、こちらは武田が第3者機関に依頼して調査しています。3月の記者会見で「調査は3か月くらいかかる」と話していたので、6月中には結論が出て、何らかの発表があっていいはずです。ただ、こういうケースがあると、いっつも思うんです。第3者機関といっても、依頼主が当の本人じゃないですか?しかも、依頼主からお金をもらって調査するわけです。だから、本当に、どこまで依頼主から独立して客観かつ冷徹な調査ができるのかなあ~って。そう思うんです。まあ、それはともかく、個人的には、ディオバンの疑惑より、ブロプレスのCASE-Jの方が、はっきりしていることが多くて、結論が出やすいと考えます。

武田は3月の記者会見で「まだ論文になる前の研究グラフを、学会発表の段階でプロモーションに使ってしまいました。これは明らかに業界のルール違反でした。申し訳ございません」と早々に謝りました。しかし、この問題の焦点は「プロモーションが論文になるより前か後か」なんて、甘っちょろいところにはありません。ブロプレス(カンデサルタン)とアムロジピンの比較試験で、心血管イベントの抑制効果が、はじめのうちはアムロジピンの方がいいくらいなのに、30か月を超える辺りで、急にブロプレスが良くなる。【右上写真、日経メディカル06年11月号に掲載された武田の記事広告】ここからいくつもの疑惑が生じているのです。記者会見も近いと思われますので、改めて問題点を整理すると、こうです。

①途中から急にブロプレスの結果が良くなるのは、なぜなのか?人為的な操作が加わった可能性はないのか?専門家は「高血圧の治療で、途中で効果が逆転するなんてありえない」と言っています。手を加えていないにしろ、なぜ急に良くなったのか?武田はその要因を検証し、はっきり答えなければいけません。科学的に問題がなく、本当に途中から良くなるなら、患者のためにも、むしろ堂々と、プロモーションに使うべきです。

Exif_JPEG_PICTURE②06年10月に学会発表された時のグラフは、途中からブロプレスがアムロジピンと比べて良くなっているのが視覚的に鮮明にわかる(写真の左側、基本的に右上写真のグラフと同じもの)のに、08年2月に論文化されたグラフでは視覚的にはわからない(写真の右側)ようになっている。しかも論文では42か月以降の部分がバッサリ削除されている。それはなぜか?同じ研究結果なのに、なぜ、こうも視覚的に違うグラフが出来上がるのか?また、どういう意図で、42か月以降の部分をバッサリ削除することになったのか?

③ブロプレスとアムロジピンの効果が交差する部分を「ゴールデンクロス」と称して、あたかも長く使えば使うほど、ブロプレスの方がアムロジピンよりも効果が上回ると言わんばかりのプロモーションを実施したことに問題はないか?ディオバンでは誤った研究データをプロモーションに使ったことが「虚偽、誇大広告」の疑いを呼び、薬事法違反が問われています。武田が自分たちのプロモーションで「ゴールデンクロス」を、ことさら強調していたのは明らかです。右上1番目の写真、武田が記事広告で使ったグラフを観てください。「ゴールデンクロス」の部分に、ご丁寧にも、オレンジ色の矢印が付いています。一体、誰が付けたのでしょうか?さすがに「1人の社員が勝手に付けた」とは言えないでしょう。出版社に莫大なお金を払って記事広告を掲載したわけですから、間違いなく組織的な決済が必要です。

④企業の記事広告に、何度も自身の名前と顔写真を載せて「広告塔」となり、間接的に、企業のプロモーション活動の内容に「お墨付き」を与えた猿田享男慶応大学名誉教授、CASE―J研究代表ら、複数の学者、研究者らは何の責任も問われないのか?

Exif_JPEG_PICTUREざっとこんなところです。記者会見では、最低、以上の部分は明らかにして欲しいです。で、3番目の写真は都内某所で撮影した紫陽花。花ってすごいですよね。自分がいつ咲くべきか。しっかり見極めている。梅雨時はこの人の出番です(*^_^*)

 では、みなさま充実した一週間をお過ごしください。

 

 

薬価政策で苛められるも、ジェネリック各社の経営は概ね順調、「いま何をするか」が5年後を決める!

Exif_JPEG_PICTURE  ジェネリック医薬品(特許が切れた後に出てくる先発品と同一成分同一効能の医薬品=後発品)メーカーの団体、日本ジェネリック製薬協会が5月28日に開いた総会後の懇親会で、吉田逸郎会長(東和薬品社長)、澤井光郎副会長(沢井製薬社長)らが、後発品企業に課せられた使命と、現状を語りました

Exif_JPEG_PICTURE吉田会長は14年度の薬価改定で、後発品の薬価への締め付けがかなり厳しくなったことを指摘しながら、「16年度までに国内の医薬品数量の60%を後発品に置き換える」とする政府目標の達成に意欲を見せました。沢井副会長も、とかく値引き競争に傾きがちな後発品市場に危機感を表明、「適正な価格」「適正な競争」を訴え、各社に「自制」を求めました。確かに4月からの薬価改定は、後発品にとって厳しいでしょう。これまで銘柄別に設定されていた薬価が、3つのグループに括られてしまったうえ、はじめて出てくる後発品でも、特定の成分で10品目を超えると、薬価は先発品薬価の半分(通常は7割)にされてしまうのですから。。。ただ、各社の経営が厳しいかと言えば、そうでもない。逆に、総じていいくらいです。今回、ジェネ協の総会会場も、恒例の東京プリンスから、かなり格を上げてザ・プリンスパークタワーに移りました。

Exif_JPEG_PICTUREいよいよ再編か?専門メディアは、このところ、そんな観測を建てて煽りますが、各社経営が順調なうちはそれはない。もう少し先になりそうです。ジェネ協の会員各社は、潤沢な収益を、どこに投入し、どこに向かうのか?まさしく、いまの選択、行動が5年後、10年後の姿を決めることになります。

写真は右上から吉田会長、沢井副会長。そして近所の幹線道路上でけなげに咲いていた昼顔の花。みなさま。強烈に暑い日が続きますが、熱中症にお気をつけて。充実した素敵な一週間をお過ごしください!

 

製薬協の新会長に、大日本住友の多田社長が就任、業界に立ち込める「暗く深い霧」を切り裂き、前に進めるか?

Exif_JPEG_PICTURE日本製薬工業協会の会長に、大日本住友製薬の多田正世社長が就任されました。ただ、臨床研究を巡る製薬企業の不祥事が多発している現状から、先週21日の就任会見で、多田会長の口から出た言葉は「コンプライアンスの徹底」「社会的信頼の回復」など、まるで罪を悔いて更生を誓うような、重苦しいことばかりになってしまいました

製薬業界は、ちょっと前まで政府に「日本経済を成長させる牽引車」と持ち上げられていましたが、そうした期待感も、臨床研究を巡る不祥事で、陰りが出てきたような気が致します。会見でコンプライアンス問題ばかり、話さねばならなくなった多田会長も「内心忸怩たる思いがある」とおっしゃっていましたが、ちょっとさびしい感じがしました。記者の質問も、ほとんど臨床研究の不祥事に関するものばかり。みんな「正義の味方」気取りで、まるで事件を追う一般紙の社会部みたいです。

曲がりなりにも、会長就任会見ですから。いくらなんでも、これじゃ暗すぎる。業界専門記者としては、前向きな話も聞きたいですよ。で、己(オノレ)は敢えて、多田会長に、製薬産業の現状と将来について私見をお聞きしました。多田会長からは「知識、技術のすそ野が広い。創薬の社会的意味をより深く考え、リスクを取って投資すれば必ず報われる」と、前向きな回答が返ってきたので、ほっとしました。「歴代会長と比較して、知識、経験という点において、確信が不足している。もう少し時間をいただき、お、変わったなて言っていただけるようになりたい」と多田会長。今後のご活躍を期待したいです。

というわけでみなさま。素敵な一週間をお過ごしください。なぜかこのところ、暑い日が続きます。ご自愛ください!

 

 

 

MeijiSeikaファルマの「純日本人経営」、ゼリア新薬の強固な「世襲制」、そして第一三共の「ハイブリッド経営」、果たして、その行き着く先は!?

IMG_0686_1先週はMeijiSeikaファルマと、ゼリア新薬の新社長の内定会見、そして第一三共の経営説明会などがありました。MeijiSeikaファルマの社長には国内営業、事業戦略で手腕を振るってきた小林大吉郎氏が内定、ゼリア新薬の社長には32年間社長を務めた前代、伊部幸顕氏の娘婿、伊部光弘氏が内定しました。

IMG_0745_1MeijiSeikaファルマは海外事業強化を打ち出しながら、国内営業、事業一筋の小林氏を抜擢、「国内も海外も、マネージメントの基本は変わらない」と意欲満々でした。国内企業トップ、武田薬品が国際化を重視し、青い目の社長を迎える中でMeijiSeikaファルマは「純日本人マネジメント」で、海外事業強化に挑むことになります。

Exif_JPEG_PICTUREゼリアの新社長は前代の娘婿でしたが、4月に養子縁組を結んで、多胡姓から伊部姓になりました。42歳!!お若い!!「養子縁組は社長就任の絶対条件だったのか?」との質問に伊部幸顕現社長は「違う。それこれとは切り離して考えている」とのことでしたが、結果、世襲制が維持されたことになります。

第一三共は抗凝固薬エドキサバンを海外でも単独販売することを決断、過去数年悩まされたランバクシーの経営リスクも縮小していることを強調しています。同社は医療用、一般用、ジェネリックと手広く事業を進めるハイブリット経営を志向していますが、それは今後も維持していきます。ただ、こと日本市場では、大手新薬メーカーのジェネリック事業は苦戦が見込まれています。そこをどう乗り越えるか?注目です。

写真は右上から、Meijiの小林新社長、ゼリアの伊部新社長、第一三共の中山社長。それではみなさま、充実した素敵な一週間をお過ごしください。

 

「超ぜいたく薬」「セレブご用達薬」の素、アディポロンは、STAP細胞よりもスゴイぜ!!

IMG_0627_7_1こんにちは!みなさまお久しぶりです。GWも終わって二週目に突入。さすがに今週は「いやあ、休みボケでしてぇ~」って言い訳は使えませんぜ(笑)本気モードに入らないと!!で、お休み中も、ずっと続いていたのがSTAP細胞を巡る疑惑報道。結果、論文に不正があったということで、処理される方向になっています。で、簡便な方法で、色んな組織に分化するというSTAP細胞。結局のところ、あるの?ないの?ということになると、これがよくわかりません。「STAP細胞は、あります!!」「いや、ありません」。「私は見ました」「いや、私は見たことがない」って。。。なんだか、これ小学生の頃、流行ったUFOとか、ツチノコとか、サスカッチ(雪男)を巡る論議に似てませんか?完全に迷走状態に陥ってしまっています(笑)。

IMG_0664_2_1 学術研究の立場では「科学的に検証されている状況ではない」というのが正確な見解でしょうか。英国科学雑誌ネイチャーに、日本人女性の研究論文が掲載されるのは快挙だったので、1月の掲載と同時に小保方さんが、ものすごく脚光を浴びたわけです。しかし、実はその3か月前の10月。ネイチャーは日本人女性の論文をもう一つ掲載しています。東大病院の研究グループの岩部美紀氏。善玉ホルモン、アディポネクチンの受容体に作動するアディポロンという化合物についての論文です。まだ、マウスを使った実験段階ですが、これを経口投与すると、カロリー制限や、適度な運動をした後のような体内状態を作り出すことができることがわかりました。つまり、これを医薬品として飲めば、高カロリー、高脂肪の食事を続け、運動をしなくても、生活習慣病の予防ができるかも知れないのです。STAP細胞はバイオですが、こっちは低分子ですから、地味って言えば地味なんですが、実社会への応用という点において、STAP細胞よりはるかに、意義のある研究成果だと思います。にもかかわらず、世間はSTAP、STAP。アディポロンのアの字も出ません。アディポロン。今後、どうなるでしょうか?己(オノレ)は「超ぜいたく薬」「セレブご用達薬」にならないことを望みます。医薬経済5月15日号にそのあたりのことを書きましたので、ご興味のある方は是非ともご覧ください⇒http://shop.risfax.co.jp/products/list.php?category_id=2

で、写真はゴールデンウィーク中に立ち寄った京都で撮影。龍谷ミュージアムの敷地で、無邪気に遊ぶ子供たちと、京都区役所駅の構内にあった色鮮やかな鯉の彫金版では、みなさま素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

最大11日間のGW!!みなさんご機嫌いかがですか?

IMG_0128_1 みなさま、お元気ですか?今回のゴールデンウィーク。飛び石の間を含めると、最大11日間のお休みになります。みなさまは、いかがお過ごしですか?己(オノレ)は普段やろうとしていてできていない身辺雑事を整理したり、大事な旧友たちに会ったり、心身を整えたり、おいしいものを食べたり、飲んだり、昼寝したり・・・って、チョッ、あなたっ!!(笑)。

IMG_0138_1 書いているうちに段々、自堕落になっていくようなのでここらで止めます(^_^.)。

で、いつも薬新カフェをご覧いただき、ありがとうございます。本日4月28日、そして5月5日は更新をお休みさせていただきます。次回の更新は12日月曜日になります。引き続き、よろしくお願いいたしまーす。それではみなさま、充実した素敵な一週間をお過ごしください!!

 
 
 
© 2025 薬新プラザ|医薬品業界の「本質」を発信するサイト