Posted on 11月 2nd, 2015 by IDAKA
みなさん、お元気ですか?そぼ降る雨とともに11月最初の月曜日を迎えました。2015年も残すところ後2か月です。
さて16年4月の薬価制度改革論議。先週10月28日水曜日は、後発品の薬価政策がテーマになりました。当初から予測されていましたが、委員の意見は「下げろ」「下げろ」のオンパレード。新規収載品は先発品薬価の「0.6掛け(参入10品目以上は0.5掛け)」から「0.5掛け(同0.4掛け)」になる可能性が濃厚になっております。既収載品の薬価は将来の1本化をにらみつつ、「激変緩和」の意味からかろうじて3価格帯は維持されそうですが、やはりベクトルは、引下げの方向に進んでいます。
後発品の薬価は下がりますが、使用機会は拡大。各社の製品開発、価格競争も一層、シビアになるでしょう。
で写真は10月28日の朝日。日の出とともに起床し、厚労省に駆けつけたましたが、中央社会保険医療協議会の傍聴を求める人たちの行列は、すでに100m近い長さになっていました。いやあ〜、いつもながら常軌を逸した人気です(^_^;)。では皆様、お体を大切に。素敵な一週間をお過ごしください!
Posted on 10月 26th, 2015 by IDAKA
今週10 月29日付で、中央社会保険医療協議会の委員交替があります。薬価専門部会の委員でもあり、新薬創出加算の対象絞り込みを主張していた支払側を代表する論客、健康保険組合連合会の白川修二副会長、薬価専門部会委員ではありませんが、医薬分業や、調剤薬局のあり方を厳しく批判していた日本医師会の鈴木邦彦常任理事が、委員を下ります。なので両氏は28日の会合が千秋楽になります。
白川、鈴木両氏はともに、民主党政権が発足した09年秋に中医協委員に就任。3期6年の最大任期を全うしました。山形大の嘉山孝正学長特別補佐(13年に退任)、京都府医師会の安達秀樹副会長(14年に退任)らと、中医協会場に颯爽と登場した日は、鮮烈でしたあ〜。東日本大震災で、天井が落ちて今は使われなくなった九段会館。初日から熱気溢れる議論があったのを昨日のことのように覚えています。
白川、鈴木両氏はいずれも、しばしば中医協論議の流れを変えるほど、強い発言力がありましたから、新しい委員に代わると、中医協のムードはかなり変わるかもしれません。白川氏は新薬創出加算の対象品目が、市場価格によって変動することを疑問視、「希少疾患や小児用を持っている新薬に限定すべきだ」と主張してきました。鈴木氏は、医薬分業の現状の問題点を追求し、医療保険財源を使った調剤薬局への各種の政策誘導を問題視しました。
両氏の退任は16年4月の診療報酬・薬価改定論議にどう影響するでしょうか?どうあれ議論に新風が吹くことを期待しています。
で、写真は旧古河庭園。バラの鑑賞会をやっていました。午後の日差しを浴びたバラ園の中を老若男女、沢山の人たちが、談笑しながらそぞろ歩き。平和で、のどかな時間が流れていました。秋が深まり、これから寒さが日増しに強まります。皆様、どうか身体に気を付けて、穏やかで素敵な一週間をお過ごしください!
Posted on 10月 19th, 2015 by IDAKA
みなさんお元気ですか?先週は休日だったので、2週間ぶりのブログ更新。その間、さらに秋が進行。いやあ〜、日の入りが早くなりました。
で、先々週、第38回日本高血圧学会総会を取材。とくに熱かったのは高齢者の降圧剤治療を巡る議論でした。75歳以上に降圧剤を使った治療はどこまで適切なのか?そもそも必要性があるのか?血圧をあんまり下げると、心身機能を弱めたり、アルツハイマー認知症を誘発する可能性があることを示唆する研究結果が徐々に出てきています。おそらく、高血圧治療は、今後、対象年齢ごとに細かく区分した基準が設定される方向に進むでしょう。その際、しっかりしたエビデンスの構築が必要になります。全体として、降圧剤の使用量は減るので、メーカーはあまり気乗りしないかもしれません。それでも、漫然と、降圧剤を使用するリスクが見えてきた今日、無視するわけにはいかないです。この分野の研究が活発化することを期待します。公的研究を指導する官の出番でしょう。
で、写真は学会総会があった愛媛のゆるキャラ「みきゃん」。ゆるキャラグランプリで、なんと総合1位を獲得しているそうです!!確かにシンプルでかわいいですね!ではみなさま。秋の陽だまりほど、寛ぎを感じる場所はないです。素敵な一週間をお過ごしください。
Posted on 10月 5th, 2015 by IDAKA
みなさん!お元気ですか?食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋etc。。。満喫していますか?
さて先週9月30日(水)の中央社会保険医療協議会では、医師が後発医薬品の銘柄を指定することについて議論を呼びました。医薬品卸は、使用促進で倉庫が後発品で一杯!!だから同じ後発品なら、できるだけ銘柄を絞り込みたい。しかし、特定の医療機関から意表をついて、自分の在庫にない銘柄の後発品処方が出ると、取引は少ないのに、それも取り寄せないといけないので、それが負担だと言います。一方、医師会は「同じ後発品でも、私たち医師が納得したメーカーの銘柄を指定する場合がある。それの何が悪い」と言っています。支払い側は「薬局がメーカーと結託して、特定銘柄を大量に購入。医療機関に『この銘柄で処方を出してくれませんか』とお願いしているケースがあると聞く。事実関係を調べるべき」と指摘しています。
三者三様の意見。どれが正解、間違いということはないでしょう。医療保険、患者にとって何が大切か。その観点に立って、今後の議論で、いかに折り合いをつけるかが大事です。注目していきます。
で、写真はちょっと前、新宿で撮影!秋は「お祭りの秋」でもありました!それでは、みなさん!穏やかで、素敵な秋を満喫ください!!
Posted on 9月 28th, 2015 by IDAKA
みなさん、お元気ですか?今週の木曜日で10月に入ります。ということは今年も、残すところあと3か月!!ひぇーっ!!!!時間は老若男女、万人に等しく公平に与えられているのに、年を重ねるごとに「ちょっ、ちょっ、待ってよお~!ウソだよね?そんなはずないよね?!ね?」って確認したいくらい、速く感じるのはなぜでしょうか?50歳の1年は、人生の50分の1ですが、5歳の1年は5分の1。なんで、5歳の頃「10日」と感じていた時間が、50歳になると「1日」に感じてしまうんだって(^_^;)。これを心理学的には「ジャネーの法則」というんだそうです。なんとなく説得力あると思いませんか?この法則によれば、実は速くも遅くもない。結局、「気のせい」ってことにしてもいいみたいです(笑)
まあ、それはともかく、16年4月の診療報酬、薬価制度改革もあと3か月で、片を付けないといけません。公開討論の大舞台、中央社会保険医療協議会(中医協)今秋から急速に議論が進展します。医薬品関連の制度政策論議は、「後発医薬品(ジェネリック=GE)の使用促進」が「台風の目」になって、全ての政策論議を巻き込んでいきます。
GEの業界団体、日本GE製薬協会が、今週、中医協で意見陳述します。医療保険からの支払われるGEの公定価格(保険薬価)は、今、低、中、高の3段階に設定されていますが、中医協内は「GEは製品として、効能効果が、みんな同じなんだし、医療機関には公定価格よりも安く売っているんだから、低、中、高の3段階なんて煩わしいことをやめて、公定価格は一本化してしまえ」って意見が多いです。これに対してGEの業界団体は「確かに医療機関には公定価格より安く売っている。けれど、企業によって価格はまちまち。製品も、飲みやすくするために剤型を工夫したり、飲み忘れにしないように包装を工夫したり、各社が、それぞれ努力してんだから、その努力は認めて欲しい。『みんな同じなんだから、公定価格も一本化』というのは乱暴だ」という立場です。でも、一度、議論の遡上に載ってしまうと「現状維持」は許されない。どうあれ、自らの身を切る新たな提案が求められているのです。関係者は、いま、おそらく背水の陣で、準備を進めておられることでしょう。己(オノレ)も、身を引き締めて真摯に取材に臨みます。
で、写真は新宿三丁目のブルックリンパーラー。行くと毎回、行列で、見送ってたんですが、先日、並んでようやく入れました!!!なかなかいい感じでした(^_^;)
急に肌寒くなって来ましたね。行きつけ飲み屋のマスターの粋な一言を紹介します。「秋の深まりは、夏より早いよ」。。。それでは、みなさま。穏やかで素敵な楽しい1週間をお過ごしください!!!
Posted on 9月 14th, 2015 by IDAKA
みなさん、お元気ですか?いやあ〜、先週の大雨。すごかったですねえ~。窓の外を見ていたら、嵐の海を漂う難破船に乗っているような気になりました。ホントに!!大きな被害に遭われた地域の、いち早い復興をお祈りいたします。
さて9月4日に厚労省がまとめた「医薬品産業強化総合戦略」。ようやく出してくれたかあ〜。と、己(オノレ)が感慨深く思うのはバイオ医薬品施策。「バイオ医薬品の培養から品質評価まで全プロセスを国産化し、高品質なバイオ医薬品の製造を目指す」(9頁)と明記されました。いまや世界市場での売上高上位10製品中7製品がバイオ医薬品。しかし、日本企業初(オリジン)の製品は一つもなあーい!しかも、上位バイオ医薬品の特許が、向こう数年、次々と切れるので、後続品(バイオシミラー)を出せば儲かるチャンスなのに、日本企業の反応は鈍い。というか中外製薬を除く、“純”日本企業で、国内で製造設備を持っているのは、協和発酵キリンくらいなのです。
お隣の韓国は、2010年に策定した政府戦略で「バイオシミラーで20年に世界でトップになる」という目標を掲げ、国を挙げて生産体制を強化しています。日本も何とか、遅れを取り戻してほしい。このままだと、日本は、バイオ医薬品「後進国」になってしまいます。政府も「やるかやらないかは企業の勝手」なんて言っている場合じゃないです。バイオ医薬品が国内で製造できないのはまずいです。政産官学の連携が不可欠です。
今度の「総合戦略」。今後、どのような形で、具現化するか。期待を持って見つめていきます。この辺りの己の見解は医薬経済15年9月1日号の記事をお読みください⇒コチラをどうぞ!!
先週11日金曜日。大雨も上がって晴天!!IT企業テクマトリックス社主催ファルマフォーラム「戦略的くすり相談CRMのあり方」での講演、パネルディカションも盛会裡に終了しました!!くすり相談室業務は、「縁の下の力持ち」。今後、ますます重要性が増していくでしょう!!
写真は浜辺にて!!若者たちが砂浜にピンを立てて競争で取るゲームをしていました!!無邪気!微笑ましく、清々しい!!(笑)ではみなさん!穏やかで、素敵な一週間をお過ごしください!!
Posted on 9月 7th, 2015 by IDAKA
MR認定センターのシンポジウム
みなさんお元気ですか?愚図ついた天気が続きます。洗濯には困りますが、原稿執筆、読書などには却って都合がいい。とかく物事は一面的ではありません。見方によって、良くもあり悪しきもある。いま起きている事象を深くしっかり見つめ、うまく自己調整を図りたいものです。
さて、このところ9月5日(土)、8月30日(日)と2週連続休日に、MRを対象にした催しがありました。中でも9月5日に開かれたMR認定センター主催のシンポジウム「地域医療とMRの役割」は、ものすごく内容が濃かったです。国内6万5000人のMRにターゲットを絞ったビジネスは沢山あります。しかし、MRビジネスの主催者が企画した催しは、本質からずれていたり、変に奇をてらっていたり、ほっぺたを撫でさすっているだけだったり、釈迦に説法に過ぎない薄っぺらな思い付きを独りよがりに押し付けたりで、目も当られないケースが多いのが実情です。しかし、今回、MR認定センターが開いたシンポは違いました。地域医療の担い手である医師、薬剤師が歯に衣着せぬ物言いで、MRへの希望、課題を提起しました。詳しくはRISFAX15年9月7日号に報ぜられているので、ご覧ください。
で、焦点になったのはMRの将来。ひとつのヒントは地域包括ケアで、酒寄医院(東京都品川区)の酒寄亨院長が医師、薬剤師だけでなく、歯科医師、看護師、介護ヘルパー、理学療法士、作業療法士などを訪問し、いかに連携を取っていくかが大事だと述べました。そうなると、課題が鮮明になります。MRは、果たして、多種多様な職種の方々と、今後、どこでどうやって絡み、つながっていくか。業界の自主規制、公正競争規約(公競規)で許されるのはどこまでなのか。そもそも、規約があるのか。早急に検討し、整備し、規約があるなら内外問わず公表すべきでしょう。製薬業界ならびにMRのみなさん!!顧客からの要請を受けて、なんでもかんでも「公競規があるからできないんですよ」と言って逃げるのは、もうやめにしましょう!!さもないと、病院だけでなく、地域医療からも締め出をくらいますよ。この辺りの己の主張は医薬経済15年4月1日号「規制で雁字搦めの製薬業界」をお読みください。
Posted on 8月 31st, 2015 by IDAKA
みなさんお元気ですか?急に肌寒くなってきましたが、風邪などひいていませんか?
さて先週26日、中央社会保険医療協議会の製薬業界ヒヤリング。日米欧の代表が、新薬創出加算の継続、基礎的医薬品の薬価維持、消費増税改定の最小限化など基本見解を示しました。いよいよ議論のゴングが鳴ったわけです。詳細は、業界各紙で報道されている通りですが、なかでも米研究製薬工業協会(PhRMA)在日執行委員会のトニー・アルバレス委員長(MSD社長)が日本語でプレゼンしたのは、驚きでした。自社やPhRMAの会見は、毎回英語でしたから、アルバレス氏がこんなに流暢に日本語を話すとは思ってもいませんでした。細かい制度用語もしっかり使いこなし、自らの主張をわかりやすく伝えました。非常に、感激しました!次回は、欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)のカーステン・ブルン会長(バイエル薬品社長)も、お願いしまーす!!!
で、写真はアルバレス氏(右)、ブルン氏(左)。
Posted on 8月 24th, 2015 by IDAKA
みなさん!お元気ですか?8月も終盤、小学生はフウフウ言いながら夏休みの宿題で追い込みをかけてる頃ではないでしょうか?この夏は、ずっとノージャケット、ノータイで来てしまったから、そろそろスーツを着ようかなあ〜と思っている今日この頃です。
今週は、厚労省の中央社会保険医療協議会で製薬業界の意見陳述があります。16年度の薬価制度改革をどうするか?製薬業界が意見を述べるのです。その後、年末まで、議論がどんどんヒートアップしていきます。で、大体、薬価論議は毎回、傍聴席が一杯!!!相当、早起きして並ばないと、席が取れない。病院、薬局、製薬企業、メディアの関係者が会場の前にずらっと並びます。軽く2、300メートルくらいになるんじゃないでしょうか?一般の人が見たら「なんじゃこりゃ」って、びっくりするでしょうね。きっと。というか、もういい加減、IT化が進んでいるんだから、ネット中継ぐらいしてくれてもよさそうなもんですが。。そうはならない。数年前に、少し議論になりましたが、「委員の発言の柔軟性に影響する」という理由で、ダメになりました。まあ、それもわかるような気もします。やっぱライブで聞かなきゃね。
愚痴はこれくらいにして、薬価制度。10年に導入した新薬創出加算、14年に導入した長期品引下げのルール化で、大きな枝振りは、もうほぼ完成といっていいくらいにできあがっています。年末までの議論は、その運用を巡り、より一層、高度なやり取りが続くでしょう。
季節は夏から秋、冬とどんどん寒くなりますが、中医協論議は逆にどんどん熱くなります。しっかり見届けていく所存です。みなさま、どうぞ、よろしくお願いします。
で、写真は麻布十番で撮影。週末、お祭りでした。屋台がズラッと並び、沢山の人たちが「食べ歩き」を楽しんでいました。とまれ、先週、かなり酒席が続いた己(オノレ)は、当日、「休肝日」を誓っていましたので、ミネラルウォーターで我慢!!!初志貫徹しましたあ!!(笑)それでは、みなさん、素敵な一週間をお過ごしください!
Posted on 8月 17th, 2015 by IDAKA
みなさんお元気ですか?ザーッという雨音で目覚めた月曜の朝。静かな雨がカラカラに乾いた地上を癒すように降り注ぎます。
さて今回は技術革新のお話。とうとう、そこまで、やっちまったかあ〜!!と、つくづく思うのが最近、話題になっている「遺伝子編集」という技術。すでに実験動物で実証済みで疾患研究、医薬品の研究開発に使われているそうです。簡単に言えば、特定の遺伝子を切断して、生命の特定の機能、部位を増強したり、無くしたりすることができる。理論的には、脳や、筋肉を、通常のヒトの倍にした「カスタマイズド・ベイビー」を生み出すことも可能です。まさに、人類の科学技術は「神の領域」に介入してしまったのです。
原子力にせよ、iphoneにせよ、私たち人類は、一度発見した技術を封印したり、捨て去ったりすることはできません。そういう性なのです。技術は前に進むばかりで、後戻りはない。「遺伝子編集」。私たち、人類は、この技術を、どこまで許容し、応用すべきでしょうか。iPS細胞でノーベル賞を取った山中伸弥教授は「倫理的な議論が、科学技術の進展に追いついていない」と、危機感を示していたことを思い出します。研究者や政治家など、一部の専門家だけにまかせていればいいという問題ではありません。私たち一人一人が、真剣に考え、議論する時代なのです。
で、写真は池袋西武。ちょっと前にブログで、書店リブロが撤退すると、愚痴をこぼしましたが、な、な、なんと三省堂が引き継いでいました!!ひゃほーい!うれしい!!では、皆様!素敵な一週間をお過ごしください。