【6月12日発】白血病は幹細胞移植で“治療完了””じゃない! MeijiSeikaファルマの慢性GVHD新薬「レズロック」

 

◆MeijiSeikaファルマの小林大吉郎代表取締役社長

 白血病って造血幹細胞移植したら治療完了じゃないのーー?。有名俳優やスポーツ選手の完治例が大手メディアで紹介され、そんな風に考えていたが、MeijiSeikaファルマが先週6月6日に開いたプレスセミナーで誤りに気付いた。幹細胞移植後の合併症、移植片対宿主病(GVHD)の発生率が高く、しかも症状の重さで苦しんでいる方々がいる。GVHDはすさまじい皮疹、肝機能障害などを引き起こす。ステロイドで抑えるのが基本だが、半数以上の方は抑えきれない。同セミナーに登壇した20代の若き移植経験者はあまりの厳しさに希望を失い「幹細胞移植したことを後悔する時期もあった」と赤裸々に語った。幹細胞移植したら治療完了じゃないんだーと認識を改めた。MeijiSeikaファルマ(以下、Meiji)は、ステロイドで効果不十分な慢性GVHD患者に投与する専用の新薬レズロック(選択的ROCK2阻害薬、ベルモスジルメシル酸塩)を5月22日に新発売した。

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【6月11日発】《コラム》それでも私は「量」より「質」を追求する!

 

 

◆近所に咲く紫陽花様

 先日、いわゆる人工知能(AI)の研究、事業化に明るい先生にお話しを伺う機会がありました。お話はAIの現状、将来、ヒトとのかかわりにまで及び、これまで考えたこともない世界を考えるきっかけをいただきました。脳みそ的に「いい汗かいたなあ~」って感じです。

 釈迦に説法ですが、AIの実用化は、どんな分野においてもまずは基礎データをいかに早く、沢山、収集するかがカギになります。先生に伺ったお話はすそ野が広く、膨大、壮大な内容だったのですが、データ収集に絡んで「“量”は“質”を凌駕する」というくだりがあって、ちょっとドキッとしました。まさしく「薬新プラザ」は「量」より「質」を追う。真逆ですから、「耳が痛てえなあ」と思ったわけです。だがしかしちょっと待てよとも思うのでした。

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【6月10日発】大塚HD 5年後に売上高「2.5兆円」企業へ レキサルティとロンサーフで特許切れ品を相殺、成長

 

 

◆大塚ホールディングスの樋口達夫代表取締役社長

 大塚ホールディングスの樋口達夫代表取締役社長兼CEOは、第4次中期経営計画において精神・神経領域のレキサルティ、抗がん剤のロンサーフの主力品2品目(コア2)の成長などによりLOE(特許期間満了)製品のマイナス影響(約3100億円見込み)の大部分を相殺、28年売上高は23年比約4800億円増の2兆5000億円を目指すとした。※この原稿は業界OB「ShinOM」さんに書いていただきました!

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【6月3日発】アッヴィ合同会社 精神・神経系とオンコロジー中心に人員を増強 日本での製品開発、疾患啓発、販売を強化 

 

◆アッヴィ合同会社のジャームス・フェリシアーノ社長 日本語でプレゼンテーションする

 米アッヴィは主力品である関節リウマチなどの治療薬ヒュミラ(TNFα阻害薬)が特許切を迎え、23年の合計売上高、利益が減少。今後、新薬でいかに補うかかが当面の課題だ。しかしながら日本法人の売上高は2ケタ増を達成している。海外と日本の医療環境、製品、事業構成の違いが影響しているものと思われる。くしくも日本は薬価制度や、薬機法関連で新薬の開発をしやすくする環境整備が進んでいる。アッヴィが、日本事業の優先度を上げる可能性が高い。実際、日本法人、アッヴィ合同会社は先週5月28日に開いた業績に関する記者会見で、日本での臨床試験数が増加傾向にあり、疾患啓発や営業などを含め人員を増やす考えを示している。

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【5月31日発】MSD製薬のパイオニア精神、トップ製品キイトルーダ、シルガード9で切り拓く新世界

 

◆MSD製薬のカイル・タトル代表取締役社長

 MSD製薬は抗がん剤PD-1抗体と子宮頸がん(HPV)ワクチンで主流となる製品を提供しているだけに、制度政策面でパイオニア(開拓者)の役割を担う場面が多い。PD-1抗体キイトルーダは、かつて(2021年5月)薬価制度の市場拡大再算定で、複数ある適応症のうち一部しか重複していないにもかかわらず、引き下げ対象の同業他社品と「類似している」と見なされ、いわゆる「共連れ」の引き下げを受けた。しかもそれ以前にも再算定受けており、3回目だった。同社は、この時、いち早く「制度の不合理」「見直し」を訴えた。HPVワクチンは、21年2月から現存するワクチンで最も多い9価(血清型の種類数)に対応するシルガード9を発売し、HPVの制圧とワクチン接種率向上に向けた取り組みで先頭を走っている。

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【5月30日発】日本BI アセットチーム新設 「事業性」見極めながら開発加速化

 

◆日本BIのヤンシュテファン・シェルド代表取締役会長兼社長

 日本ベーリンガーインゲルハイムは今後5年間で15件以上の承認、上市を目指す。注力する疾患領域は心腎代謝、呼吸器、オンコロジー、免疫、メンタルヘルスと新たに取り組む眼科の網膜疾患の6疾患領域。ファーストインクラスの開発品も複数抱えている。また新薬開発からマーケティングまで4事業部制を導入、アセットチームで開発を加速していく。※この原稿は業界OB「ShinOM」さんに書いていただきました!

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【5月23日発】創薬は「いかに資金を呼び込むか」、後発品は「法的枠組み」、流通は「薬価差」論議に突入

 

◆創薬力構想会議の「中間まとめ」について説明する武田俊彦内閣官房参与

 政府の「骨太の方針」(経済財政と改革の基本方針2024)取りまとめ(例年6月)を前に、今週は新薬、後発医薬品、医薬品流通政策について「節目」となる動きがあった。

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【5月22日発】エーザイのAD薬レカネマブが「新局面」に リリーのドナネマブと「直接比較」はできない 優劣判断はまだ早い※5月22日午前10時15分に加筆修正

 

◆エーザイの内藤晴夫代表執行役・CEO

 エーザイは早期アルツハイマー認知症(AD)の進行抑制薬レカネマブ(レケンビ)の普及拡大に総力を挙げて取り組んでいる。レカネマブはADの発症、進行因子と目される脳内タンパク質アミロイドβ(Aβ)に直接作用し、世界で初めて進行を遅らせる効果が認められた。同業他社もAβに直接作用するAD薬の開発を長年進めてきたが、中々、成功しなかった。エーザイのレカネマブが昨年、日本と米国で世界初の承認を得て、販売を開始した。これまでにないタイプの医薬品だけに、エーザイは診断、投与、経過観察を貫くパスウエイ(経路)を一から構築する重責も負っている。一方、米イーライリリーが二番手のAD進行抑制薬ドナネマブを日米で承認申請済み。早ければ年内に承認される可能性もある。直接比較試験はないので、現時点で、どちらがどれだけ優れているかわからない。しかし競合品が出てくれば当然レカネマブの使用に影響する。その前に一番手のレカネマブが、どこまで処方を伸し、先行者利益を大きくできるかーー。

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【5月17日発】医療機関や薬局の収入になっている保険薬価と納入価の差額はどこまで許されるのか?※17日午後6時に字句修正

 医療用医薬品の取り引きで、医療機関や薬局の収入となっている薬価差(保険薬価と納入価の差額)ーー。医療保険という公的な枠組みで一体どこまでが許され、どこまでが問題なのか。これまで正面切った議論がなく、曖昧なまま放置されてきた。しかし、

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【5月15日発】住友ファーマ新体制で「決意表明」 親会社の介入も強化 “待ったなし”向こう数年が勝負

 

◆次期社長に就任する木村徹代表取締役専務執行役員

 住友ファーマが6月25日付で社長交代する。起死回生に向け全力で取り組む姿勢を社内外にアピールすることになる。取締役も大幅に変え、親会社、住友化学の人材を複数呼び入れる。同社は23年3月期決算で初めて450億円の赤字(連結最終損益)を計上、24年3月決算は赤字額が3150億円まで膨らんだ。今後、改善が見込まれるが25年3月決算予想も160億円の赤字で苦境から脱しきれない。こうした状況に親会社、住友化学が痺れを切らし、取締役を送り込んだ。新社長に就任する木村徹氏(現代表取締役専務執行役員)は「25年3月期にコア営業利益の黒字化、26年3月期に最終損益も黒字化させる」としているが、今後の業績次第で親会社の介入はさらに強まるだろう。

 住友ファーマ単独で成長し続けられるか、外部の関連企業と提携もしくは合併するか、親会社の100%子会社となり上場廃止となるかーー。向こう数年が勝負だ。

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