新型コロナワクチンの定期接種(主に65歳以上対象、費用は一部自己負担)が今日10月1日からスタートする。これを機に、新しいタイプのmRNAワクチン「コスタイベ」が世界に先駆けて日本の臨床現場に登場する。既存のmRNAワクチン(国内3種)は、免疫を誘発するたんぱく質(抗原)生成のmRNA(設計図)を接種するというシンプルな仕組みだが、接種したmRNAが長持ちせずに消滅してしまう。一方、コスタイベは新技術を応用し、mRNAがすぐには消滅せず一定期間、自己増幅する。臨床試験によって既存ワクチンより少量で効果を発揮、副反応は同程度で、持続期間も長いことを証明した。既存のmRNAとは区別し、次世代mRNAワクチン、レプリコン(自己増幅型=Salf‐amplifying)ワクチンなどと称される。製造販売元のMeijiSeikaファルマは先週9月25日、記者説明会を開催、コスタイベの開発経緯、意義を強調した。
石破茂新政権が明日10月1日に発足する。先週、5回目のチャレンジとなる自民党総裁選で高市早苗氏を決戦投票で破って当選。満を持しての船出となる。一方、最大野党、立憲民主党の新代表に野田佳彦氏が就任した。石破、野田両氏の外見はどことなく「昭和感」が漂い、私のようなロートルは親しみを覚えるが、世間一般には「強面」とネガティブに受け止める方も多い。しかし、ともに経験豊富な政策通。政治家としては“いぶし銀のプロ”だ。加えて、はぐらかしや、パフォーマンスが少ない。真正面から議論するタイプだ。今後、両氏が変節しなければ国会論戦は、“がっぷり四つの真剣勝負”になると期待している。同盟国、米国では11月の大統領選を前にハリス副大統領(民主党)とトランプ前大統領(共和党)が熾烈な論戦を繰り広げている。
ということで日米ともに、時代の変革期を迎えたと言っていい。私を含む日本国民、勿論、医療、医薬品業界人も、もう単なる傍観者でいることは許されない。政治動向を注視し、井戸端(日常生活)で議論し、可能な手段で積極的に声を発する必要がある。そうすれば少なからず何かが変わる。日米とも政局はしばらく落ち着かないかもしれないが、“議論”と“交渉”の時代に戻りつつある。変革を望む国民にとってはある意味、チャンスだ。業界は、ロビー活動を先鋭化すべきだろう。
明日発足する石破新政権は、すでに党役員、各省庁の閣僚人事を固めた。医療、医薬品の政策にどう影響するだろうかーーー。その顔ぶれから私見を述べる。【本文一部修正】
ユーシービージャパンが効率的、安定的な情報提供活動を展開している。MR約300人とデジタル、リモートを組み合わせた、いわゆるオムニチャネル戦略で、ここ数年、大きな人員増減無しで最適な体制を維持している。ベルギーに本社を置くUCBグループのジャン‐クリストフ・テリエCEOの来日に合わせて18日に記者会見を開催。テリエCEO、エマニュエル・ケイマックスCOOらが、日本市場を欧米と同等に重要視し、新製品上市、販売に積極的に取り組む姿勢を見せた。日本での単独販売の状況は、その中のトピックのひとつとして取り上げた。
自民党総裁選で各候補者の行動や発言が連日、報道されている。限られた時間の中で、わかりやすさと印象の良さが問われるので当然、全国民に向けた発信は、基本姿勢のみに止まる。しかし各産業界は、各候補の細目(具体的な施策公約)にも目を配っている。その細目レベルの話だが、加藤勝信氏が社会保障改革の1つとして「物価に連動した薬価の見直し」を打ち出して、業界内で話題になっている。国民からすれば「当たり前のことじゃないの?」程度の話だろうが、製薬業界人にとっては
先日、厚労省OBの方とお話する機会があり、「医薬品行政の課題」について御見解を伺ったところ、「承認、審査、保険適用の“迅速化”はいうまでもないが、同時に、臨床現場に出た後の評価見直しを“迅速化”することが大事だ」という趣旨の返答があった。新型コロナウイルスのパンデミックで、世界中、大混乱となり、厚労省は「通常承認」よりも提出データ要件が緩い「特例承認」「緊急承認」という枠組みを使って、異例の速さで新たなワクチンや、治療薬の使用を認めてきた。そうしたワクチン、治療薬も臨床現場でデータを積み上げ、新たな知見が出てくる頃だ。しかし、その知見に基づく、
自民党総裁選が、9月12日告示、27日投票と決まった。今の日本は自民党総裁=内閣総理大臣なので、国の行く末を左右する重要な「節目」になる。立候補者は現時点で9人と目され、過去最高。「乱立」と揶揄されているが、それだけ意欲ある人が多く、かつ党内論議に幅があるとも言える。悪いことではない。自民の議員か、党員でなければ投票権がないが、全国民は注視すべきだろう。しかし、投票まで、もうひと月切っている。自民総裁、すなわち次期総理候補一人一人の実績、思想信条を把握するには残された時間はあまりに少ない。どうすればいいか?考えたあげく、かつて高名なジャーナリスト、田原総一郎氏が「総理になるなら本を書け!」と言っていたのを思い出し、大型書店に走った(ネットでもいいが、私は書店がスキンなので。。。)。結果、立候補者として名が挙がっている方々のうち、ここ数カ月間で出た新刊本が見つかったのは、石破茂元幹事長と高市早苗経済安全保障担当相の2人だけだった。