フェイクニュースで問われる「発信側の責任」

   みなさん、お元気ですか?時折、ホワッとした風が吹いて、春の気配を感じさせる今日この頃です。

アメリカのトランプ大統領が、移民に対する根も葉もない誹謗中傷をツイッターで流したり、自分に批判的なメディアを「フェイクニュース!!」と断じて、問題になっています。先日、NHKの「クローズアップ現代」が、この問題を取り上げて特集を組んでいました。単なるトランプ批判にとどまらず、SNSや既存ニュースメディアの問題点にも踏み込んでおり、なかなか見ごたえがありました。

トランプ大統領の「フェイクニュース!!」発言を機に、現状を検証すると、ツイッターやファイスブックなどSNSでは、パロディで流していた「フェイクニュース」が虚実の判別ができないくらい手が込んだ形になって、社会に混乱をきたす例があることを明るみに出しました。多くは愉快犯で、人々が反応することがうれしくてやってるみたいです。(そういう陰湿で、いやらしい趣味の人もいるんですね)番組では「伝える側の責任」を追及し、ジャーナリストの池上彰さんが最後に「面白ければそれでいいのか?実は既存メディアにも問題がある。大事なニュースはなんなのか?私たちも、自戒しなければいけない」と、問題提起していました。

ジャーナリストも経済社会で生きていく限り、自分の記事が多くの人の目を引いて収益を高めたいという要求から逃れることはできません。しかし、あまりに目を引くことばかりにとらわれると、ジャーナリスト本来の使命からどんどん遠のいてしまいます。「自戒」して現場に臨みます。

それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

薬価差はどうするの?触れずに通り過ぎたら「抜本改革」と言えない。

 みなさん、お元気ですか?今週は朗らかな天気でスタートしました。

さて18年4月の薬価制度改革。いつもなら前年の6月辺りから議論するのですが、今回はもう始まっています。「抜本改革」ということで、立ち上がりが早い。先週開かれた日本製薬工業協会主催のシンポジウムでも薬価制度に関する議論が中心になりました。どこまで深く切り込むでしょうか?

 注目されるのは「薬価差」です。いまの制度は保険から支払う「保険薬価」が公的に定められ、医療機関、薬局には、それより安く売るので、当然、保険薬価と実納入価との間に「薬価差」が生じます。これを「良し」とするか、「いやゼロにすべきだ」とするか。最大の焦点です。しかしながら、いまのところ、ほとんど議論の遡上に上がりません。医師会も、保険者も、製薬業界も正面切って議論するのを避けているようにも見えます。

 日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会の加茂谷佳明委員長は、先週のシンポジウムで薬価差が生じる現行制度を「敢えて予算を取らなくても薬価改定すれば診療報酬、調剤報酬に回す財源が出て来る。財政当局は素晴らしいスキームを作った」と称賛しておりました。結局、薬価差が生じる現行制度の根幹に、メスは入らないのでしょうか?「抜本改革」というなら、まず真っ先に薬価差を是とするか、非とするかを議論すべきだと思うのですが、現時点ではその気配が見えません。みなさんはどう考えますか?

 で、写真は先週末。とあるバーで。ハワード・マギーのライブアルバム!!この日、別々の駅で、カフェとバーに入ったんですが、なんといずれの店でもマギーの曲がかかっていたんです。珍しいことです。それではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください!!

 

「安く売っているのに保険薬価が上がる」ジェネリック医薬品ってどうよ?

 みなさん、お元気ですか?医薬品関連団体の新年懇親会も先週開かれた日本ジェネリック(GE)製薬協会、日本薬業政治連盟主催の会で終了。早くも2月に突入しましたよお~。実に早い!!!そう感じるのは私だけでしょうか?世の中のスピードが速い?それともただ、私が年齢を重ねているだけ?どうあれ一日一日を大切に、一歩一歩しっかり踏みしめて行きたいものです。

 で、参加者同士の交流が最も盛り上がってみえたのは、GE薬協。薬価制度の抜本改革で一番、風当たりが強いと予想されています。いまのところ、各社の業績はそんなに悪くない。中にはバンバン安売りして、納入量を増やしているところもあるようです。供給切れや、品質問題が起こらないように注意してもらいたいです。

いまGEの保険薬価(保険から支払う価格)は3価格帯になっています。同じ成分のGEが、複数の会社から出ていますが、最後は個別製品の納入価格の加重平均値を出して、それを基準にA、B、Cの3ランクに分けているのです。沢井製薬の澤井光男社長は新年懇親会の締めのあいさつで、この3価格帯の見直しを訴えました。極端な話、ある程度の価格を維持して、品質と安定供給をしっかり続けようが、思いっきり安く売って品質や安定供給をそこそこにしようが、最後は加重平均値で3ランクに分けけられてしまいます。加重平均値だから保険薬価は下がるものもあるし、上がるものがある。価格を維持しようとしている企業の製品は、思いっきり安売りしている企業の製品に引っ張られて、下がる。逆に思いっきり安売りしている企業の製品は、高く売っている製品に引き上げられて、上がる。ってことです。

市場には「こんなに安く売って安定供給や品質を維持していけるの?」って疑問が生じるケースもあるようです。でも、いまの3価格帯ルールなら、大丈夫なんです。澤井社長によると「16年4月は39品目80製品のGE薬価が上がった。経口剤では40%。外用剤では50%も上がったものがある。このひずみを直さないといけない」と強調しました。品質管理をそこそこに思いっきり安売りして、売り切ったら、もうおしまい、製造中止ー。。なんてことがあるなら、患者、国民にとって、由々しきことです。

厚労省の二川一男事務次官は、壇上に立って、芸人さんのような、いつもの身振り手振りで、こう言いました。「品質が良いGEを、安定的に、安く供給する。そんな企業は全面的に応援する。が、一つでも欠けていれば必ずしもそうではない」。

ジェネリック各社の姿勢が問われています。

で、写真は近所で撮影。きれいに咲いていた一輪。ちとお疲れ気味?(笑)それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

どうなる?各社第三四半期決算!

     みなさん、お元気ですか?各社の第三四半期決算の発表が始まります!気を引き締めてまいります。

写真は週末に訪れた葉山。ヨットハーバーで、気持ち良い海風を浴びました。左の方にうっすらと、富士山!見えますか?

晴れて良し 曇りても良し 富士の山

今回はこれで失礼。素敵な一週間をお過ごしください!!

 

「帽子」族と「マスク」族の異常発生

 みなさんお元気ですか?寒い日が続きます。

コートとマフラー、帽子にマスク。そんな完全防備の方もいますね。

 しっかし、帽子とマスク。これは最近、夏だろうが、冬だろうが、屋内だろうが、屋外だろうが、お構いなしに、ずーっとつけている方がいらっしゃいます。一体、どうなっちゃったんでしょうか?けがとか、御病気とか、中には理由がある方もいらっしゃるかもしれませんが、まあ多くはとくに大きな理由はないようです。しいて言えば趣味。

よく通うコンビニには、マスクの下の素顔を見たことがない店員が2人もいます。客商売なのにね。不気味でさえある。あと、そこそここじゃれた飲食店で、帽子かぶったまま飲んだり食べたりしている若者が結構いる。違和感を感じます。頭かゆくないんですかね。「接客の時はマスク取りなよ」とか、「暖かい部屋でご飯食べるときは帽子を取りなよ。ここは北極じゃないよ」って言いたくなるんですが、もはや、あまりに沢山いすぎて、言う気力無し。言ったところで、逆に「はあ?」なんて、宇宙人でも見るような顔で、見つめ返してくるんでしょうね、きっと。。長い年月を積み重ねてご先祖様が築いた日本の礼節は、もはや死に体ですわ。。。。という愚痴で、今回は締めます。(*^_^*)

 写真は、私の帽子コレクション。数年前のマイブームもすっかり沈静化してしまいましたが、この冬はまた、これをかぶって出かけようっと!!ただし、人との挨拶や、室内では脱帽。。。。というわけで、みなさま。素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 

 

研究者は、大きな会社から離れた方がいい結果を生む可能性がある

 みなさん、お元気ですか?

イノベーションの弱体化は、基礎研究の衰退が原因、と、よく言われます。世の中の景気が上向いていて、企業業績もぐんぐん伸びているうちは、自由闊達な基礎研究に、潤沢な資金を投じることができたが、今はそうではないと。。確かにその通りで、各社、中央研究所を閉鎖したり、縮小したりしています。

 メディアは、これを「人減らしだ」「リストラだ」と批判的に報じますが、果たしてそうでしょうか?とある本は、違う側面を強調しています。基礎研究が衰退した原因は、研究者たちが終身雇用の大企業の中で、大きな変動もない給与体系に慣れて安心しきってしまったから。。。というのです。研究者が、安全、安心な会社から出て、スリリングな基礎研究にチャレンジできる環境を別に作った方がいいと。実際、自社を離れる研究者のベンチャー創出を支援し、離れた後も、一定の関係を保ち続けている企業が、いくつも出ています。結果は、まだわかりませんが、双方にとって、その方がいい結果を生む可能性もあります。企業本体から、離したという一局面だけを見て、単純に、人減らしだ、リストラだと騒いでいるメディアの方こそ、そろそろステレオタイプの硬直した頭をほぐして、イノベーションに取り組むべき時代が来ています。

写真は近所で撮影。息遣いが聞こえるようなバラです!!では、みなさま素敵な一週間をお過ごしください。

 

エーザイ・内藤社長の名演説、武田薬品のアリアド買収で2017年スタート!!!

  みなさん、お元気ですか?2017年がスタートしました!!!これまでの思考の延長線では捉えきれない出来事が世界各国で生じています。これをチャンスと捉えて、前進します。

先週6日は毎年恒例の薬業4団体新年賀詞交歓会が開かれました。エーザイの内藤晴夫社長(東京医薬品工業協会会長)のあいさつ。名演説でした。「製薬企業は株式会社だ。常に株主に対して将来性、成長性を誠意をもって説明する義務がある。その際、薬価制度の予見性、安定性が重要である。突発的な制度変更は避け、中長期に渡る予見性、安定性を持った制度構築を願う。それも産業政策のひとつのはずだ」。塩崎恭久厚労大臣を前にこう話しました。

毎年改定とか。。。議論はすべきですが、いきなり導入となれば、国内の医薬品市場は大混乱です。昨年末の官邸主導の動きは、少々、やり過ぎの感があります。

会場で、複数社の社長とお話しする機会を得ました。ホントに勉強になります。つくづく「製薬業界は基本的に生真面目だ」と感じます。「株式会社はいつも4つのステークホルダーに対して誠実であらねばならない。それはすなわち“従業員”“株主““社会”“顧客”。イロハのイだよ君!!」と某社長。ーそんなことも知らないで、ジャーナリストをやっているの?--という感じで、教えていただきました。しっかりしなければ、と身が引き締まる思いです。

で、3連休最後の9日夜。武田薬品が、オンコロジーに強い米アリアド買収するというニュースが飛び込んできました。このご時世に珍しく業界各紙にバンバン、オンコロジーMRの募集広告を出していたので、何かあるなあとは思っていたのですが、こういうことだったんですね。昨秋、胃腸薬に強い米バリアント社の買収がまことしやかに取り上げられましたが、本命はこっちだったのかもしれません。

いずれにせよ17年は幸先のいいスタートです。私も一層、取材執筆に励み、誠実かつ質の高い情報を届ける所存です。今年もよろしくお願いいたします!!!

写真は中医協。傍聴席最後列からのショット。今年は煮え立つような制度改革論議が予測されます。それではみなさま、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

地に足のついた臨場感あふれる取材、執筆を続けていきます!!

img_2676    みなさんお元気ですか?2016年も暮れようとしておりますが、私は相変わらずです。

今、自然科学系、社会科学系の新書2冊、某国次期大統領の自伝、戦時中の日本作家の小説、さらに次に雑誌、医薬経済に執筆するための各種資料を同時並行的に、読んでおります。振り返れば高校時代から、こんな読み方です。「一冊ずつ読めよ!!」って、よく言われるんですけど、いくつもの事柄が同時に気になってしまうのだから仕方がないんです。読書って、著者の思考、すなわち頭で考えたことを、自分の脳みそでなぞって再現する行為だと思っています。アインシュタイン氏や、山中伸弥先生が考えている高度な理論や発想を、書物ならば、自分の頭で再現することができるんです!!すごくないですか?何度も繰り返していけば、大天才たちが辿った思考の道筋が、私の脳みそにも、うっすらとしかれるんじゃないか。。。(笑)そんなエビデンスがはっきりしない勝手な思いを抱きながら、16年も書物に埋もれて暮れていきます。

その時代、時代の流行語が泡のように浮かんでは消えていきます。遅れてはならじと、メディアはそれを好んで使いますが、とくに医薬専門誌では、意味を間違えていたり、全くわかっていないのに、ただ、流行語を羅列して読者の気を引こうとしているだけだったり。そんな浮ついた残念なケースもままあります。

私自身も、浮ついた流行語に惑わされることないよう注意しなければいけません。そして、よく読み、よく足を運び、よく聞き、よく考え、よく書いていきます。感謝と、感動を失うことなく、臨場感を持って。。。。

このブログの帯に、医薬、医療ジャーナリストとしての私の基本方針(以下、再掲)を掲げています。来年もこの姿勢を忘れずに取材、執筆に励みますので、皆様、何卒、ご指導、ご支援の程、何卒、よろしくお願いいたします。

【基本方針】医薬品が切り拓く新しい世界 医薬品業界が踏み出す新たな一歩 真摯に取材し、自信を持ってお伝えします。

写真は都内某書店にて。ど迫力!!!!(笑)確かに、従来の思考の枠組みでは乗り切れない時代になったってことですね。それではみなさん、よいお年をお迎えください!!!

 

薬価論議の焦点は「適宜、頻回改定」です!!!

   みなさん、お元気ですか?

 さて、このところ続けて何度も取り上げてきましたが、薬価制度改革の基本方針。今週中には4大臣から何か発表がありそうです。

今回は、一般紙を含め、かなり沢山の報道がありました。ほとんどが、全面的な「毎年改定」か、部分的な「毎年改定」か、という切り口です。こっちか、あっちか。メディアがよく使う二元論です。こうすると見出しが立てやすいし、読者の目を引きやすい。でも、本当は、そんな単純な話ではないんじゃないか、と私は思っています。

薬価の「毎年改定」は、現在2年に1回の改定を、毎年実施するということで、経済財政諮問会議の民間議員が数年前から主張していたものです。それに対して塩崎恭久厚労大臣が11月25日に経済財政諮問会議に示した案は、市場が急激に拡大した医薬品や、納入価が急激に下がっている医薬品が、もしあれば、2年に1回の薬価改定を待たずに薬価を見直します、と言っているのです。だから、対象製品がなければ薬価改定しないこともありうる。また、必ずしも毎年とは言っていないので、対象製品があれば1年にどころか、年に複数回改定するかもしれない。「毎年改定」というより、対象品があれば、その都度、やるっていうニュアンスです。

だから、おそらくこれからも薬価改定の基本原則は2年に1回で動かないでしょう。そのうえで、さらに新たなルールを設けて、そのルールに見合った製品に限って「適宜、頻回改定」するかどうか。これからの議論は、そこが焦点になる。「適宜、頻回改定」は、ある意味、「毎年改定」より厳しいです。言葉遊びのように聞こえるかもしれませんが、議論のステージは「毎年改定」から、「適宜、頻回改定」に移っている。というのが私の見方です。

 写真は都内のレストランにて。スウェーデン料理。初めて食しました!!おいしかったです。それでは皆様。素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 

薬価改革の基本方針。最後は、菅官房長官、石原経済再生担当相、麻生財務相、塩崎厚生労働相の4大臣で。

   みなさん。お元気ですか?師走。どこの街を歩いても、なんとなく忙しない。医療制度改革論議も、医薬品を中心に、例年になく忙しない。

さて、薬価制度改革。先週もお伝えしましたが、9日に中央社会保険医療協議会(中医協)で、製薬業界代表の意見陳述がありました。しかし、基本方針は、菅義偉官房長官、石原伸晃経済再生担当相、麻生太郎財務相、塩崎恭久厚生労働相の4大臣でまとめるとのことです。まとめの時期は、当初、「年内」といっていましたが、ここにきてあんまり言わなくなっているから、ひょっとして年越しもあるかも。。。かりに年内でも、そうそう突っ込んだ細かい内容にはならないのではないでしょうか?いずれにせよ、その間に、中医協で、どれだけ濃厚な議論ができるかがカギです。来年9月は薬価調査がありますから、それを無視して、イレギュラーな薬価改定(18年4月の改定前の薬価引き下げ)を実施するのは、難しいとも言われています。まあ、年内も後、3週間足らず。気を引き締めて、参ります!!

 で、写真は有楽町で。ずっと前に買って履いてなかった靴があることに気づき、下駄箱の奥から引きずり出しました。電車で椅子に腰かけ、ふと足元を見たら、何と、靴がほこりまみれ!!!そこで、以前から、行ってみたかった靴磨き屋さんに直行。特製の靴墨を使って、約15分間、丁寧に磨いてくれました。靴の手入れについても、色々とアドバイスしてくれます。靴磨きなんて。。。ちょっと贅沢(笑)。。はじめての経験です。昔はよく見かけましたが、最近は珍しいです。ここは行列ができる日もあるそうです。ピカピカに磨いてくれたおじさんに「ありがとう。なんだか買った時より光ってるみたい!!」と私。おじさんは、顔をクシャクシャにして微笑んでくれました。師走の一場面。それではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください。

 
 
 
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