治療用アプリが普及すれば「安易な高血圧薬の処方」は減るに違いない!

 

 みなさん、お元気ですか?今週はシトシト雨でスタート。季節の変わり目で、気温の変化も激しくなっていますが、お変わりはありませんか?

 さて先週9月3日、治療用アプロの旗手、キュアアップが記者会見を開き、5月に薬事申請した高血圧患者向けアプリ(未承認)の臨床試験結果を発表しました。アプリで継続的にメッセージを受け取った患者は、生活習慣改善の取り組み意識が高まり、アプリを使わない患者より血圧が有意に下がったとのことです。しかもアプリ使用者と未使用者の降圧効果の差は、途中で薬を使用しようが、しまいが数値的にほとんど変わらなかった!!!これは衝撃です。。。。

 これまで高血圧の治療というと「即、医薬品処方!」というのが一般的でしたが、このアプリが承認され、医療現場で普及すると、トレンドが大きく変わるかもしれません。現在申請中。順調にいけば来年には、承認される見通しです。

 いやあ、疾患治療もDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいるんだなあ~。と良い意味で衝撃を受けました。

 ちょっと短いですが、本日はこれで。キュアアップの会見記事は当社発刊、MEジャーナルで詳報しております。是非、ご覧ください。

 写真は都内散策中に撮影。とある小さな美術館の玄関前。なごみます(笑)。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!

【MEジャーナル・9月6日号】

高血圧治療薬の“適正使用”に「期待の新星」!

キュアアップ 治療用アプリの「秘めたる起爆力」

 

 

 

デジタル、リモート化を進めながらも、その限界、デメリットを知っておく必要がある!

 

   はあい!みなさまお元気ですかあ?

 今週で8月が終了、9月に突入します!相変わらずコロナ禍の各種政策で「ヘンテコリン」な日常生活が続いていますが、食欲の秋、読書の秋に備え、今のうちに基礎体力を養っておきましょう!

 さて本日8月30日、Reuyers Events  Japan(ルータス イベンツ ジャパン)さまから送っていただいた調査レポートによると、コロナ禍で、製薬および医療関連企業の各種業務にデジタルツールが急速に浸透している現状を裏け付けました。

 日本国内関連企業を中心に442名を対象にした調査なんですが、マーケティング、メディカルアフェアーズ(学術情報提供)、臨床開発の各部門でリモート化が進んでいます。まあ、当然と言えば当然の結果でもあります。おそらくコロナ禍が終息しても、デジタル、リモートの利用は続き、リアル(直接触)との組み合わせが主流になるでしょう。

 ただ、この調査で面白かったのは、医師や医療従事者との会議は、半数以上が将来、「対面」の割合が少しずつ戻ると回答している点です。やはり皆さん、リモートでは伝えにくい、伝わりにくい、人間そのものが発する情報交流があるとお考えなのでしょう。

 コロナ禍で急速にデジタル、リモート化した世の中。すべての交流がメール、電話、PC画面のやりとりになっております。こうした手法は、必要最低限の連絡には最適ですが、お互いが持つ深部のやり取りには限界があるように感じます。

 デジタル、リモート化への対応を進めながらも、その限界、デメリットも知っておく必要があると考えています。大事なものを失い、「それでいい」と開き直ってしまえば、人と人の直の交流は軽視され、ついには「すべての業務はAI(人工知能)に任せりゃいいじゃん!」てなことになりかねない。昭和生まれに私としては、そんな世の中にならないで欲しいなあと、心から願う今日この頃です(笑)

 写真は日比谷公園にて。この風景はいつ来ても変わらん!久々に霞が関にてリアル取材!帰りにほっと一息つきました。それでは皆様、素敵な1週間をお過ごしください!

 

 

コロナ対策は自民党総裁選、衆院選挙が終わるまで「現状維持」なのか?!

   

 みなさんお元気ですか?2021年の夏ももう終わります。空の青さも雲の形も秋めいてきました。海水浴、お祭り、花火、ビアガーデンなどなど。日本の夏の風物詩は2年連続で封印されました。(グスン、泣)

 新型コロナ禍となって約1年7か月。政府の対策は緊急事態宣言、まん延防止措置を繰り返すのみ。最近になってようやく医療体制整備などもポツポツ話題になっていますが、「え、今かよ?おそっ!」って思うし、遅々として進まない。いまも政府の基本政策は、相変わらず我々国民に自粛生活、行動抑制を要請するのみです。

 もう皆さんもお気づきの通り、こんなんなっちゃっているのは東京オリンピック開催(終了)、そして秋の自民党総裁選、衆院選挙が少なからぬ影響を及ぼしている。新たな政策を打ち出して成功すればいいが、失敗すればたちまち大批判を浴び、政権への支持率はさらに低下する。だから、もう秋の自民党総裁選、衆院選が終わるまで今のまま「自粛、自粛」の政策を続けるのかもしれません。

 ウイルスは変異を繰り返しますから感染を完全に制御することはできない。従ってパンデミック対策に「絶対」はない。しかし、感染者数だけを重視し、自粛と行動抑制のみを強化する従来の政策は、もう限界でしょう。

 支持率ガタ落ちの菅政権。本来は新機軸を打ち出してもいいはずなんですが、慎重ですね。チャレンジして転ぶより、現状維持のままなんとか乗り越えたいと考えているようです。なんだかなあ~。スッキリしない今日この頃です。

 写真は近くのビルの屋上から撮影。カンカン照りで暑いですが、空はもう秋の気配を帯びています。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!

 

コロナ禍での医療混乱に油を注ぐ、後発品回収!とまれ止む無し!

 

 みなさん、お元気ですか?お盆でお休みの方も多いかも知れません。自粛生活。いかがお過ごしですか?

 さて後発医薬品の回収が相次ぎ、医療現場への安定供給に問題が起きております。ただ、この回収をもって「後発品は品質が悪い」と決め付けるのはちょっと違うかもしれません。

 発端は昨年末、小林化工が抗真菌剤イトラコナゾールに睡眠薬を誤混入し、患者に重篤は副作用が生じた事件でした。その後、厚労省が後発各社に生産管理体制の再確認を強く求めたところ、まあいまのように次々に製品回収する後発品企業が出てきたわけです。

 ただ、回収にも色々あります。少なくとも小林化工のように、本来の効能とはまったく別の薬が混せてしまったなんてショッキングなケースはないようです。

 医薬品は承認時に、製造方法について「標準手順書」を作成します。そして承認後は、その手順書通りに製造することが求められます。その手順書から逸脱した手法で製造するとそれは違反になります。しかし、いま続出している後発品の回収はどうも、手順書から逸脱していたというケースが多いようです。違反行為なので、製品を回収し、体制を改める必要があります。回収が続いているのは、いかにこれまで水面下に潜って違反を続けていた製品が多かったかの証明でもあります。ですが、幸い副作用で、患者に不利益を与えるケースはないようです。

 現在、コロナ禍で医療現場は大混乱、後発品各社の回収は混乱に油を注ぎ、大きな批判を浴びています。しかし、知らん顔して黙って続けるわけにもいかない。いまのうちに改めるべきは改めておくべきでしょう。

写真は都内、散策中に撮影!なごみます(笑)それではみなさん、素敵な1週間をお過ごしください!

 

【お知らせ】

現代ビジネスに医療用医薬品の流通問題について一般向けの記事を書きました。どなたでも無料でお読みいただけます。お時間がございましたら是非、お読みください。

 

◆医薬品流通の深すぎる闇…/卸4社の「談合」で見えてきた「歪んだ商取引」の実態/悪しき慣習を排す「構造改革」が必要だ

 

 

 

MSDが単独で薬価制度見直しを提言!キートルーダの引き下げで窮状を訴える。

 みなさんお元気ですか?夏真っ盛り!本来なら海、山、川にGO、GO!という季節ですが、今年は異様な状態が続いています。なんとか乗り切りましょう!

 さて7月27日、MSDが主力の抗がん剤キートルーダの度重なる薬価引き下げに悲鳴を上げ、現行薬価制度を見直すべき、とする記者会見を開きました。薬価制度については、これまでは団体が意見を取りまとめるのが基本で、製薬企業が単独で記者会見で開くのはかつてないことです。ある意味、これも新時代の象徴的な出来事でしょう。

 キートルーダは17年初頭に「悪性黒色腫」「非小細胞肺がん」の適応で薬価収載されましたが、その後、いくつもの適応がん種を追加し、19年後半まで順調に売り上げを伸ばしていました。しかし、日本の薬価制度には当初の予測以上に市場が伸びた医薬品と、その類似品は薬価を引き下げるルールがあります。キートルーダは予想以上に市場が伸びたので、20年に一度(2月と4月に分割実施)引き下げを食らっていました。

 そして21年8月、今度は19年4月に登場した競合品テセントリク(中外製薬)が売り上げを伸ばし、テセントリクが引き下げ対象になったため、その類似品として薬価を引き下げることになりました。

 結果、キートルーダの薬価は収載時から4年間で48%低減、競合品テセントリクを下回ることになりました。4半期ごとの売り上げは19年第3四半期の約380億円をピークに徐々に減少、21年第1四半期は約250億円まで減少しており、8月からの薬価引き下げで今後もかなり厳しい推移を辿ることになりそうです。

 MSDの記者会見には、カイル・タトル社長、白沢博満上級副社長執行役員(グローバル研究開発本部長)、笹林幹生執行役員(マーケット・アクセス部門統括兼流通担当)が登壇。窮状を訴えました。具体的な見直し案も提示したのですが、今後、どこまで受け入れられるか。注目されます。

 日本の薬価制度は複雑。とくに外資系のトップから見ると「奇異」に映るようで、日本の社員に「なぜこんなに下げられるんだ」と不満を爆発させるケースも多いと聞きます。

 今後、薬価制度に関する個社での単独会見、意見表明が増えるかもしれません。少なくともMSDはその前例を作りました!

 写真はMSDのタトル社長(MSD提供)。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

 

独の治療アプリの保険償還制度は薬にも転用可能では?

    みなさんお元気ですか?夏真っ盛り!素晴らしい快晴が続きます!

 新型コロナのパンデミックに合わせて、激しいインフォデミック(情報爆発)も続いています。それはそれでいいんですが、コロナの陰に追いやられて、他の大事なニュースが隅に追いやられる、あるいは水面下に潜ってしまう。そんな由々しき事態になっています。

 医薬品関連で言えば、そろそろ毎年恒例の保険薬価(医療保険財源から支払う医薬品の価格)について議論が始まるはずですが、一般的にあまりスポットは当たっていません。

 今年は、例年より若干深い議論が行えわれるものと予想しております。

 注目しているのが治療用アプリ。保険支払い価格をどうするか今、厚労省が議論を急いでいます。治療用アプリは昨年、日本で第1号製品(ニコチン依存症治療用アプリ=キュアアップ)が承認、保険適用となり、今後も続出が見込まれます。しかし今のところ統一した保険価格の設定ルールがないんです。そこで海外のルールを参考に、日本独自のルールを作成する流れにあります。

 治療アプリの議論は医薬品の保険薬価にも影響。いやむしろいい部分があれば積極的に取り込んでいいのではないかと個人的に思っています。

 日本総合研究所の川崎真規氏によると、例えばドイツは19年12月から治療用アプリの開発、使用促進政策を施行。一定条件を満たせば申請から3か月以内に保険支払い価格が設定され、小規模なエビデンスでも仮登録という形で、臨床現場での使用が認められています。

 保険支払い価格は当局が設定した上限を基にまずはメーカーが設定、2年目にアプリの有用性を評価して1年目より低い価格に修正する。さらに家庭医制度を徹底しており、家庭医への支払い財源は過去の医療行為を査定したうえで定期的に見直されるので、日本の出来高払い制のように使えば使うだけ青天井に支払い額が膨らむことがない。

 企業にとって予見性が高い、医療現場にも迅速に新製品を導入できる、財源にも一定の歯止めがかかるーーー。なかなかよくできた制度じゃないですか?いま日本は治療アプリでドイツの制度も参考に議論を進めていくようですが、この制度、保険薬価にも転用可能ではないでしょうか?

 写真は散策中に撮影、足元に小さなトカゲ君。みんなみんな生きているんだ友達なんだあ~♪♪ということで、みなさま!素敵な1週間をお過ごしください!

 

 

 

 

 

 

ウイルスが変異し感染力を強めるのは当然。悲観は禁物だ!

   はい!みなさんお元気ですか?暑い日が続きます。連休、楽しめましたか?

 さて新型コロナウイルス。むこうさんも必死なので、どんどん変異して感染力を高めているようです。しかし、ウイルスは宿主が死んでしまったら、自分たちもそこで終わってしまうので、病毒性(宿主に重い症状もたらしたり死亡に至らせる力)は徐々に弱めているはず。少なくとも過去の感染症の歴史を振り返ると、ウイルスは概ねそういう特性を持っています。まあ、新型コロナだけが、過去に例がないウイルスで、感染力、変異力、病毒性を一方的に増すばかりという特殊キャラクターなら話は別ですが。。。いまのところそのような根拠はない。また、かりにそうであったら、そんなウイルスは宿主を潰してしまうので、早晩終焉。私たち人間界に長く居座ることはできないでしょう。

 相変わらず一般メディアの報道は「感染拡大!」「感染拡大!」「危ない!」「危ない!」の一辺倒!もう1年半も大騒ぎを続けていますが、厚労省のHPを見ると、7月25日現在、日本の累積感染者数は87万942人、累積退院者数は81万6035人で93%が回復。死亡者数は1万5128人で1.7%です。

 また、重症者は70歳以上がほとんど。死亡者は80歳代が50%、次いで70、60歳です。

 この数値をどう見るか、立場によって違いがあると思いますが、いたずらに恐怖心ばかり煽って若い世代、働く世代の活動を封じ、社会的機能を停止している現状に深い疑問を抱いています。私のこのスタンスは昨年から一貫して変わりません。どうも少数派のようです。勿論、感染抑制の対策は必要だと思いますが、単なる「行動制限」をこんなに長く続けているのは腑に落ちません。改めて感染症、そしてそれを取り巻くインフォデミックの恐ろしさを実感します。

 何がいいたいかというと、こういう混乱時には、とにかく「冷静さ」が大事です!!メディアも商売ですから、今後も煽り報道を続けると思いますが、それに踊らされることなく何とか乗り越えましょう!

 写真は森林を散策中に撮影。それではみなさま、素敵な一週間をお過ごしください!!

 

 

国民の休日、移動で混乱!「海の日」「スポーツの日」「山の日」って何?

 

 みなさん、お元気ですか?全国的に梅雨も明け、都内は素晴らしい天気が続きます。

 さてオリンピック、パラリンピック開催に伴い21年は国民の休日がいくつも移動します。

 「海の日」が7月19日から22日に移動、「スポーツの日」が10月11日から7月23日に移動、「山の日」が8月11日から8日に移動ですが、当日が日曜なので、9日が振替休日になります。

 いやいやあ~、なんてややこしい!

 昨日19日は地方の保健所などで休日と勘違いして業務を停止するなど、全国的に混乱があったようです。

 で。。。。かくゆう私もやらかしてしまいました(苦笑)。恥ずかしながら昨日、休日と勘違い。もう何か月も前から休日であるとの前提でスケジュールを組んでおり、各方面に色々、ご迷惑をかけております。大変、申し訳ありません。4月スタートの年間手帳には、しっかり赤文字(休日)印刷になるんですけどお。もう手帳屋さんったら困りますよお!!!

 ところで「海の日」「スポーツの日」「山の日」って何?

 国民の休日も名称が変遷し、何がなんだかわからなくなってしまいました。ちょっと調べてみます(笑)

 ということで、たわいのない話に終始しましたが、今回はこの辺で。

 写真は近くのカフェで。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!

 

「小児がん新薬」にかける大原薬品の挑戦!!第1号製品が承認獲得!

 みなさんお元気ですか?外出や直接面談が厳しく制限される中、外はいい天気!今年の夏は、あまり出歩けない。。。ある意味、「罪な夏」になりそうです。

 さて大手製薬企業ビジネス同様、売上高500億円未満の製薬企業ビジネスもまた曲がり角を迎えております。

 中でも新薬の特許が切れた後で出てくる後発医薬品ビジネスは、国の使用促進策もひとまず終了。さらに、これから特許が切れる新薬は、バイオ医薬品など技術水準が高く、基礎体力をしっかり身に着けた企業でないと後発品を出したくても出せない。「特許が切れた新薬はガンガン後発品を出してどんどん売りさばく」という従来型のモデルは通用しなくなりつつあります。

 そんな中、大原薬品工業が6月末に小児がんの治療薬ユニツキシン(新薬)の承認を取得、近く販売を開始します。大原薬品の売り上げは後発品が多かったのですが、10年位前から小児がん領域を中心とする新薬開発に着手。今回、晴れて成功しました。適応は「大量化学療法後の神経芽腫」。詳細な説明を省きますが「神経芽腫」は、小児がんの中で、白血病、脳腫瘍に続いて多いがんです。

 

 子供(小児)は私たちの未来を切り開く、社会の宝です。みんな明るく元気に育ってほしい。そんな子供(小児)さんが、がんにかかるのは大変、痛ましいことですが、中高年に比べると患者が少ないため、大手製薬企業は新薬開発に中々、踏み出しません。大原薬品はそこに着目し、新薬を臨床現場に投入したのです。製薬企業の心ある新薬開発チャレンジとして注目しています。是非とも臨床現場でしっかり育てて欲しいです。

 もう言うまでもないことですが、500億円未満の製薬企業も新たな挑戦、新たな一歩が求められています。新型コロナ禍で、社会全体が大きな転換期を迎えました。

「変らずに生きてゆくために、自ら変らねばならない」。

 昔のイタリア映画「山猫」の主人公の言葉です。いまほどフィットする状況もないでしょう。

 写真は日常の1コマ!自粛生活を機に、できればヘルシー生活にシフトしたいと思います(飽くまで願望!(笑))それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

 

 

大手医薬品卸の入札談合を機に、保険薬価の決め方を本気で見直す必要がある!

  みなさん、お元気ですか?じめっとグズついた空気。今週も曇天でスタートしました。

 さて先週6月30日。医療用医薬品の入札を巡る談合事件で、日本を代表する大手医薬品卸、アルフレッサ、スズケン、東邦薬品に有罪判決が下りました。もう1つの大手メディセオは当局に最も早く事前に談合を認めたため、起訴を免れましたが、実質的には4社の談合が明るみに出ました。

 このブログで何度も取り上げましたが、医療保険で使われる医療用医薬品の保険支払い価格(保険薬価)は、医療機関への卸の納入価格を基に決められています。その納入価格を卸が談合で決めているとしたら、私たちが保険料、税金、自己負担で支えている医療保険財源が、不当に使われていることになります。

 厚労省は7月2日に「医療用医薬品の流通の適正化に関する懇談会」を開催。医薬品卸の委員がその場で、コンプライアンスを徹底する意思を表明し、二度と談合が起こらないようにすると誓いました。しかし、実は、この懇談会。2004年の初回開催以来、すでに31回。17年も議論を続けています。それでもまだ「昭和の悪しき慣習」ともいえる談合が残っている。しかも日本を代表する大手4社が手を染めていたのです。

 勿論、医薬品卸4社は悪いのですが、こうした談合が起こる背景には、医療機関の入札方式、医薬品メーカーと卸の取引形態も影響しており、ある種の構造問題です。

 医療保険で支払う医薬品の価格(保険薬価)を、卸の納入価で決める現在の方式は、もはや限界に来ているのではないでしょうか。今回の入札談合事件を機に、値決めのルールを根本から問い直すべきではないでしょうか。

 写真は三越前で。二階建ての赤い観光バスが入っていると、エキゾチックな感じがしますね。それではみなさま、素敵な1週間をお過ごしください!

 

【テレビ出演のお知らせ】

◆先週6月30日夜にBS11の「報道ライブ インサイドOUT」に出演しました。

その映像が7月13日まで無料配信されております。

反省点多々あり。未熟さを露呈していますが、御笑観いただけますと、うれしく存じます。

BS11オンデマンド|報道ライブ インサイドOUT|「コロナ治療薬に高まる期待 開発の現状と課題は?」

 

 

 

 

 
 
 
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