アベノミクスの「逆噴射」、主要閣僚の収賄疑惑で、「消費税再増税の延期」も!!!

IMG_0151[1]みなさんお元気ですか?16年度の薬価制度改革の全容が固まりました。業界の要望はほぼ通っていますが、巨額品の薬価引き下げ、同一作用機序で4番手以降の新薬に対する評価軽減など、引き締めも強まっています。なんとか最悪の事態は免れた。そんな感じでしょうか?

  で、今年の課題は、やはり消費税改定でしょう。17年4月に消費税を8%から10%に上げる際に、薬価にどう上乗せするか?現行ルール通りなら、実勢価格を調査(薬価調査)して、そのうえに増税分2%を載せることになります。しかし、ここで薬価調査を実施してしまうと、「あ、できるじゃないですか。できるなら2年に一度と言わず、毎年調査して、毎年薬価改定しましょう!」と財務省が突っ込んでくる可能性があるので、業界は警戒しています。「薬価調査をやらないで、現行の薬価に2%分乗っけて欲しい」というのが本音のようです。が、どうなることやら。。

今年7月の参院選を前に安倍政権に綻びも見られます。「異次元緩和」と言われる金融緩和策で、一時的に上がった株価がいま、揺り戻しで大きく暴落しています。TPP交渉でタフネゴシエーターぶりを発揮し、安倍政権の中枢を担ってきた甘利明TPP担当大臣に収賄疑惑が浮上しています。世論の矛先を避けるために、「17年度の消費税増税は再延期します!」なんて流れにならないとも限りません。それじゃあ社会保障としては困るんですが、目先の診療報酬、薬価という側面だけでいうと、難問に向き合わずに済んで平和なんですがね。

  で、写真は虎の門のスタバ。取材前のコーヒータイム。正月気分もすっかり抜けて本格稼働です!!

それでは、みなさん!素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

製薬協が「産業ビジョン」でバイオ医薬品製造の人材強化と、薬価の新組織設置に意欲!!

IMG_0132 みなさん。お元気ですか?朝起きたら、一面、真っ白な銀世界!!!すんごいです。

 さて日本製薬工業協会が15日に公表した「産業ビジョン 2025」。記者会見もあり、どんなものが出てくるか、楽しみにしていたのですが、正直、現状報告の域を出ておらず、踏み込みが浅い。現状報告でも、関係者が共通認識を図る際に役立つので、まとめた意義はありますが、「ビジョン」というには、かなり弱い。各項目、各課題ごとに、将来を見据えて何をするのか。もっと具体的な記述が欲しかったです。

強いて、注目ポイントを挙げるとするなら、海外勢に大きく水をあけられているバイオ医薬品の製造技術について「人材育成プログラムのさらなる推進と拡充に向け、政府との連携強化と支援を行う」とした点。それから社会保障、薬剤給付、薬価問題で研究・政策提言機能を強化するため、「製薬協内に新たな組織を設置することも視野に入れ」るとしている点でしょうか。バイオ医薬品を日本で製造できる製薬企業は中外製薬と協和発酵キリンくらいなので、期待したいです。また、薬価問題は、製薬協に加盟する研究開発型企業と、ジェネリック企業で、意見が異なることも多いので、そろそろ、製薬協独自の政策提言組織ができていいはずです。実現を期待しています。

写真は先日、久々に訪れた青山の小さなブックストア。心地よいひと時を過ごしました(*^_^*)。月曜の大雪で、この一週間は道路が凍って滑りやすくなるでしょう。皆様、お気をつけて。身心を暖め、素敵な日々をお過ごしください。

 

2016年スタート、製薬業界に何が起こるか

 みなさん!新年あけましておめでとうございます! 2016年スタートしました!診療報酬、薬価制度改革論議は仕上げに突入。4月から医薬品の費用対効果を測る試行が始まります。製薬企業各社の新たな合弁事業や、海外進出も活発化することでしょう!しっかり見据えて発信していきます。

本年も、何卒、よろしくお願いいたします。

写真は、自室から拝んだ初日の出!それではみなさん。 新年第1週!穏やかにお過ごしください。

 

武田薬品と、テバの合弁設立の「狙い」は鮮明、退路を断ち、新薬に特化

 16年4月以降に設立される武田薬品とテバファーマの合弁会社について追加情報が発表されました。扱うのは武田の長期収載品「ブロプレス」「タケプロン」「ベイスン」などだそうです。で、この合弁会社設立。「武田の狙いがいまいち、よくわからん」と訝しがる声もありますが、そうでしょうか?私はむしろ、鮮明ではないか、と思うのですが。。。

武田は長期品を手放し、新薬開発にまい進する。いわば退路を断ったわけです。そして自社の長期品の命運を、国内専業の後発品メーカーではなく、海外に販路を持つテバに託した。株式41%分の、見返りは得られる。後発品事業は、一部、あすか製薬と提携していますが、少なくとも、今後、あすかとの提携を広げることはないでしょう。というわけで、国内でも、テバの長期品、後発品事業のプレゼンスが今後、高まっていく可能性があります。武田の新薬開発も、エッジが鋭くなっていくかもしれません。先に、エーザイが循環器系の長期収載品を、味の素との統合会社に委ねました。時代の変化に合わせて、国内企業も少しずつ新しい動きを見せ始めています。16年は、きっと何かありそうです。

写真は中医協。16年度制度改革もようやく一息。ということで2015年の薬新カフェの更新は、今回で終了です。1年間ありがとうございました!よいお年をお迎えください!

 

ギリアドは「費用対効果分析」に参戦し、「ソバルディ、ハーボニーの適切な薬価はこうだ!!」と実証せよ!!

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みなさん、お元気ですか?

16年度の薬価制度改革で、売上高が1000億円を超える巨額な医薬品は、保険から給付する薬価(保険薬価)を下げることが決まりました。ギリアド・サイエンシズ社のC型肝炎治療薬ソバルディと、ハーボニー配合錠などが対象になる見通しです。

ギリアドおよび製薬業界は「医療現場で評価され、使われているのはよい薬だからだ。にもかかわらず売り上げが増えただけで保険薬価を下げるなんてあんまりだ」と問題視、一方、中央社会保険医療協議会の先生方は「医療保険財政には限りがある。薬価が高いものが、どんどん売り上げを増やすと、国民皆保険制度がもたない」と主張しています。

IMG_1843いずれも一理ありますね。ただ、結局のところ、どの程度の薬価が適切なのか?いまのところ万人が納得する説得力のあるデータは示されていない。16年4月以降、医薬品や技術の費用対効果を測る作業のテストが始まります。ギリアドには是非、テストに参加して「当社製品の正しい保険薬価はこうだ!」と示してほしいものです。

 

 

 で、写真は銀座、山野楽器とブルガリのイルミネーション!!今週はクリスマス、そして来週は大みそか、でもって、いよいよ16年1月1日を迎えます。年末は何かと忙しい。「心を亡くす」と書いて「忙」。そうならないよう心がけたいですね。それではみなさま。素敵な一週間をお過ごしください。

 

消費税軽減税率の導入、年金積立金の損出で、軋む日本の社会保障制度。

IMG_1867 消費税の軽減税率が飲食料品全般に適用される方向になりました。今日、明日の生活だけ考えると、いいように見えますが、これって正しいでしょうか?消費税は「もっとも公平性がある」と言われますが、飲食料品を軽減したら、つましい生活をしている低所得者より、いいものを購入消費する高額所得者の方が、軽減の恩恵は大きくなると言われます。また、税率の軽減で、当初当てにしていた1兆円の財源が吹っ飛ぶので、消費税の投入先である社会保障費へのしわ寄せも大きい。11月末には、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、我々国民の年金積立金の株式投資に失敗して7兆8000億円もの損出を出しているし。そもそも年金積立金を、株で増やそうとすること自体、邪道なんです。◎関連記事⇒コチラ

財源はないわ。年金はますます縮小するわ。高齢者介護の需要が益々、増大するわ。勢い医療費ばかり目の敵にされてしまうような気がします。大丈夫でしょうか?しっかりウォッチしていきたいと思います。

 で写真は先週12月11日の不思議な空。水彩絵の具で塗ったような。。。あるいは大きな綿で作ったような。この日、東海地方は朝から気温が上がり、三重県では25度を超える夏日になったそうです。ということで、15年も大詰めです!みなさん、素敵な一週間をお過ごしください!

 

記者クラブ優遇の「傍聴差別」はやめろ!薬価改革論議が大詰め!

IMG_1848  はい!みなさん。お元気ですか?16年度の薬価制度改革論議も、いよいよ終盤を迎えます

で、これまでのところ新薬創出加算の維持・継続と、基礎的医薬品の価格維持が決定、長期収載品の価格引き下げも対象品が60%以下から70%以下に広がるも、引き下げ率は据え置かれる方向になっています。ということは?そうです!製薬業界の言い分は概ね通っているのです。近年まれに見る改革です。と言って年末までの議論はまだ残っています。油断は禁物!過去の流れから推測すると、中央社会医療協議会薬価専門部会では今週9日(水)の業界意見陳述を経て、16日(水)に、制度改革の「たたき台」が示され、25日(金)の制度改革の「骨子案」でほぼ全体像が固まる見通しです。ということは今年の議論は残すところ後3回。気合い入れてウオッチしていきます!!

 厚労省!!厚労省!!

「お記者様」の優待席を直ちに撤去せよ!

 写真は全国都市会館で。2日(水)中医協論議が始まる前。右上は、入り口付近で談笑する傍聴者たち。この日は傍聴者席が70席弱しかなく、おそらく200人くらいが涙を呑んで、すごすごと帰っていきました。しかも9時開始で、6時に並んで待っていても、競争率が激しくて席が取れません。

ところが2番目、3番目の写真を見てください。2番目は、一般紙やテレビなど巨大メディアで構成する厚労記者会の「お記者様」らのお席、3番目は、健保連や国保中央会など厚労省とのつながりが深い団体や、専門誌が所属する日比谷クラブの「お記者様」らのお席で、初めから、しっかりご用意されています。

で、この、お記者様たち。一般傍聴者が何時間も並んで、やっとの思いで席を確保しているのをしり目に、開始時間ギリギリになってお殿様のように現れ、適当に聞いて帰る。あるいは、しっかり睡眠をとって前日の疲れを癒していきます。というか、もっとひどいのは「お記者様」の席は、めったに埋まりません。毎回3分の1以上が空席のままです。これってどーですか?厚労省のみなさん!!記者クラブの特別扱いはもうやめてください。そんな時代じゃないでしょ?

 

 

医療費の自然増を1700億円も圧縮していいのか?医療従事者の「人心荒廃」は医療保険制度の崩壊につながる!!!

みなさん!お元気ですか?街は早くもクリスマス一色ですが、いかがお過ごしですか?

 さて16年度、医療費・薬価改定論議も大詰めを迎えます。厚労省が推計した医療費の自然増(高齢化や技術の高度化などによる増加)は6700億円ですが、政府は財務省の意向を受け、自然増を5000億円(高齢化分のみ)に圧縮しようとしております。以前の日本医師会なら、猛然と抗議し、医療費アップを要求したでしょうが、最近はちょっと声が小さいように思います。確かに声は上げているんですが、10年、20年前のような勢い、迫力がない。ここ10数年、「日医は欲張り村の村長集団だ!」と、あまりに、叩かれ過ぎたので、弱ってしまったのかもしれません。また、世の中も、大きく変化し、国民も洗練され、声の大きさや、強引さだけでは、何も通らなくなりました。

それはそれで結構なことなんですが、やはり気になるのは医療費。本当に、自然増を圧縮していいのでしょうか?私は、諸外国との比較で、日本の国民皆保険制度ほど素晴らしい「文化遺産」はないと考えております。あんまりギュウギュウに医療費を絞ると、現場の医療従事者の生活を圧迫し、制度そのものが荒廃してしまいます。せめて自然増は、許容すべきではないでしょうか?

 で写真は先日、都内で行われた1型糖尿病の3人で構成されるバンド「1-GATA」のクリスマスライブ(ノボ ノルディスクファーマ主催)。糖尿病というと「生活習慣病」と思い勝ちですが、それは「2型」に限ってのこと。「1型」は自己免疫反応が引き金になって発症するもので「生活習慣病」ではないんですね。日本では「2型」が多く、「1型」の正しい理解が進まないようです。「1-GATA」のみなさん。素晴らしい演奏でした!!今後も、ご活躍を!!それでは皆様。穏やかで素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

ここにきて製薬業界が急激に「巻き返し」、なぜか16年度薬価制度改革論議の「木枯らし」が和らいで見える

みなさん、お元気ですか?朝起きたら、久々にスカッとした晴天!いかがお過ごしですか?

さて、引き続き16年度薬価制度改革論議。ここにきて製薬業界が、かなり巻き返しているように感じます。最大の焦点である特許が切れた長期収載品の特例追加引下げ。さらなる切込みが懸念されましたが、いまのところ突っ込んだ意見は出ていません。それどころか、中医協の参考人から「長期品の特例追加引き下げで、果たして後発品の使用促進につながるのか。議論が必要」(坂巻弘之東京理科大教授)と、根本的な問題提起さえ上がってきました。新薬創出加算も、業界がスローガンを「本格導入」から「維持継続」に和らげてから、とくに強い否定的な意見はないように思います。先日、12日に開かれた医薬品卸売業連合会のセミナーで、沢井製薬の澤井光郎社長が「後発品の薬価は多くがはじめから先発品の40%だ。これ以上、引下げたら販売中止、設備投資中止で、政府目標も困難」と強く訴えました。厚労省の大西友弘経済課長は17年4月の消費税増税時の薬価改定を「できれば薬価調査無しで実施したい」という趣旨の発言をしました。これは、そっくりそのまま製薬業界の主張でもあります。

安倍政権が来年夏の参院選を睨んで、新3本の矢を打ち出し、社会保障重視に舵を切りました。また、10月末で、中医協委員も大幅に変わりました。経済課長も変わった。こういう節目は、何かしら急に議論の流れが変わることがあります。もちろん結論は年末までわかりませんが、今、製薬業界への「木枯らし」はいささか和らいでいるように感じます。

写真は中医協11月11日の風景。厚労省2階の講堂は広くていいです!できれば毎回講堂にしてもらいたいものです。ではみなさま。穏やかでかつ充実した、素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

長期収載医薬品と、巨大市場を形成した医薬品の価格引き下げはどこまで進むのか?

IMG_1473   みなさん、お元気ですかあ〜?

さて16年度薬価制度改革の論議。今回の焦点は、何と言っても長期収載品(特許が切れた医薬品)と、大規模市場を形成した医薬品の価格引き下げでしょう。長期収載品は、後発品に置き換えが進まない場合、置き換え率に応じて他の医薬品よりも1.5~2.0%多く引き下げられることになっていますが、条件をさらに厳しくし、引き下げの「網掛け」を広げる案が出ています。製薬業界は「導入してからまだ日が浅い。その影響もはっきりしていないのに、条件を厳しくするのは反対」との立場です。大規模市場を形成した医薬品は「当初予測の2倍」を超えた時に、他の医薬品以上に引き下げるルールがありますが、「当初予測の2倍を超えなくても売り上げが巨額なら、下げればいいじゃないか」という意見が出ています。当然、業界は反対。年末まで議論の行方をしっかり見つめていきます。

 写真は中医協の傍聴を求めて並ぶ人たちの列。年末まで、競争率は、まだまだ上がりそうです(^_^;)では、みなさま。昼夜の気温差が大きい今日この頃。ご自身の健康管理に気を付けて。素敵な一週間をお過ごしください。

 
 
 
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